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海外から特定技能人材を呼ぶ費用|渡航費・送出し機関・申請費用の内訳
見積もりは「3つの箱」に分けると比べられる。渡航費・送出し機関・申請費用の扱いを公的資料で確かめる
文・構成:特定技能のりあい窓口 編集部最終更新:情報の確認日:(数値ごとに時点を記載)出典:公的機関の公表資料(ページ末尾に一覧)
海外から特定技能人材を呼びたいが、見積もりに並ぶ費用の意味が分からない。渡航費は会社が払うのか、送出し機関の費用は誰の負担なのか。外国人を雇う企業で困りごとがある654社のうち27.8%が「採用費用(渡航費や手数料など)が想定よりも高い」と答えています(日本政策金融公庫、2025年2月21日公表)。この記事では、特定技能で海外から呼ぶときの費用を「会社が負担する費用」「本人に負担させてはいけない費用」「国ごとに違う費用」の3つに分け、渡航費・送出し機関・申請費用の扱いを2026年10月時点の公的資料で整理します。
- 在留資格認定証明書の申請は無料:海外から呼ぶ費用の大半は、紹介・送出し・渡航・住まいの立ち上げにかかります。2026年10月1日に上がった手数料は、在留資格の変更と更新が対象です。
- 本人に負担させてはいけない費用がある:義務的支援の費用(空港の送迎、事前ガイダンス、通訳、保証会社の保証料など)と、日本の職業紹介の手数料です。保証金・違約金の契約はそもそも認められません。
- 往路の渡航費は「負担が推奨」、帰国旅費は条件つきの義務:渡航費や渡航前の教育費は、送出し国の法令などを踏まえて全部または一部の負担が推奨されています。契約終了後に本人が帰国旅費を払えないときは会社が負担します。
- 送出し機関の要否と本国の手続きは国ごとに違う:フィリピン・カンボジア・ミャンマーは認定送出機関が前提で、インドネシアやネパールなどは直接採用もできます。費用は内訳と算出根拠を書面でもらいます。
相談は無料です。条件に合う会社を最大3社までご紹介します。最終的に選ぶのは御社です。
この記事の目次
結論:特定技能を海外から呼ぶ費用は「3つの箱」に分けて見積もる
海外から特定技能人材を呼ぶ費用は、「会社が負担する費用」「本人に負担させてはいけない費用」「国ごとに違う費用」の3つに分けると整理できます。この分け方で見積もりを読み直すと、抜けている費用と、本人に回してはいけない費用が見つかります。
費用の悩みは、多くの会社に共通しています。福岡県の介護事業所の調査では、受け入れ準備の課題の1位が「採用費用(人材紹介の手数料等)が高額」で65.5%でした(令和7年度)。高いかどうかを判断する前に、何に払うお金なのかを分けることが先です。
図1海外採用の費用を分ける3つの箱
- 1会社が負担する費用
登録支援機関への委託費、申請書類の作成報酬、分野の団体の会費、借り上げる住まいの初期費用など。会社が結ぶ契約で金額が決まり、会社の経費として見積もります。
- 2本人に負担させてはいけない費用
空港の送迎、事前ガイダンス、生活オリエンテーション、通訳、保証会社の保証料などの義務的支援の費用と、日本の職業紹介の手数料。保証金・違約金の契約は認められません。
- 3国ごとに違う費用
送出し機関の手数料、本国での登録や出国前の手続き(オリエンテーションや保険への加入など)。往路の渡航費と渡航前の教育費も、送出し国の法令やガイドラインを踏まえて扱いを決めます。
申請そのものの費用は小さい
在留資格認定証明書の交付申請に、手数料はかかりません。2026年10月1日に引き上げられたのは、在留資格の変更と在留期間の更新の手数料です。海外から呼ぶ費用の大半は、申請ではなく、紹介・送出し・渡航・住まいの立ち上げにかかります。
国内に住む人を雇う場合との違いは国内在住の特定技能人材を採用する費用で比べています。1人を採用したときの3年総額は特定技能の費用はいくら?1人採用の3年総額シミュレーションで試算しました。
海外から呼ぶ費用の内訳一覧:誰に払い、誰が負担するか
見積もりに出てくる主な費用を、払う相手と負担のルールで一覧にしました。「会社」と書いた費用には、法令で決まっているものと、会社の判断で決めるものが混ざっています。右端の列で、3つの箱のどれに当たるかを示しました。
図2海外から呼ぶときの主な費用と負担のルール
| 費用 | 払う相手 | 負担のルール | 箱 |
|---|---|---|---|
| 日本の紹介手数料 | 人材紹介会社 | 求職者(本人)からは原則取れない | 2 |
| 送出し機関の手数料 | 送出し国の機関 | 国のルールと契約による。内訳と算出根拠を書面で | 3 |
| 往路の渡航費・渡航前の教育費 | 航空会社・教育機関など | 全部または一部の負担が推奨。会社の貸付も可 | 3 |
| 本国の登録・検診 | 本国の機関・指定医療機関 | 国により無料・有料。負担者は契約前に決める | 3 |
| 在留資格認定証明書の申請 | 出入国在留管理庁 | 手数料なし | ― |
| 申請書類の作成 | 行政書士 | 会社が依頼する | 1 |
| 空港の送迎(入国時) | 交通機関 | 義務的支援の実費として会社側が負担 | 2 |
| 事前ガイダンス・生活オリエンテーション・通訳 | 登録支援機関など | 支援の費用は本人に負担させられない | 2 |
| 保証会社の保証料 | 保証会社 | 会社側が負担 | 2 |
| 借り上げ住宅の敷金・礼金・仲介手数料 | 不動産会社など | 家賃として本人に回せない | 1 |
| 登録支援機関の委託費 | 登録支援機関 | 法令上の上限なし。料金と内訳の明示が必要 | 1 |
| 分野の協議会・団体の会費 | 協議会・団体 | 分野ごと(無料の分野もある) | 1 |
金額の公的な相場は、ほとんどない
特定技能に限った紹介手数料や、送出し機関の手数料の公的な平均額は確認できませんでした。参考になるのは厚生労働省の職業紹介の統計で、介護職の平均手数料は全国59.7万円です(令和6年度実績、特定技能に限らない)。送出し機関の手数料は相手国のルールと契約で決まるため、見積もりで1項目ずつ確かめるしかありません。
本人に負担させてはいけない費用:支援・紹介・保証金の3つのルール
本人に負担させてはいけない費用は、①義務的支援の費用、②日本の職業紹介の手数料、③保証金・違約金の3つです。どれも「本人が同意すればよい」というものではありません。
義務的支援の費用は、直接・間接を問わず会社側
1号特定技能外国人の支援にかかる費用は、直接・間接を問わず本人に負担させられません。特定技能の雇用契約と支援計画の基準を定める省令(以下、基準省令)の2条1項8号の定めです。出入国在留管理庁のQ&Aも、義務的支援の費用、通訳人の確保の費用、空港送迎の交通費、賃貸保証会社の保証料を受入れ機関の負担としています。支援を登録支援機関に任せても同じです。委託費の一部を給与から差し引けば、間接的に本人に負担させることになります。
送迎で会社側が持つのは、空港と事業所(または住居)の間の実費です。一時帰国のときの出入国は、この送迎の支援に含まれません。
日本の紹介手数料は、本人から取れない
職業安定法では、職業紹介で求職者から手数料を取ることは原則禁止です。国外にわたる職業紹介の許可条件(2019年4月適用)は、使えない取次機関も定めています。保証金を取る、財産を管理する、違約金の契約を結ぶ、渡航費用などを貸し付ける機関です。紹介事業者自身が渡航費用などを貸し付けることも禁じられています。
保証金・違約金は、送出し国の側でも問題になる
本人や家族が保証金で財産を管理されている、または違約金の契約を結ばされていると知りながら、雇用契約を結ぶことはできません(基準省令2条1項6号)。二国間の協力覚書でも、保証金の徴収、違約金の定め、算出根拠を示さない手数料の徴収を不適切な行為とし、両国で情報を共有するとしています。
- 空港の送迎代を本人の負担にしている
- 生活オリエンテーションや通訳の費用を本人から取る
- 保証会社の保証料を本人の負担にしている
- 日本の紹介会社が本人から紹介料を取る
- 「途中で辞めたら違約金」と契約に書く
- 本人が送出し機関に払う費用の内訳が書面で出てこない
本人負担にできる費用・できない費用は特定技能外国人に負担させてはいけない費用で一覧にしています。
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特定技能の渡航費は誰が負担するか:往路・一時帰国・帰国で扱いが違う
渡航費の扱いは、往路(入国)・一時帰国・帰国の3つで違います。往路は会社の負担が推奨、一時帰国は休暇を取らせる義務、帰国は本人が払えないときに会社が負担する義務です。
図3渡航費の扱い(往路・一時帰国・帰国)
- 往路(入国):全部または一部の負担が推奨渡航前の技能・日本語の教育費や渡航費用など、送出しに必要な費用が対象です。送出し国の法令やガイドラインを踏まえ、受入れ機関が全部または一部を負担することが推奨されています。
- 一時帰国:必要な有給休暇を取らせる本人が一時帰国を望んだら、必要な有給休暇を取らせることが雇用契約の基準です。一時帰国のときの出入国は、空港送迎の義務的支援には含まれません。
- 帰国(契約終了後):払えないときは会社が負担本人が帰国旅費を負担できないときは、受入れ機関が負担し、出国が円滑にできるようにします。送出し国の法令で受入れ機関の負担を定める場合もあります。
貸し付けるなら、返し方を先に決める
運用要領は、往路の航空券代を含む渡航準備費用や、入国後の当面の生活費を会社が貸し付けることを認めています。ただし返済の方法は、労働関係法令に反しないようにする必要があります。労働基準法17条は、労働することを条件とする前貸しの債権と賃金を相殺することを禁じています。返す時期と額は貸す前に書面で決め、本人が分かる言語で説明します。
ベトナムとの覚書は費用負担の原則に触れている
国によっては、協力覚書が費用に触れています。ベトナムとの覚書(2019年署名)は、日本語教育・技能訓練・渡航費(雇用契約終了後の帰国費用を含む)を挙げています。これらについて、ベトナムの規則を踏まえた受入れ機関の費用負担の原則を定めるとしています。負担の割合までは書かれていないため、相手国の規則と送出し機関の説明で確かめます。
送出し機関の費用と本国の手続き:特定技能で国ごとに違う点
送出し機関を通す必要があるか、本国でどんな手続きが要るかは、国ごとに違います。見積もりを比べる前に、候補者が住む国のルールを確かめます。協力覚書の状況も変わります。インドネシアとの覚書について、出入国在留管理庁のページは「2026年6月25日から6か月間更新済み」としており、その後の扱いは同じページで確かめます。
図4主な国の送出し機関の要否と本国の手続き(海外から呼ぶ場合)
| 国 | 送出し機関 | 本国側の主な手続き | 費用について示されていること |
|---|---|---|---|
| フィリピン | 認定送出機関が必要 | 募集取決め、移住労働者事務所(MWO)の審査と英語面接、本人の海外雇用許可証(OEC) | MWOの審査は手数料なし。OECの発行は有料(額の記載なし) |
| ベトナム | 認定送出機関と労働者提供契約 | 海外労働管理局(DOLAB)の承認、推薦者表 | 算出根拠のない手数料は覚書で不適切な行為 |
| インドネシア | 任意(直接採用も可) | 直接採用は求人システム(IPKOL)への登録、送出し機関を通すなら大使館での雇用契約の確認。本人は移住労働者証を取得 | IPKOL登録と大使館の確認は無料とされる |
| カンボジア | 認定送出機関が必要 | 労働職業訓練省の登録証明書(2〜3営業日) | 証明書は無料。送出し機関が事務手数料を求めることがある |
| ミャンマー | 認定送出機関が必要 | 求人票の承認、本人の海外労働身分証明カード | 額の公表は確認できず |
| ネパール | 任意(直接採用も可) | 健康診断、2〜3日の出国前オリエンテーション、保険加入、福祉基金への納付、海外労働許可(概ね10日間) | 大使館への求人申込みは有料(額は確認が必要) |
| タイ | 任意(現地での直接の求人活動は不可) | 大使館労働担当官事務所での雇用契約書等の認証、入国後15日以内の来日報告書 | 覚書は、法令に従い仲介機関が本人からサービス料を取ることを認め得るとする |
| バングラデシュ | 任意 | 大使館での要求書(デマンドレター)の認証、本人の出国許可カード | 要求書の認証は約3営業日・無料とされる |
| モンゴル | 労働福祉サービス庁(GOLWS)が唯一の機関 | GOLWSとの双務契約、出国前研修 | 候補者表の利用に2年ごと250米ドル程度(負担者の記載なし) |
| スリランカ・インド・ウズベキスタン | 任意(直接採用も可) | スリランカは本人の海外雇用局への登録と2日程度のオリエンテーション。インドの政府システム(eMigrate)への登録は任意 | 送出し機関が本人から取れる費用のルールは、公表資料では確認できず |
結核の証明書は、特定技能なら当面の間不要
入国前結核スクリーニングでは、対象国の国籍で中長期在留者として入国する人に結核非発病証明書が求められます。フィリピンとネパールは2025年6月23日から、ベトナムは2025年9月1日からで、インドネシアは2027年1月4日から必要になる予定です(健診の受付は2026年11月2日から予定)。
ただし2026年9月25日改正のガイドラインでは、特定技能外国人は当面の間対象外です。今のところ、証明書のための健診の費用と日数を見積もりに入れる必要はありません。見積もりに「結核の証明書」の項目があれば、どの在留資格を前提にした費用かを聞きます。「当面の間」の扱いなので、申請の前に最新版を確かめます。申請用の健康診断(申請日前3か月以内、胸部エックス線を含む)の費用は、これとは別にかかります。
国ごとの手続きの流れは海外から特定技能人材を呼ぶ方法、カンボジアの例はカンボジアから特定技能で受け入れる手続きで詳しく説明しています。
申請にかかる費用:特定技能の在留資格認定証明書は無料、更新から手数料
在留資格認定証明書の交付申請に、手数料はかかりません。お金がかかるのは、書類を誰が作るか、分野の団体に入るか、入国後の更新の3点です。
図5在留の申請にかかる費用と期間
- 0円在留資格認定証明書の交付申請の手数料オンライン申請もできる
- 1〜3か月認定証明書の標準処理期間審査の目安
- 3か月認定証明書の有効期間交付から3か月以内に入国
- 1万〜6.4万円入国後の在留期間更新の手数料(窓口)2026年10月1日から。1号は在留期間3年以内のため、この範囲の区分
書類の作成を頼むなら行政書士
2026年1月1日施行の改正行政書士法で、行政書士でない者が、名目を問わず報酬を得て官公署に出す書類を作ることの禁止が明記されました。「申請はこちらで」と言われたら、誰が書類を作り、報酬がどこに含まれるかを確かめます。費用の見方は特定技能の申請を行政書士に頼む費用、申請の手順は在留資格認定証明書交付申請の手順で説明しています。
分野によっては団体の会費がかかる
分野ごとの協議会や団体への加入は、在留の申請の前に済ませます。介護の協議会は入会費・年会費を取りません。建設は建設技能人材機構(JAC)への加入が条件で、賛助会員の年会費は24万円、受入負担金は1号1人につき月12,500円です。工業製品製造業の工業製品製造技能人材機構(JAIM)は、賛助会員の年会費を60,000円〜83,000円としています。入会の完了までは2〜3か月程度かかると案内しています。
お金より時間がかかる分野もあります。木材産業の協議会は事業所ごとの入会で、機械設備の一覧表などを出します。林野庁は、確認に時間がかかるとして、在留の申請まで余裕をもって入会を申請するよう求めています。
入国後の更新は、許可される期間で手数料が変わる
在留期間の更新の手数料は、2026年10月1日から許可される在留期間に応じた額になりました。窓口の額は10,000円〜75,000円の7区分です。1号の在留期間は3年を超えない範囲で個別に決まるため、3年が許可されたときの64,000円(オンラインは56,000円+決済手数料550円)が最も高い区分になります。何年ごとに更新するかで、5年間の費用が変わります。
見積もりの比べ方:海外採用の初期費用を同じ式にそろえる
見積もりは、会社ごとにばらばらの項目を同じ式に並べ直してから比べます。本人が負担する費用は式に入れず、別の表で「誰が・いくら・何の費用か」を確かめます。
図6海外から呼ぶ1人あたりの初期費用の式
初期費用=日本側の費用紹介手数料・書類作成の報酬+送出し国側の費用送出し機関・本国手続き・検診+渡航と入国航空券・送迎・事前ガイダンス+住まいの立ち上げ初期費用・家具・家電
2〜3社に同じ質問をする
- 見積もりを「会社負担」「本人負担」「国ごとの費用」に分けて出せますか。
- 本人が送出し機関に払う費用の内訳と算出根拠を、書面で出せますか。
- 往路の航空券代と渡航前の教育費は、誰がいくら負担する前提ですか。
- 空港の送迎、事前ガイダンス、通訳の費用は、どこに含まれていますか。
- 候補者の国の手続き(登録・検診・出国許可)に何週間かかる前提ですか。
- 在留の申請書類は誰が作りますか。
- 入国前に本人が辞退した場合や不許可の場合、返金はどうなりますか。
費用の説明は、事前ガイダンスで本人にも伝える
会社の見積もりが整ったら、同じ内容を本人にも伝えます。事前ガイダンスは在留資格認定証明書の申請の前に、対面かテレビ電話で、本人が十分に理解できる言語で行います。伝える内容には、保証金・違約金の契約がないこと、支援の費用を本人が負担しないこと、住居の条件が含まれます。運用要領は3時間程度を目安とし、1時間に満たないものは適切とはいえないとしています。
入れ忘れやすいのは「時間」の費用
協議会の加入、本国の手続き、認定証明書の審査は、それぞれ数週間から数か月かかります。入社日を先に決めると、欠員のまま待つ期間が長くなります。期間の目安は特定技能の申請から就労開始までの期間で確かめ、入社日から逆算して見積もりを取ります。
想定ケース:製材所(従業員52人)の店舗運営部長が、見積もりを3つの箱で読み直した理由
想定ケース(利用イメージ)について:この章は、特定技能の会社選びでよく寄せられる相談をもとに、編集部が場面を再構成した想定インタビューです。実在の企業・人物の発言ではありません。数値は公的資料にもとづく目安です。
製材所と木材の直売店舗を営む会社の店舗運営部長(60代)に、海外から特定技能の2人を迎えるまでを振り返ってもらいました。
- 2社の見積もりを同じ表に並べ直し、比べる作業が半日で終わった
- 本人負担になっていた空港の送迎代と保証料の2項目を、契約前に会社負担へ直した
- 協議会の加入と本国の手続きから入社日を逆算し、入国から配属までの待機が0日だった
――2人を迎えて、何が変わりましたか。
人が足りずに止めていた夕方の加工を、再開できました。費用の面では、最初は2社の見積もりが1人あたり30万円近く違って見えたんです。ところが項目をそろえ直すと、差は8万円ほどでした。安く見えたほうは、空港の送迎と保証会社の保証料が本人の負担になっていた。契約の前に気づけたのが一番の収穫です。
――店舗運営部長のあなたが担当になったのはなぜですか。
うちは製材と店舗の両方の人の手配を、私が見ているからです。製材の職人が2人定年で抜けて、求人を1年出しても応募は1人でした。店舗での販売は特定技能の仕事に入らないので、配属は最初から製材の工程と決めていました。社長には、木材産業には2号がなく、1号の通算5年が上限になることも先に伝えました。5年で何を任せるかを決めておかないと、費用の元が取れないと思ったからです。
――検討を始めたころ、何に困っていましたか。
見積もりの言葉です。「渡航関連費用一式」「現地手続き費」と書かれていても、誰に払うお金なのか、本人が払う分があるのか分からない。正直に言うと、海外から呼ぶなら高くて当たり前だと思い込んでいて、中身を確かめようともしていませんでした。
――どこで迷い、何で決めましたか。
2社に「会社負担、本人負担、国ごとの費用の3つに分けて出し直してほしい」と頼みました。1社は、本人が現地で払う費用まで内訳を書面で出してきました。もう1社は「一式」のままでした。渡航費は全額持つか半分にするかで迷いましたが、国の運用要領で負担が推奨されていると知り、全額にしました。数字の根拠を隠さない相手のほうが、話を進めやすかったですね。事前ガイダンスもその会社に任せ、テレビ電話で通訳を入れて3時間ほどかけてもらいました。費用の話を本人が先に聞いていたので、入国してからの説明が短く済みました。
――進めてみて、つまずいたことはありますか。
協議会です。木材産業の協議会は事業所ごとの入会で、機械設備の一覧表なども要ります。確認に時間がかかると聞いて、入社日を2か月後ろにずらしました。候補者が住むインドネシアの側では、現地の送出し機関を通したので、大使館での雇用契約書の確認も要りました。それと、入社日をずらしたせいで、先に受けてもらった健康診断が申請日の時点で3か月を過ぎ、1人は受け直しになりました。その費用は会社で持ちました。次の採用では、受診日を申請日から逆算して決めるよう、見積もりの段階で頼んでいます。
相談は無料です。条件に合う会社を最大3社までご紹介します。最終的に選ぶのは御社です。
よくある質問
海外採用は国内採用よりいくら高い?
公的な平均額はなく、一律には言えません。差が出るのは、送出し機関と本国の手続き、往路の渡航費、入国時の送迎、住まいの立ち上げの4つで、会社の負担方針と国によって大きく変わります。一方、在留資格認定証明書は無料で、国内在住者の在留資格変更には2026年10月から、許可される期間に応じた手数料(1号なら窓口10,000円〜64,000円の区分)がかかります。同じ式に並べた見積もりで比べてください。国内採用の費用は国内在住の特定技能人材を採用する費用で整理しています。
往路の航空券代は、会社が必ず払わないといけませんか?
義務ではありませんが、全部または一部の負担が推奨されています。運用要領は、渡航前の教育費や渡航費用などについて、送出し国の法令やガイドラインを踏まえて受入れ機関が負担することを推奨しています。会社が貸し付ける方法も認められていますが、返済の方法は労働関係法令に反しないようにします。
送出し機関の費用を本人が払うのは違法ですか?
国のルールで認められた範囲なら、本人が払う費用もあり得ます。たとえばタイとの覚書は、法令に従い仲介機関が本人からサービス料を取ることを認め得るとしています。ただし保証金・違約金や、算出根拠を示さない手数料は不適切な行為とされます。本人が払う額と内訳を、雇用契約の前に書面で確かめてください。
健康診断や結核の検診の費用は、誰が負担しますか?
負担者を一律に決めた公的なルールは、確認できた資料にはありませんでした。海外から呼ぶ場合は、申請日から3か月以内の健康診断(胸部エックス線を含む)が必要です。入国前結核スクリーニングの結核非発病証明書は、2026年9月25日改正のガイドラインで特定技能外国人は当面の間対象外のため、今のところ費用を見込まなくてかまいません(申請前に最新版を確認)。健康診断の費用を誰が払うかは雇用契約の前に決め、事前ガイダンスで本人に説明してください。
入国前に本人が辞退したら、払った費用は戻りますか?
返金されるかどうかは、紹介会社や送出し機関との契約の返金規定で決まります。辞退、不許可、入国の遅れのそれぞれで返金があるかを、見積もりの段階で書面にしてもらってください。
外食業でも、海外から新しく呼べますか?
2026年10月時点では難しい状況です。外食業は受入れ見込数(5万人)に近づき、2026年4月13日から在留資格認定証明書の交付が一時停止されています。2026年9月10日時点で、交付の対象は受付日が1月31日までの申請に限られています。
海外採用が初めてで、どの会社に頼めばよいか分かりません。
まず、候補者の国の手続きに慣れているか、見積もりを3つの箱に分けて出せるかで比べます。特定技能のりあい窓口では、条件に合う人材紹介会社・登録支援機関を最大3社まで無料でご紹介します。順位は付けず、選ぶのは御社です。掲載している会社から紹介手数料を受け取る場合がありますが、手数料の有無で提案の順番や内容は変えません。
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この記事の編集方針と出典
- 制度・数値は、出入国在留管理庁・厚生労働省・所管省庁・自治体などの公表資料で確認し、時点を書いています(確認日:2026年10月14日)。
- 制度は改正されることがあります。申請の前に、必ず最新の公表資料で確認してください。
- 「想定ケース」は、よくある相談をもとに編集部が再構成したもので、実在の企業・人物の発言ではありません。
- 特定技能のりあい窓口は、掲載している人材紹介会社・登録支援機関から紹介手数料を受け取る場合があります。手数料の有無で、ご提案の順番や内容は変えません。
- 誤りにお気づきの場合は、下のフォームからお知らせください。確認のうえ修正します。
出典
- 出入国在留管理庁「特定技能制度」(2026年10月)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年10月)
- 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(令和7年4月1日一部改正)
- 出入国在留管理庁「在留資格認定証明書交付申請」(2026年10月確認)
- 出入国在留管理庁「在留期間更新許可申請」(2026年10月確認)
- 出入国在留管理庁「特定技能に関する二国間の協力覚書」(各国の手続の解説・Q&Aを含む)(2026年10月14日閲覧)
- 出入国在留管理庁掲載「日・ベトナム協力覚書(英文)」(2019年5月署名)
- 出入国在留管理庁・外務省・厚生労働省「入国前結核スクリーニングの実施に関するガイドライン」(令和8年9月25日改正)
- e-Gov法令検索「特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」(2026年10月時点)
- e-Gov法令検索「労働基準法」(2026年10月時点)
- e-Gov法令検索「行政書士法」(2026年1月1日施行の改正を含む)
- 厚生労働省「職業紹介事業の許可基準等の改正について」(2019年4月1日適用)
- 厚生労働省「地域ブロック別の職種別平均手数料額・分布について」(令和6年度実績)
- 一般社団法人建設技能人材機構(JAC)「年会費と受入負担金」(2026年10月確認)
- 一般社団法人工業製品製造技能人材機構(JAIM)「JAIMの概要及び入会手続について」(2026年8月5日)
- 林野庁「木材産業特定技能・育成就労協議会」(2026年10月14日確認)
- 厚生労働省「介護分野における特定技能外国人の受入れについて」(2026年10月確認)
- 出入国在留管理庁「特定技能1号(外食業分野)の審査状況」(2026年9月10日掲載)
- 日本政策金融公庫総合研究所「中小企業等における外国人雇用に関するアンケート」(2025年2月21日公表)
- 福岡県「令和7年度 外国人介護人材の受入れ状況等に関するアンケート調査結果報告書」(令和7年度)
最終更新:(2026年10月版)
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