特定技能のりあい窓口

https://tokutei-noriai.blog/2026/10/15/touroku-shien-kikan-erabikata/ 印刷日:2026年10月15日

特定技能の人材紹介会社・登録支援機関を比べて相談できる窓口 全国オンライン対応

登録支援機関の選び方|比べる15項目と契約前の確認手順

「登録しているか」だけでは選べない。15項目に点数をつけ、候補の3社を同じ物差しで比べる

特定技能の外国人を雇うとき、入社後の支援を委託する登録支援機関は、2026年10月8日時点で11,660件が登録されています。候補が多いぶん、営業の説明の上手さや月額の安さで決めてしまうと、入社後に「夜は連絡がつかない」「通訳は別料金だった」と気づくことになりかねません。この記事では、登録支援機関の選び方を15項目に分け、「必須・重要・あれば良い」の3段階で点数をつける採点シートと、契約前に確かめる手順を、出入国在留管理庁の資料にもとづいて説明します。

この記事の結論
  • 必須の5項目は合否で見る:登録の有効性、義務的支援10項目の全部受託、本人が理解できる言語での支援、費用の内訳の明示と本人負担なし、申請書類の作成者。1つでも欠ければ候補から外します。
  • 重要の7項目は点数を2倍にする:分野の実績、担当者1人あたりの担当数、相談の受付時間、定期面談の報告、3年総額、届出への協力、2027年4月の新基準への準備で差をつけます。
  • 答えは数字と書面でもらう:支援委託契約には、支援の内容と費用の額・内訳を盛り込む必要があります(出入国在留管理庁Q&A)。「柔軟に対応します」だけの答えは1点にとどめます。

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この記事の目次

登録支援機関の選び方の結論:15項目を3段階で採点する

登録支援機関の選び方で迷ったら、比べる項目を先に15個決め、「必須」「重要」「あれば良い」の3段階で点数をつけてください。必須の5項目は合否だけを見ます。1つでも欠ける会社は、ほかがどれだけ良くても外します。残った会社を、重要の7項目(点数は2倍)と、あれば良いの3項目で比べます。

なぜ点数で比べるのか

点数にする理由は、候補が多く、印象で決まりやすいからです。登録数は11,660件(2026年10月8日、出入国在留管理庁の登録簿)。一方で、2023年4月末に登録していた8,137機関のうち、支援委託契約を持っていたのは4,069機関でした(約50%、暫定値)。登録の有無だけでは、実際に支援を回している会社かどうかまでは分かりません。

図1登録支援機関を選ぶ前に知っておきたい4つの数字

  • 11,660件登録支援機関の登録数2026年10月8日・登録簿
  • 約50%支援委託契約を持つ機関の割合2023年4月末・8,137機関中4,069機関(暫定値)
  • 5年登録の有効期間5年ごとに更新を受けないと効力を失う
  • 2027.4.1支援体制の新しい基準担当者1人あたり10機関未満・50人未満
登録数は多くても、実際に支援を受託している機関は限られ、体制の基準も2027年4月に変わります。出典:出入国在留管理庁「登録支援機関登録簿」(2026年10月8日)、出入国在留管理庁 有識者会議資料(登録支援機関の委託状況)(2023年4月末)、e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」第19条の23(2026年10月)、出入国在留管理庁「登録支援機関の支援体制要件の改正(令和9年4月1日施行)」(2027年4月1日施行)

3段階に分けると何が楽になるか

比べる順番が決まるので、営業の話を聞く前に「何を聞くか」がそろいます。採点の結果を表にすれば、社内で「なぜこの会社なのか」を説明する資料にもなります。15項目の内訳は次のとおりです。

  • 必須(5項目・合否):登録の有効性/義務的支援10項目の全部受託/本人が理解できる言語/費用の内訳と本人負担なし/申請書類の作成者
  • 重要(7項目・2倍):分野の実績/担当数/相談の受付時間/定期面談と報告/3年総額/届出への協力/2027年の新基準への準備
  • あれば良い(3項目・1倍):日本語学習の機会/日本人との交流/対面で来られる距離

紹介会社も含めて3社を同じ物差しで比べる表の作り方は、特定技能の会社比較シートの作り方で紹介しています。

必須の5項目:1つでも欠けたら候補から外す

必須の5項目は、法令や運用のルールに直接つながるものです。点数ではなく「○か×か」で判定し、×が1つでもあれば見送ります。ここで外しておけば、契約後に委託先を変える手間(届出や本人への説明)を避けられます。

必須5項目の確かめ方(2026年10月時点の制度にもとづく)
項目確かめる方法○になる条件
① 登録が有効か登録簿で名称と登録番号を照合し、登録の満了日と更新の予定を聞く登録簿に載っている。契約期間中の更新予定を説明できる
② 義務的支援10項目の全部受託支援委託契約書の業務範囲を読む10項目がすべて書かれ、支援の実施そのものを他社に任せない
③ 本人が理解できる言語誰が、どの言語で、どの時間帯に対応するかを聞く担当者か通訳の手配方法まで具体的に答えられる
④ 費用の内訳と本人負担なし見積書と契約書で、支援の内容と費用の額・内訳を見る内訳が書面にある。義務的支援の費用を本人に負担させない
⑤ 申請書類の作成者在留資格の申請書類を誰が作り、費用がどこに含まれるかを聞く報酬を得て書類を作るのは行政書士だと説明できる

①② 登録簿の照合と「丸投げ」の禁止

登録簿は出入国在留管理庁のサイトにExcelで公開され、随時更新されます。登録を抹消された機関は載りません。見方は登録支援機関登録簿の見方にまとめました。また、委託された支援業務の全部を、他の登録支援機関を含む第三者に再委託することは認められていません(同庁Q&A)。通訳を補助に使うことはできます。

③ 「多言語対応」は中身を聞く

支援は、外国人が十分に理解できる言語で行う必要があります。込み入った相談では通訳が欠かせない、と支援の運用要領にも書かれています。「対応言語あり」が常勤の職員か外部の通訳かで、夜間のつながりやすさは変わります。確かめ方は母国語で相談できる登録支援機関の選び方で詳しく扱っています。

④⑤ 費用の内訳と申請書類の作成者

支援委託契約には、受託する支援の内容と、費用の額・内訳を盛り込む必要があります。料金に法令上の上限はありませんが、契約時の明示は求められています(同庁Q&A)。在留資格の申請書類は、2026年1月1日施行の改正行政書士法で、行政書士でない者が名目を問わず報酬を得て作ることはできないと明記されました。「申請も全部こちらで」と言われたら、書類を作る人の名前を聞いてください。

重要の7項目①:支援の中身で差が出る4項目

重要の7項目は、点数を2倍にして比べます。前半の4項目は「入社後にどう支えてくれるか」です。どれも数字で答えられる質問にして、回答をそのまま書き取ってください。

⑥ 自社と同じ分野での支援実績

分野ごとに、協議会への加入などの手続きが違います。たとえば介護は在留諸申請の前に厚生労働大臣が設置する協議会への加入が必要で、工業製品製造業では受入事業実施法人の登録に関する誓約書、建設では1号建設特定技能受入計画の書類が加わります(出入国在留管理庁「特定技能運用要領」の分野別の要領・様式)。会社全体の支援人数ではなく、「自社と同じ分野で、何人を何年支援したか」「入社から1年後に何人中何人が在籍しているか」を聞きます。

⑦ 担当者1人あたりの担当数

2027年4月1日からは、支援担当者の数が「受託している受入れ機関の数÷10」と「支援している1号外国人の数÷50」をどちらも上回る必要があります。担当者1人あたり、受入れ機関10未満・外国人50人未満という水準です。今の担当数も聞き、基準との差を見ます。

図22027年4月以降に必要な支援担当者の数(計算例)

  • 受入れ機関5社・1号70人を支援5÷10=0.5、70÷50=1.4 → どちらも上回るには担当者2人以上
  • 受入れ機関20社・1号90人を支援20÷10=2、90÷50=1.8 → 「2」を上回る必要があり担当者3人以上
  • 受入れ機関30社・1号160人を支援30÷10=3、160÷50=3.2 → 担当者4人以上
割った数を「上回る」必要があるため、割り切れるときは1人多く必要です。出典:出入国在留管理庁「登録支援機関の支援体制要件の改正(令和9年4月1日施行)」(2027年4月1日施行)、出入国在留管理庁「支援体制等の主な改正点」(2027年4月1日施行)

⑧ 相談の受付時間と緊急時の動き

支援の運用要領は、相談・苦情への対応について、1週間あたり勤務日に3日以上、休日に1日以上対応し、夜間など就業時間外にも対応できるようにすることを求めています。聞くことは3つです。夜間・休日の連絡手段、返事までの時間、けがや病気で病院への同行が要るときに誰が来るか。

⑨ 定期面談のやり方と報告

定期面談は3か月に1回以上、本人と、監督する立場の人(直属の上司など)のそれぞれと行います。オンラインは本人の同意や録画の保存などが条件で、本人が対面を望めば対面です。面談で出た不満を、いつ・どの形で企業に伝えるかまで決めておくと、離職の前ぶれに早く気づけます。

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重要の7項目②:費用と手続きで差が出る3項目

後半の3項目は、お金と手続きです。月額の安さは分かりやすい反面、追加料金と契約期間で順位が入れ替わります。費用は必ず3年分の総額にそろえて比べてください。

⑩ 3年総額(初期費用+月額×36か月+追加料金)

見積もりは「初期費用」「月額」「追加料金」に分けてもらいます。空港送迎の交通費や通訳を確保する費用は受入れ企業の負担で、本人には負担させられません(出入国在留管理庁Q&A)。これが月額に入っているか、都度の請求かで総額が変わります。

架空の見積もりで計算してみます。X社は初期費用3万円・月額2.2万円で、通訳や同行は1回5,000円の別料金。年8回使うと、3年で3万円+79.2万円+12万円=94.2万円です。Y社は初期費用5万円・月額2.5万円で、通訳と同行は月額に含みます。3年で5万円+90万円=95万円。月額では3,000円の差でも、3年総額ではほぼ並びます。

図3登録支援機関・監理団体への1人あたり月額委託費(福岡県の介護事業所)

  • 2万円以上3万円未満31.5%
  • 1万円以上2万円未満13.0%
  • 3万円以上4万円未満13.0%
  • 委託していない26.8%
最も多いのは月2万円台ですが、在留資格を問わない数字で、追加料金は含みません。出典:福岡県「令和7年度 外国人介護人材の受入れ状況等に関するアンケート調査結果報告書」(令和7年度、県内362事業所)

分布の読み方と月額に含まれやすい支援は、登録支援機関の月額委託費の相場で解説しています。

⑪ 届出への協力

定期届出は年1回で、前年度分を毎年4月1日〜5月31日に出します。届け出るのは受入れ企業で、登録支援機関は必要な書類を企業に渡す立場です。支援委託契約を結ぶ・変える・終えるときなどの随時届出は、事由が生じてから14日以内。書類をいつまでに渡してくれるかを契約前に決めておきます。

⑫ 2027年4月の新基準への準備

2027年4月1日からは、常勤の役員・職員から支援責任者と支援担当者を選ぶこと、支援責任者が養成講習を受けることなどが求められます。登録が2027年7月31日までに満了する機関は、施行日前に更新を申請すれば改正前の基準で更新できます。それ以外は、次の更新で新基準を満たす必要があります。「登録の満了日」と「常勤の担当者数」を聞いてください。

あれば良い3項目と、採点シートの記入例

あれば良いの3項目は、定着を後押しする工夫です。点数は1倍なので、ここで差がつかなくても気にしなくて構いません。

⑬〜⑮ 日本語学習・交流・距離

  • ⑬ 日本語学習の機会:日本語教室の案内、教材やオンライン講座の紹介、講師との契約による講習のうち、どれを提案できるか。費用は受入れ企業側の負担です。
  • ⑭ 日本人との交流:地域の行事や交流の場の情報を集め、参加の手続きを手伝い、必要なら同行できるか。
  • ⑮ 対面で来られる距離:受入れ後の初回の面談や担当者が変わった後の初回は対面が望ましく、オンラインを使う場合も1年に1回以上は対面が望ましいとされています。訪問の交通費の扱いも聞きます。

採点の計算方法と記入例

図4採点シートの計算方法(51点満点)

合計点=重要7項目各0〜3点 × 2+あれば良い3項目各0〜3点 × 1

必須の5項目は点数に入れず、合否で判定します。3点=数字や書面で具体的に回答、2点=具体的だが口頭だけ、1点=あいまい、0点=回答なし・対応できない、の基準で採点します。
採点シートの記入例(A社・B社・C社は説明のための架空の会社)
項目(段階)A社B社C社
①〜⑤ 必須(合否)○○×(内訳を出さない)
⑥ 分野の実績(×2)23—
⑦ 担当数(×2)13—
⑧ 相談の受付時間(×2)13—
⑨ 定期面談と報告(×2)23—
⑩ 3年総額(×2)32—
⑪ 届出への協力(×2)22—
⑫ 2027年の準備(×2)12—
⑬〜⑮ あれば良い(×1)35—
合計(51点満点)27点41点対象外

この例のA社は月額が安く⑩で満点ですが、担当数と相談の受付時間で差がつきました。C社は費用の内訳を出さなかったため、点数をつける前に外しています。合計点は「足切り」ではなく、候補どうしの差を見るための数字として使ってください。

契約前の確認手順:問い合わせから支援計画まで7ステップ

手順は「条件を決める→候補を確かめる→同じ質問で聞く→書面で固める」の順です。質問をそろえないと点数が比べられないので、ステップ3を省かないでください。

問い合わせから契約までの7ステップ

  1. 自社の条件を4つ書き出す

    分野、採用人数と時期、日本に住む人か海外から呼ぶか、任せたい範囲を書きます。これで、聞くべき実績と言語が絞れます。

  2. 登録簿で候補を確かめる

    候補の名称と登録番号を、出入国在留管理庁の登録簿で照合します。抹消された機関は載っていません。

  3. 同じ質問票を3社に送る

    15項目をそのまま質問に直して送り、回答を採点シートに書き写します。電話の回答は、日付と相手の名前を添えて記録します。

  4. 担当予定者と面談する

    営業担当ではなく、実際に面談や相談を受ける人に会います。担当数と、休みの日に代わりを務める人を聞きます。

  5. 見積もりを3年総額にそろえる

    初期費用・月額・追加料金に分けてもらい、36か月分で合計します。通訳や交通費の扱いも書面に入れてもらいます。

  6. 契約書を読む

    業務範囲(10項目)、費用の額と内訳、解約の条件、解約時に支援記録をどう引き渡すかを確かめます。

  7. 支援計画を一緒に作る

    支援計画を作るのは受入れ企業で、登録支援機関は補助できます。計画は日本語と本人が理解できる言語で作り、説明したうえで本人の署名をもらいます。

全部委託と一部委託の違い

全部を委託すると、体制の基準を満たしたとみなされる

支援計画の全部を登録支援機関に委託すると、受入れ企業は支援体制の基準に適合するものとみなされます。一部だけを委託する場合は、自社が基準を満たしたうえで、支援計画に委託の範囲を書く必要があります。なお、委託先の体制では実効性のある支援ができないと判断されると、受入れが認められない場合もあります(支援の運用要領)。採点で体制を確かめるのは、このためでもあります。

失敗しやすい選び方と、契約を見送るサイン

失敗の多くは、比べる順番の間違いから起きます。費用を最初に見る、営業担当にしか会わない、紹介会社に勧められるまま決める。この3つが典型です。

受け入れた事業所は「費用」より「実績」で選んでいた

図5委託先(監理団体・登録支援機関)を選んだ理由(複数回答)

  • 実績がある51.8%
  • サポートが手厚い50.0%
  • 費用が安い9.8%
委託先を選んだ介護事業所164か所の回答で、「費用が安い」は1割に届きません。出典:岡山県「令和5年度 外国人介護人材の受入状況等に関するアンケート調査」(2023年9月1日時点)

福岡県の令和7年度調査でも、受入れ・雇用で相談する先の1位は登録支援機関(43.4%)でした。委託先は、入社後にいちばん頼る相手です。月額の数千円の差より、困ったときにつながるかどうかが効いてきます。

選ぶ前に捨てておきたい3つの思い込み

  • 登録支援機関なら、どこに頼んでも同じ登録の審査は支援の体制を見るもので、自社の分野の経験や夜間のつながりやすさまでそろえるものではありません。2023年4月末には、登録機関の約半分しか支援委託契約を持っていませんでした。
  • 全部委託すれば、責任も委託先に移る雇用契約、日本人と同等以上の報酬、届出は受入れ企業の責任のままです。全部委託しても、支援計画を作るのは受入れ企業です。
  • 紹介会社が勧める支援機関なら安心紹介と支援は別の仕事で、確かめる番号も違います。紹介会社の見方は特定技能の人材紹介会社の選び方で解説しています。

契約を見送るべきサイン

  • 見積もりに内訳がなく、「支援費一式」としか書かない
  • 外国人本人から支援費や保証金を取る、違約金を定める
  • 登録番号や登録の満了日を答えない
  • 「申請書類は全部こちらで作る」と言うのに、行政書士が誰かを答えない
  • 担当者1人あたりの担当数や、夜間・休日の連絡先を答えない
  • 国籍で人を選ぶよう勧める

違法・不適切な業者のサインは悪質な特定技能業者の見分け方に、受け入れ全体のつまずきは特定技能の受け入れでよくある失敗10にまとめています。

想定ケース:食品工場(従業員70人)の総務部長が、月額の安い会社を選ばなかった理由

想定ケース(利用イメージ)について:この章は、特定技能の会社選びでよく寄せられる相談をもとに、編集部が場面を再構成した想定インタビューです。実在の企業・人物の発言ではありません。数値は公的資料にもとづく目安です。

  • 定期面談の記録が、面談から5営業日以内に書面で届くようになった(以前は口頭の報告だけ)
  • 入社後3か月の相談8件のうち、夜間・休日の3件もその場で受け付けられ、通訳が要る話は翌朝までに折り返しがあった
  • 3年総額で比べ直すと、1人月3,000円の月額差は、通訳と同行の追加料金でほぼ消えた

――委託先を決めて半年。何が変わりましたか。

面談の記録が毎回、書面で届くようになったことです。3人を受け入れていて、面談のあと5営業日以内にもらえます。1人が「夜勤明けに日本語教室へ通うのがつらい」と話していたことも、記録で知りました。シフトを組み替えて、教室はいまも続いています。

――そもそも、なぜ委託先を比べ直したのですか。

技能実習を終えた3人を、特定技能に切り替えて雇い続けることになったんです。最初は、つき合いのある会社1社の見積もりで決めるつもりでした。月額は3社の中でいちばん安かったので。

――それまでは、何に困っていましたか。

実習の頃は、本人たちが何に困っているのか、こちらからは見えませんでした。面談はしてもらっていたはずですが、報告は「特に問題ありません」の一言だけ。夜に体調を崩したときは、私の携帯に直接電話がかかってきて、月に2〜3回は夜中に病院を探していました。特定技能に切り替えるなら、ここは変えたいと思っていました。

――どこで迷いましたか。

15項目の質問票を3社に送ったら、答え方に差が出ました。安い会社は「夜間も柔軟に対応します」とだけ。担当者1人で何社を見ているかは、最後まで答えがありませんでした。もう1社は費用の内訳を出せないと言われ、その時点で外しました。

――決め手は何でしたか。

採点で41点と27点、差がはっきり出たことです。それと、選んだ会社の担当者が「夜は当番が電話を受けますが、通訳は外部の人なので、込み入った話は翌朝に通訳を入れて折り返します」と、できないことを先に言ったんです。正直、そのほうが信用できました。3年総額で計算し直すと、月額の差は通訳と病院への同行の追加料金でほぼ消えていました。

――比べるのに、どのくらい時間がかかりましたか。

質問票を送ってから回答がそろうまでが2週間。担当予定の人との面談が3社で合わせて4時間ほど、表にまとめるのは半日でした。最初は面倒に感じましたが、契約してから「こんなはずでは」と思うより、ずっと安くついたと思います。

――実際に始めてみて、つまずきはありましたか。

定期届出の時期に、こちらが書類の受け取りを忘れかけました。いまは「毎年4月の第1週に書類をもらう」と決めてあります。点数をつけた表は、社長への説明にそのまま使いました。「なぜ高いほうなのか」と聞かれても、表を見せれば話が早かったですね。夜中の電話も、いまは支援機関の窓口に先につながるので、私のところに来るのは本当に急ぎのときだけになりました。

相談は無料です。条件に合う会社を最大3社までご紹介します。最終的に選ぶのは御社です。

よくある質問

自社に合う登録支援機関の選び方は?

自社の条件を4つ決めてから、15項目に点数をつけて比べる方法です。分野・人数と時期・国内か海外か・任せたい範囲によって、見るべき実績と言語が変わるためです。必須の5項目で候補を絞り、重要の7項目は点数を2倍にします。点差が小さいときは、相談の受付時間と担当数を優先してください。

特定技能の登録支援機関選びで失敗しない方法は?

費用を最初に比べず、「必須の合否→支援の中身→3年総額」の順に見ることです。岡山県の調査(2023年)でも、委託先を選んだ理由は「実績がある」51.8%、「サポートが手厚い」50.0%で、「費用が安い」は9.8%でした。回答は書面でもらい、同じ質問で3社を比べます。

特定技能の採用後までサポートが手厚い会社は?

手厚さは会社名ではなく、相談の受付時間、担当者1人あたりの担当数、定期面談の報告の3つで見分けられます。夜間・休日の連絡手段と、面談記録をいつ受け取れるかを数字で聞いてください。特定技能のりあい窓口では、条件に合う会社を最大3社まで無料でご紹介しています。順位は付けず、選ぶのは御社です。掲載している会社から紹介手数料を受け取る場合がありますが、手数料の有無で提案の順番や内容は変えません。

特定技能の登録支援機関を費用・対応分野・言語で比較してほしい。どこで差が出る?

費用は3年総額、分野は「自社と同じ分野での支援人数と年数」、言語は「誰が・どの時間帯に対応するか」で比べると差が出ます。月額だけ、対応言語の数だけで並べると、追加料金や夜間の対応の差が見えません。この3つに担当数を加えると、比べる精度が上がります。

登録支援機関には何社に問い合わせればいい?

比べやすいのは3社ほどです。1社だけでは基準がなく、5社を超えると質問の回収と面談に時間がかかります。同じ質問票を送り、回答がそろった会社だけを採点の対象にしてください。

契約した登録支援機関は途中で変えられる?

変えられます。支援委託契約を終える・新たに結ぶときは、受入れ企業が事由の発生から14日以内に随時届出を出します。面談の記録や相談の経緯を新しい委託先へ引き継ぎ、本人にも変更の理由と新しい連絡先を説明します。契約前に、解約の条件と記録の引き渡し方を決めておくと移りやすくなります。

委託先が2027年4月の新基準を満たせなかったらどうなる?

登録の更新を受けられず、支援を続けられなくなるおそれがあります。2027年7月31日までに登録が満了する機関は、施行日前に更新を申請すれば改正前の基準で更新できますが、それ以外は次の更新で新基準を満たす必要があります。委託先を変えるときは、受入れ企業が14日以内に随時届出を出します。登録の満了日と常勤の担当者数は、契約前に聞いておきましょう。

委託費を外国人本人の給与から差し引いてもいい?

できません。義務的支援にかかる費用は、直接・間接を問わず本人に負担させられないと定められています。空港送迎の交通費や通訳の費用も受入れ企業の負担です。給与からの控除にこうした費用が紛れていないか、雇用契約の段階で確かめてください。

1人だけの採用でも委託したほうがいい?

社内に支援を担える人がいなければ、委託が現実的です。自社で支援するには、過去2年間に就労できる在留資格の外国人を適正に受け入れた実績(または生活相談の経験がある役職員)などの基準があり、支援責任者・担当者は本人を監督する立場にない人から選ぶ必要があります(特定技能基準省令第2条第2項)。進め方は特定技能を1人だけ採用したいで解説しています。

この記事の編集方針と出典

  • 制度・数値は、出入国在留管理庁・厚生労働省・所管省庁・自治体などの公表資料で確認し、時点を書いています(確認日:2026年10月14日)。
  • 制度は改正されることがあります。申請の前に、必ず最新の公表資料で確認してください。
  • 「想定ケース」は、よくある相談をもとに編集部が再構成したもので、実在の企業・人物の発言ではありません。
  • 特定技能のりあい窓口は、掲載している人材紹介会社・登録支援機関から紹介手数料を受け取る場合があります。手数料の有無で、ご提案の順番や内容は変えません。
  • 誤りにお気づきの場合は、下のフォームからお知らせください。確認のうえ修正します。

出典

  1. 出入国在留管理庁「登録支援機関登録簿」(2026年10月8日)
  2. 出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年10月)
  3. 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(2025年4月1日改訂)
  4. 出入国在留管理庁「特定技能運用要領」(分野別の要領・様式を含む)(2026年10月)
  5. 出入国在留管理庁「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領 別冊(介護分野の基準について)」(2025年4月21日一部改正)
  6. 出入国在留管理庁「登録支援機関登録(更新)申請」(2026年10月)
  7. 出入国在留管理庁「特定技能所属機関・登録支援機関による届出」(2026年10月)
  8. 出入国在留管理庁「登録支援機関の支援体制要件の改正(令和9年4月1日施行)」(2027年4月1日施行)
  9. 出入国在留管理庁「支援体制等の主な改正点」(2027年4月1日施行)
  10. 出入国在留管理庁 有識者会議資料(登録支援機関の委託状況)(2023年4月末)
  11. 出入国在留管理庁「特定技能制度」(2026年10月)
  12. e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」(2026年10月)
  13. e-Gov法令検索「行政書士法」(2026年1月1日施行の改正を含む)
  14. e-Gov法令検索「特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」(2026年10月)
  15. 岡山県「令和5年度 外国人介護人材の受入状況等に関するアンケート調査」(2023年9月1日時点)
  16. 福岡県「令和7年度 外国人介護人材の受入れ状況等に関するアンケート調査結果報告書」(令和7年度)

最終更新:(2026年10月版)

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