特定技能のりあい窓口

https://tokutei-noriai.blog/2026/10/15/kaigai-kara-yobu/ 印刷日:2026年10月15日

特定技能の人材紹介会社・登録支援機関を比べて相談できる窓口 全国オンライン対応

海外から特定技能人材を呼ぶ方法|送出し国の手続きと期間

日本側の手続きはどの国も同じ。違いは送出し国と分野の手続きにある。3つを重ねて入国日を逆算する

海外から特定技能人材を呼ぶとき、多くの会社が迷うのは「国ごとに何が違うのか」と「入国までどれくらいかかるのか」です。日本側の手続きは国を問わず同じですが、送出し国によっては、政府が認定した送出機関を通すことや、現地での登録・許可が求められます。この記事では、特定技能の人材を海外から呼ぶ流れを、日本側の手順、協力覚書を結んだ17か国の違い、覚書のない国からの受け入れ、送出し機関の選び方、期間と費用の見通しの順に整理します。2026年10月時点の公的資料にもとづきます。

この記事の結論
  • 日本側の流れは国を問わず同じ:雇用契約→支援計画→在留資格認定証明書(平均64.1日、2026年7月許可分)→査証(問題がなければ5業務日)→入国。証明書は交付から3か月以内に使います。
  • 違いは送出し国と分野の手続き:協力覚書を結んだのは17か国(2025年12月1日時点)。送出機関が必須の国、本人の登録や許可が要る国など、手続きは国ごとに違います。覚書のない国からも受け入れはできます。
  • 送出し機関は「認定」と「費用の内訳」で選ぶ:認定の一覧と取消しの一覧を確かめ、本人が払う費用の内訳と算出根拠を書面でもらいます。保証金や違約金を取る機関とは組みません。

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この記事の目次

海外から特定技能人材を呼ぶ全体像:3つの手続きを重ねる

海外から特定技能人材を呼ぶ手続きは、「日本側」「送出し国側」「分野側」の3つが重なったものです。日本側の流れは、どの国から呼んでも同じです。国ごとに違うのは送出し国側の手続きで、分野ごとに違うのは協議会などの上乗せの手続きです。入国日は、3つのうち最も時間がかかるものから逆算して決めます。

図1海外から呼ぶときに重なる3つの手続き

  • 日本側(どの国も同じ)雇用契約、事前ガイダンスと健康診断、支援計画、在留資格認定証明書の交付申請、査証(ビザ)、入国。
  • 送出し国側(国ごとに違う)政府が認定した送出機関の利用、求人や契約の登録・認証、本人の出国許可やオリエンテーションなど。
  • 分野側(分野ごとに違う)在留諸申請の前の協議会への加入、業務区分の確認、分野によっては受入れ人数の上限。
送出し国側の手続きは、それぞれの国の国内規定にもとづくものです。手続きを終えたことの証明書を発行する国もあります。出典:出入国在留管理庁「特定技能に関する二国間の協力覚書」(2026年10月14日閲覧)

数字で見る海外からの受け入れ

図2海外から呼ぶときの基本の数字

  • 17か国協力覚書を作成した国2025年12月1日時点
  • 64.1日在留資格認定証明書の交付までの平均(1号)2026年7月許可分・外食業を除く
  • 5業務日査証の発給の目安申請受理の翌日から。問題がない場合
  • 3か月認定証明書の有効期間交付日から3か月以内に上陸申請
平均の数字を足すと、日本側だけで、証明書の申請から入国まで2か月以上かかります。出典:出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2025年12月1日時点)、出入国在留管理庁「在留審査処理期間(日数)令和8年7月許可分」、外務省「査証取得までの必要日数」(2022年12月5日)、出入国在留管理庁「出入国審査・在留審査Q&A」(2026年10月確認)

日本に住む人を採用する方法もあります。手続きの比べ方は国内在住の外国人を特定技能で採用する方法をご覧ください。

海外採用で特定技能人材を呼ぶ流れ:日本側の9つの手順

日本側の手順は、出入国在留管理庁が示す9つです。会社が動くのは主に前半の4つで、後半は本人が現地で進めます。送出し国の手続きは、この間のどこかに挟まります。

  1. 試験の合格か、技能実習2号の修了を確かめる

    分野の技能試験と日本語試験(国際交流基金日本語基礎テストか日本語能力試験N4以上)です。介護は介護日本語評価試験も要ります。

  2. 雇用契約を結ぶ

    報酬は日本人が同じ仕事をする場合と同等以上にします。国によっては、契約の前に送出し国の手続きを終える必要があります。

  3. 支援計画を作り、申請前の準備を済ませる

    事前ガイダンス(対面かテレビ電話で3時間程度)と健康診断は申請の前に行います。協議会への加入と、市区町村への協力確認書の提出も申請の前です。

  4. 在留資格認定証明書の交付を申請する

    会社の職員が代理人となり、所在地などを管轄する地方出入国在留管理官署に申請します。手数料は無料、標準処理期間は1〜3か月です。オンライン申請なら証明書をメールで受け取れます。

  5. 証明書を本人に送る

    国によっては、送出機関などを通して送ります。

  6. 本人が現地の日本大使館などで査証を申請する

    国によっては、現地で受けた登録番号の写しなども一緒に出します。

  7. 査証を受け取る

    問題がなければ申請受理の翌日から5業務日です。審査に1か月以上かかる場合もあります。

  8. 入国する

    証明書の交付日から3か月以内に上陸申請をします。空港で上陸許可を受けると、在留カードが交付されます(一部の空港では後日交付)。

  9. 就労を始める

    空港への出迎え、住居への案内、生活オリエンテーション(8時間以上が目安)を経て、仕事を始めます。

入国前の結核スクリーニング:特定技能は当面の間対象外

入国前結核スクリーニングは、対象国の国籍で中長期在留者として入国する人に「結核非発病証明書」を求める仕組みです。フィリピンとネパールは2025年6月23日から、ベトナムは2025年9月1日から提出が必要になりました。インドネシアは2026年11月2日に健診の受付を始め、2027年1月4日から提出が必要になる予定です。ミャンマーと中国は時期が未定です。

ただし2026年9月25日改正のガイドラインでは、特定技能外国人は当面の間対象外です。特定技能で呼ぶ本人は、今のところ証明書を用意しなくてかまいません。「当面の間」の扱いなので、申請の前に最新版を確かめます。2号の人が家族(家族滞在)を呼ぶ場合は、対象外の一覧に入っていない点に注意します。申請用の健康診断(申請日前3か月以内、胸部エックス線を含む)は、これとは別に必要です。申請の書類は在留資格認定証明書交付申請の手順で解説しています。

協力覚書を結んだ17か国:送出し国の手続きの違い

日本は、保証金を取るなどの悪質な仲介事業者を排除するため、送出し国と二国間の協力覚書(MOC)を作っています。2025年12月1日時点で17か国です。違いが出るのは「送出機関を必ず通すか」「現地で何を登録・申請するか」「日本の申請に何を付けるか」の3点です。

協力覚書を結んだ国の主な手続き(出入国在留管理庁の各国の解説による)
国送出機関現地側の主な手続き
フィリピン必須。直接の雇用契約は認められないとされる募集取決め、移住労働者事務所(MWO)の審査と英語の面接、DMWへの登録。本人はオリエンテーションと海外雇用許可証(OEC)
カンボジア必須(認定送出機関)本人が労働職業訓練省の登録証明書を取得(2〜3営業日)。日本の申請に添付
ネパール任意。直接採用ができる本人の健康診断、出国前オリエンテーション、海外労働許可(健診から概ね10日間程度)
ミャンマー必須(認定送出機関)求人票を政府が承認。本人が海外労働身分証明カード(OWIC)を申請
モンゴル労働福祉サービス庁(GOLWS)が唯一の送出機関GOLWSとの双務契約、候補者表、出国前研修。査証の申請もGOLWS経由
スリランカ任意本人が海外雇用局(SLBFE)に登録し、2日間程度のオリエンテーション
インドネシア任意(P3MI)直接採用なら会社がIPKOLに求人を登録。本人がSISKOP2MIに登録し、移住労働者証(E-PMI)を受ける
ベトナム必須(認定送出機関と労働者提供契約)契約をDOLABが承認。本人が推薦者表の承認を受け、日本の申請に添付
バングラデシュ任意。使う場合は認定機関会社の要求書を大使館が認証(約3営業日・無料)。本人がBMETの出国許可カード(約2営業日)
ウズベキスタン任意入管の解説に本国側の手続きの記載はない。大使館に確認
タイ任意。使う場合は認定機関。日本企業の現地での直接求人は禁止とされる雇用契約書等を大使館の労働担当官事務所で認証。本人が出国許可を申請。入国後15日以内に来日報告書
インド任意政府のシステム「eMigrate」への登録は任意とされる
パキスタン・キルギス・ラオスパキスタンとキルギスは任意とされる手続きの解説が掲載されている。ラオスは認定送出機関と認定取消しの一覧もある
マレーシア・タジキスタン—手続きの解説は掲載されていない(2026年10月14日時点)

「任意」でも、現地の手続きはなくならない

送出機関が必須の国では、送出機関選びが最初の一歩です。一方、任意の国でも、本人の登録や出国許可は残ります。ネパールの海外労働許可や、インドネシアのSISKOP2MIへの登録がその例です。各国の手続きは相手国政府から提供された情報で、最新でない場合があります。最終的な確認先は、駐日大使館などです。

日本の申請書類に、本国の証明を付ける国

出入国在留管理庁は、在留資格の申請に本国の証明書を付ける国を案内しています。ベトナムは推薦者表、カンボジアは労働職業訓練省の登録証明書です。タイは、技能実習2号・3号を修了した人が特定技能に変更するとき、大使館で認証を受けた雇用契約書を付けます。証明書が手元にないと申請できないため、取得の段取りを先に決めます。

覚書の継続期間と、手続きの変更にも注意

覚書には期間があります。ミャンマーは2024年4月1日から5年間の更新、インドネシアは2026年6月25日から6か月間の更新とされています。ベトナムとタイは、終了の通知がなければ5年ずつ自動で延長されます。手続きも変わります。フィリピンでは、海外雇用庁(POEA)が移住労働者省(DMW)に統合されました。ベトナムは、2024年3月25日に推薦者表の様式の変更に合意しています。採用の計画を立てるたびに、出入国在留管理庁の協力覚書のページで最新の案内を確かめます。

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覚書のない国から呼ぶとき

協力覚書がない国の人も、特定技能で受け入れられます。出入国在留管理庁のQ&Aは、覚書を作った国の国籍であることを受入れの要件にしていないと説明しています。実際、2026年6月末の特定技能1号の国籍別上位5か国は、ベトナム、インドネシア、ミャンマー、フィリピン、中国の順です。5位の中国とは、覚書を作っていません。

受け入れられない国・地域もある

例外は、退去強制令書の円滑な執行に協力しない国・地域の人で、受け入れられないとされています(運用要領)。介護の試験でも、日本国内で受験できるのは、法務大臣が告示で定める国・地域の旅券を持つ人に限られています(厚生労働省)。候補者の国籍が対象に当たらないかを、最初に見ておきます。

試験は近隣国でも受けられる

試験を実施していない国の人が、近隣国で実施される試験を受けることは妨げられていないとされています(Q&A)。ただし、どの国で試験があるかは分野ごとに違います。分野の試験実施機関の案内で、日程と会場を確かめてください。

本国の出国ルールは大使館で確かめる

覚書がなくても、本国に海外就労の許可や登録の制度がある場合があります。日本側の資料には載らないため、駐日大使館などに問い合わせます。覚書の有無にかかわらず、保証金や違約金を取る仲介事業者は使えません。

送出し機関の選び方:認定・費用・契約・便益の4つ

送出し機関は、「国の認定」「本人が払う費用」「日本側の紹介会社との契約」「会社への便益」の4つで見極めます。どれも、問い合わせの段階で書面や一覧で確かめられることです。説明の上手さではなく、出てきた書面で比べます。

図3送出し機関を確かめる4つの点

  • 1国の認定

    出入国在留管理庁のサイトに、ベトナム・ミャンマー・カンボジア・タイ・ラオスなどの認定送出機関の一覧があります。ベトナム・ミャンマー・ラオスは、認定の取消しや無効の一覧も公開されています。ただし、一覧が最新とは限りません。

  • 2本人が払う費用

    費用の内訳と算出根拠を書面でもらいます。協力覚書は、根拠を示さない手数料の徴収や、預り金を理由とする財産の管理を不適切な行為として扱っています。

  • 3日本側の紹介会社との契約

    国外にわたる職業紹介では、保証金を取る、財産を管理する、違約金契約を結ぶ、渡航費用を貸し付ける取次機関は利用できません。

  • 4会社への便益

    ベトナムとの協力覚書は、送出機関から航空券・ホテル代・接待などの便益を受ける受入れ機関には送出しを認めない旨を定めています(英文の要旨)。

受入れ機関だけでなく、利用する紹介会社や認定送出機関も職業安定法に反しないことが求められます。出典:出入国在留管理庁「特定技能に関する二国間の協力覚書」(2026年10月14日閲覧)、厚生労働省「職業紹介事業の許可基準等の改正について」(2019年4月1日適用)、日・ベトナム協力覚書(英文)(2019年5月署名)

送出し機関に聞く5つの質問

  • 認定の番号と、政府の一覧での表記を教えてください
  • 候補者本人が払う費用の項目・金額・根拠を、書面で出せますか
  • 日本側の紹介会社と、どんな契約を結んでいますか
  • 来日前の研修やオリエンテーションの日数と、その費用は誰が払いますか
  • 認定を取り消されたり、停止されたりしたことはありますか

多くの会社は、送出し機関と直接ではなく、提携する日本の紹介会社を通してやり取りします。紹介会社の見方は特定技能の人材紹介会社の選び方で解説しています。

期間と費用の見通し

期間は「分野の協議会」「日本の審査」「送出し国の手続き」を足して見積もります。介護なら、日本側の公表値を足すだけで約12週です(協議会2週間+認定証明書64.1日+査証約1週間、試算)。これに候補者探しと面接、送出し国の手続き、証明書の郵送と航空券の手配が加わります。

図4公表されている期間の目安(2026年10月時点)

手続きごとの期間の目安
手続き公表されている目安
協議会への加入(介護)確認の完了後、通常2週間程度で入会証明書。費用はかからない
協議会などへの加入(工業製品製造業・飲食料品製造業)工業製品製造業はJAIMへの入会完了まで2〜3か月程度。食品産業の協議会は審査に2〜3か月
在留資格認定証明書標準処理期間1〜3か月。2026年7月許可分の平均64.1日
査証問題がなければ申請受理の翌日から5業務日。1か月以上の場合も
入国証明書の交付日から3か月以内
送出し国の手続き(例)フィリピンのMWO審査は不備がなければ15営業日内。ネパールは健診から海外労働許可まで概ね10日間程度。カンボジアの登録証明書は2〜3営業日
日数の公表がないものベトナムの推薦者表、ミャンマーのOWIC、インドネシアのE-PMI、フィリピンのOECなど。送出機関に確認
公表のない日数は、送出機関と紹介会社に過去の実績を聞いて埋めます。出典:厚生労働省「介護分野における特定技能外国人の受入れについて」(2026年10月確認)、工業製品製造技能人材機構「JAIMの概要及び入会手続について」(2026年8月5日)、農林水産省「食品産業特定技能協議会」(2026年10月14日確認)、出入国在留管理庁「在留資格認定証明書交付申請」、各国の手続きの解説(2026年10月14日閲覧)

入国日から逆算する(介護の試算)

図52027年4月上旬の入国から逆算した日本側の段取り(介護・試算)

  1. 面接・内定、雇用契約

    送出し国の手続き(送出機関との契約、求人の承認など)も、この時期に始めます。

  2. 協議会に加入し、事前ガイダンスと健康診断

    介護の協議会は、確認後に通常2週間程度で入会証明書が出ます。協力確認書も申請の前に出します。

  3. 在留資格認定証明書の交付を申請

    2026年7月許可分の平均は64.1日です。2か月強を見込みます。

  4. 証明書を本人へ送り、査証を申請

    査証は問題がなければ5業務日です。国によっては、出国前オリエンテーションや、本人が海外で働くための許可の取得もこの時期に重なります。

  5. 入国・就労開始

    証明書の交付から3か月以内です。空港への出迎えと生活オリエンテーションを経て、仕事を始めます。

公表されている平均や目安を当てはめた試算で、送出し国の手続きの日数は含めていません。審査の状況で前後します。出典:厚生労働省「介護分野における特定技能外国人の受入れについて」(2026年10月確認)、出入国在留管理庁「在留審査処理期間(日数)令和8年7月許可分」、外務省「査証取得までの必要日数」(2022年12月5日)

費用は「3つの財布」で考える

図6海外から呼ぶときの費用の考え方

総額=日本側紹介料・支援委託費・住居の準備+送出し国側送出機関の費用・現地の手数料+渡航と入国航空券・空港からの送迎

日本政策金融公庫の調査では、外国人を雇う企業の困りごとで「採用費用(渡航費や手数料など)が想定よりも高い」が27.8%でした。出典:日本政策金融公庫総合研究所「中小企業等における外国人雇用に関するアンケート」(2025年2月21日公表)

在留資格認定証明書の申請は無料です。送出し国の公的な手続きにも無料のものがあります。インドネシアのIPKOL登録、フィリピンのMWOの審査、カンボジアの登録証明書の発行、バングラデシュの要求書の認証です。有料の例は、モンゴルのデータベースの利用料(2年ごとに250米ドル程度)やフィリピンのOECの発行です。支援の費用を本人に負担させることはできません。内訳の詳しい分け方は海外から特定技能人材を呼ぶ費用で解説しています。

頼む先の選び方と、入国後の定着

海外からの受け入れは、海外からの紹介を扱う人材紹介会社と、入国後を支える登録支援機関の組み合わせが基本です。1社で両方を担う会社もあります。どちらの場合も、「どの国の手続きを、何人分扱ったか」で比べます。

  • どの国の手続きを、いつ、何人分扱いましたか
  • 提携する送出機関の名前と、認定の確かめ方を教えてください
  • 日本側・送出し国側・本人負担の費用を分けた見積もりを出せますか
  • 入国までの段取りを、週単位の表で示せますか
  • 入国後の支援は何語で、誰が行いますか

海外から呼ぶときのよくある失敗

  • 認定証明書の交付から3か月を過ぎ、証明書が効力を失う
  • 申請用の健康診断が、申請日の時点で受診から3か月を過ぎている
  • 協議会への加入が、認定証明書の申請に間に合わない
  • フィリピンで、本国側の手続きを終える前に雇用契約を結ぶ
  • 渡航費用を本人に貸し付ける取次機関を使う
  • 1人あたり7.5㎡以上という居室の広さを満たさない部屋を用意する

入国後の3か月は、生活の立ち上げと仕事の習得が重なります。定期面談は3か月に1回以上です。辞める理由と対策は特定技能外国人の定着率を上げる方法、支援の委託先は登録支援機関の選び方で比べ方を紹介しています。特定技能のりあい窓口では、条件(分野・人数・国内か海外か・任せたい範囲)に合う会社を最大3社まで無料でご紹介します。順位は付けず、選ぶのは御社です。掲載している会社から紹介手数料を受け取る場合がありますが、手数料の有無で提案の順番や内容は変えません。

想定ケース:特別養護老人ホーム(3拠点・従業員180人)の総務部長が、2つの国の手続きを並行して進めた理由

想定ケース(利用イメージ)について:この章は、特定技能の会社選びでよく寄せられる相談をもとに、編集部が場面を再構成した想定インタビューです。実在の企業・人物の発言ではありません。数値は公的資料にもとづく目安です。

  • 最初の相談から10か月で、海外から5人が2回に分けて入国した
  • 在留資格認定証明書は、申請から交付まで52〜78日だった
  • 入国から6か月の時点で、5人とも在籍している

――5人が入国して半年です。何が変わりましたか。

欠員が続いていた2つの施設で、早番と遅番の穴が埋まりました。派遣の介護職員に頼っていた枠は、2施設とも月の半分ほどに減らせています。新しく入った5人の定期面談は3か月に1回、施設長も同席して続けています。

――なぜ海外から呼ぶことにしたのですか。

介護職の求人を出しても、応募は年に2〜3件でした。近くの施設とも取り合いになる。海外から呼べば時間はかかりますが、入職の時期を計画して決められます。3つの施設の欠員を、半年ずらして順番に埋める計画にしました。

――検討を始めたとき、何に困りましたか。

国ごとの違いが分からなかったことです。17か国と協力覚書がある、と聞いても、どの国なら何が要るのかが見えない。理事会で「いつ、何人来るのか」と聞かれても答えられませんでした。送出機関という言葉も、そのとき初めて知りました。

――どこで迷い、何で決めましたか。

国籍で決めたわけではありません。紹介会社が手続きに慣れている国のうち、介護の試験と日本語の試験に合格した候補者がそろう時期で決めました。結果として、ネパールとカンボジアの2か国です。迷ったのは送出機関の費用でした。見積もりに「現地費用一式」としか書いていない会社があり、本人が払う分の内訳と根拠を書面でくださいと頼んだら、出てこなかった。そこは見送りました。決めた紹介会社は、入国までを週単位の表で出してくれて、表には「日数の公表がない」という欄まであった。読めない部分を読めないと書いてくれたので、理事会でも説明しやすかったです。

――実際に進めて、つまずいたことはありましたか。

カンボジアは認定送出機関を通す決まりで、ネパールは直接採用もできる。同じ「海外から呼ぶ」でも、段取りがまるで違いました。いちばん慌てたのはネパール側の出国の手続きです。ネパールの人は査証のほかに、ネパール側の手続きとして健康診断や2〜3日の出国前オリエンテーション、保険への加入を済ませ、海外労働許可を取ってから出国します。それを知らずに航空券の日程を組んでいて、入国が2週間あまりずれました。施設が2つの市にまたがるので、協力確認書を2か所に出す手続きも、最初は抜けていました。住まいは1人7.5㎡以上の基準に合わせて、2DKを2人で使う形にしています。

――入国後の支えで工夫していることは。

入国後の相談をネパール語とクメール語で受けられる支援の体制にしたことです。最初の1か月は、銀行口座や携帯電話の契約に職員が同行しました。日本人職員には、指示を短い文で伝えるよう頼んでいます。

――これから海外から呼ぶ施設に伝えたいことは。

国を決める前に、手続きの表を見てください。送出機関が必須の国か、本人が出国の許可を取る国かで、入国日が変わります。うちは2回目の受け入れから、ネパール側の出国の手続きにかかる10日ほどと、協力確認書の提出を、最初から表に入れました。それだけで、日程のずれは1週間以内に収まっています。

相談は無料です。条件に合う会社を最大3社までご紹介します。最終的に選ぶのは御社です。

よくある質問

海外から特定技能外国人を呼べる会社は?

受入れ機関の基準を満たし、分野の協議会に加入できる会社なら、海外から呼べます。呼ぶための特別な許可はありません。人の紹介を頼むなら、有料職業紹介の許可を持ち、海外からの紹介を扱う人材紹介会社を選びます。比べるのは、自社の分野で、どの国の手続きを何人分扱ったかです。

特定技能の海外人材は現地で面接すべき?

現地での面接は必須ではなく、オンラインでも行えます。ただし、タイでは日本企業が現地を訪れて直接求人活動をすることが、タイの法令で禁止とされています。インドネシアでP3MIを使う場合は、面接を受入れ機関が自ら行う必要があります。国のルールを確かめてから決めます。

海外から呼ぶと、入国までどれくらいかかりますか?

介護で日本側の公表値を足すと約12週です(協議会2週間+認定証明書の平均64.1日+査証約1週間、試算)。これに候補者探し、面接、送出し国の手続き、郵送や航空券の手配が加わります。送出し国の手続きの日数は、送出機関に過去の実績を聞いてください。

協力覚書のない国の人も受け入れられますか?

受け入れられます。出入国在留管理庁は、覚書を作った国の国籍であることを受入れの要件にしていないと説明しています。ただし、退去強制令書の円滑な執行に協力しない国・地域の人は受け入れられません。本国に出国の手続きがあるかは、駐日大使館で確かめます。

送出機関を使わずに直接採用できる国はありますか?

出入国在留管理庁の解説では、ネパール、スリランカ、インドネシア、バングラデシュ、ウズベキスタン、タイ、インドなどは送出機関の利用が任意とされています。ただし、本人の登録や出国許可などの手続きは残ります。フィリピン、カンボジア、ミャンマー、ベトナムは認定送出機関、モンゴルは労働福祉サービス庁を通します。

認定証明書が出た後、入国が遅れたらどうなりますか?

在留資格認定証明書は、交付日から3か月以内に上陸申請をしないと効力を失います。送出し国の手続きや健診が長引きそうなら、申請の時期を後ろにずらすほうが安全です。証明書を持っているだけでは入国できず、在外公館で査証を受ける必要があります。

海外から呼んだ人の住まいは、会社が用意する必要がありますか?

住居の確保は義務的支援の1つです。方法は、物件探しと連帯保証人の支援、会社が借り上げて提供、自社の社宅の提供のいずれかで、どれも本人の同意が前提です。居室は1人あたり7.5㎡以上が必要です。家賃などを本人から取る場合は、実費に相当する適正な額にします。

外食業でも海外から呼べますか?

2026年4月13日から、外食業の在留資格認定証明書の交付は一時停止されています。2026年9月10日掲載の情報では、交付の対象は受付日が2026年1月31日までの申請に限られます。外食業の1号の評価試験も、当面は国内外で実施しないとされています。

この記事の編集方針と出典

  • 制度・数値は、出入国在留管理庁・厚生労働省・所管省庁・自治体などの公表資料で確認し、時点を書いています(確認日:2026年10月14日)。
  • 制度は改正されることがあります。申請の前に、必ず最新の公表資料で確認してください。
  • 「想定ケース」は、よくある相談をもとに編集部が再構成したもので、実在の企業・人物の発言ではありません。
  • 特定技能のりあい窓口は、掲載している人材紹介会社・登録支援機関から紹介手数料を受け取る場合があります。手数料の有無で、ご提案の順番や内容は変えません。
  • 誤りにお気づきの場合は、下のフォームからお知らせください。確認のうえ修正します。

出典

  1. 出入国在留管理庁「特定技能制度」(2026年10月)
  2. 出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年10月(国の数は2025年12月1日時点))
  3. 出入国在留管理庁「特定技能に関する二国間の協力覚書」(2026年10月14日閲覧)
  4. 出入国在留管理庁「受入れ機関の方」(2026年10月確認)
  5. 出入国在留管理庁「在留資格認定証明書交付申請」(2026年10月確認)
  6. 出入国在留管理庁「出入国審査・在留審査Q&A」(2026年10月確認)
  7. 出入国在留管理庁「在留審査処理期間(日数)令和8年7月許可分」(2026年7月許可分)
  8. 出入国在留管理庁「特定技能外国人の受入れに関する運用要領」(令和8年8月20日一部改正版)
  9. 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(令和7年4月1日一部改正版)
  10. 出入国在留管理庁「徴収費用の説明書(参考様式第1-9号)」(2026年10月確認)
  11. 出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数(令和8年6月末)のポイント」(2026年6月末・速報値)
  12. 出入国在留管理庁・外務省・厚生労働省「入国前結核スクリーニングの実施に関するガイドライン」(令和8年9月25日改正)
  13. 外務省「査証取得までの必要日数」(2022年12月5日)
  14. 出入国在留管理庁「フィリピン国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ」(2026年10月14日閲覧)
  15. 出入国在留管理庁「ベトナム国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ」(2026年10月14日閲覧)
  16. 出入国在留管理庁「インドネシア国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ」(2026年10月14日閲覧)
  17. 出入国在留管理庁「タイ国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ」(2026年10月14日閲覧)
  18. 出入国在留管理庁「ネパール国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ」(2026年10月14日閲覧)
  19. 出入国在留管理庁「カンボジア国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ」(2026年10月14日閲覧)
  20. 出入国在留管理庁「ミャンマー国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ」(2026年10月14日閲覧)
  21. 出入国在留管理庁 モンゴル国籍の方の受入手続(解説)(2026年10月14日閲覧)
  22. 出入国在留管理庁 モンゴルの手続に関するQ&A(2026年10月14日閲覧)
  23. 出入国在留管理庁 バングラデシュ国籍の方々の受入れ手続の流れ(解説)(2026年10月14日閲覧)
  24. 出入国在留管理庁「スリランカ国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ」(2026年10月14日閲覧)
  25. 出入国在留管理庁「インド国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ」(2026年10月14日閲覧)
  26. 出入国在留管理庁「ウズベキスタン国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ」(2026年10月14日閲覧)
  27. 出入国在留管理庁掲載 日・ベトナム協力覚書(英文)(2019年5月署名)
  28. 厚生労働省「職業紹介事業の許可基準等の改正について」(2019年4月1日適用)
  29. 厚生労働省「介護分野における特定技能外国人の受入れについて」(2026年10月確認)
  30. 一般社団法人工業製品製造技能人材機構「JAIMの概要及び入会手続について」(2026年8月5日)
  31. 農林水産省「食品産業特定技能協議会」(2026年10月14日確認)
  32. 出入国在留管理庁「特定技能1号(外食業分野)の審査状況」(2026年9月10日掲載)
  33. 農林水産省 外食業分野の外国人材ページ(2026年10月14日確認)
  34. 日本政策金融公庫総合研究所「中小企業等における外国人雇用に関するアンケート」(2025年2月21日公表)

最終更新:(2026年10月版)

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