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紹介会社と登録支援機関を別々に選ぶときの注意点|引き継ぎと責任の分け方
得意な会社を選べる代わりに、すき間ができる。そのすき間を、引き継ぎシートと分界点の表でふさぐ
文・構成:特定技能のりあい窓口 編集部最終更新:情報の確認日:(数値ごとに時点を記載)出典:公的機関の公表資料(ページ末尾に一覧)
特定技能の外国人を採用するとき、人を探す紹介会社と、入社後を支える登録支援機関を別々に選ぶ方法があります。それぞれ得意な会社を選べる一方で、内定から入社までの間に「面接で伝えた条件が支援の担当者に届いていない」「住居の手配を誰がするのか決まっていない」といったすき間が生まれがちです。この記事では、紹介会社と登録支援機関を別々に選ぶときの注意点を、入社前に渡す引き継ぎシートと、3者の責任の分界点の表で具体的に示します。
- 別々に選ぶのは問題ない:得意な紹介会社と支援機関を組み合わせられます。代わりに、内定から入社までの引き継ぎを受入れ企業が取り仕切ります。
- 引き継ぎシートで5つのすき間をふさぐ:面接で説明した労働条件、住居の希望、入国日と送迎、本人の不安、在留・試験の状況を、本人の同意を得て支援機関に渡します。
- 責任の分界点を表にして3者で持つ:雇用契約・支援計画の作成・届出は受入れ企業、事前ガイダンスや定期面談は登録支援機関、紹介会社は内定までと返金規定の精算が担当です。
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この記事の目次
特定技能で紹介会社と登録支援機関を別々に選ぶなら、内定前に役割を決める
紹介会社と登録支援機関を別々に選ぶこと自体に、問題はありません。紹介は海外の送出し手続きに慣れた会社、支援は自社の近くにあって分野に詳しい会社、というように、それぞれ得意な会社を組み合わせられます。気をつけたいのは、内定から入社までの期間です。紹介会社の仕事が終わり、登録支援機関の仕事が始まるこの時期に、情報の受け渡しが漏れやすくなります。
防ぎ方は3つあります。内定の前に登録支援機関を決めること、引き継ぎシートで情報を渡すこと、責任の分界点を表にして3者で持つことです。2社に分けた場合、受入れ企業が両社をつなぐ役になります。
図12社に分けたときの引き継ぎの流れ
- 面接・内定(受入れ企業+紹介会社)この時点で、支援を任せる登録支援機関を決めておきます。
- 3者の打ち合わせ受入れ企業・紹介会社・登録支援機関で、役割と日程をそろえます。
- 引き継ぎシートを渡す面接で説明した条件、本人の希望や不安を、本人の同意を得て支援機関へ。
- 支援計画をつくる作るのは受入れ企業。登録支援機関が補助します。
- 事前ガイダンス(申請前)対面かビデオ通話で、3時間程度が目安。本人が理解できる言語で行います。
- 在留資格の申請 → 入国・入社送迎、住居、口座・携帯電話の契約、生活オリエンテーション(8時間以上が目安)。
- 初回の定期面談で漏れを確かめる以後、3か月に1回以上。本人と上司のそれぞれと面談します。
なぜ「内定前」に支援機関を決めるのか
1号の在留資格を申請するときには、支援計画を出します。事前ガイダンスも、申請の前に行わなければなりません(出入国在留管理庁Q&A)。支援機関が決まらないまま内定を出すと、申請の準備がそこで止まります。支援委託契約には支援の内容と費用の額・内訳を書く必要があるので、見積もりの比較も内定前に済ませておきます。
別々に選ぶ3つの利点
1つ目は、それぞれの得意で選べることです。2つ目は、紹介会社を変えても支援機関は変えずに済むこと。面談の記録や本人との信頼関係が途切れません。3つ目は、費用が分かれて見えることです。紹介手数料は採用時に1回、委託費は毎月と、性質の違う費用を別々に比べられます。参考までに、職業紹介を通じた介護職の平均手数料は全国59.7万円(厚生労働省、令和6年度実績、特定技能に限らない)。登録支援機関・監理団体への月額委託費は「2万円以上3万円未満」が31.5%で最多でした(福岡県、令和7年度)。
代わりに、受入れ企業の仕事が1つ増える
1社にまとめれば、面接での説明がそのまま支援の担当者に伝わります。2社に分けると、その伝達を受入れ企業が見届ける必要があります。役割分担の基本は人材紹介会社と登録支援機関の違いで図にしています。
別々に選ぶと起きやすい5つのすき間
すき間は、2社のどちらも「相手がやると思っていた」ところに生まれます。よく起きるのは次の5つです。どれも、入社前に1枚の紙で防げます。
図2紹介会社と登録支援機関の間で抜けやすい5つのこと
- 1労働条件の説明の食い違い
面接で伝えた給与・控除・勤務時間と、事前ガイダンスでの説明が違うと、本人の不信につながります。
- 2住居の手配の担当
社宅か賃貸か、連帯保証や家賃の負担を誰が決めて、誰が手続きを手伝うのかが決まっていない。
- 3入国日と送迎
入国日や到着空港が支援機関に届かず、送迎の手配が間に合わない。
- 4本人の希望と不安
面接で出た「日本語を学びたい」「通勤手段が心配」といった声が、支援の担当者に伝わらない。
- 5早く辞めたときの精算
紹介手数料の返金規定と、支援委託契約の解約条件がそろっておらず、精算でもめる。
最初の半年が、すき間の影響を受けやすい
職業紹介で就職した人の6か月以内の離職率は、介護で19.9%でした(厚生労働省、令和5年度実績、特定技能に限らない)。入社直後の不信や生活の困りごとは、この時期の離職につながりやすいものです。また日本政策金融公庫の調査(2025年2月公表)では、外国人従業員が辞めた理由の1位は「日本で転職するため」51.0%でした。特定技能1号は、同じ分野の中なら本人の意思で転職できます。
図3職業紹介を通じて就職した人の6か月以内の離職率
- 介護19.9%
- 保育14.5%
- 看護12.9%
すき間の後始末は、受入れ企業に回ってくる
説明の食い違いを解くのも、住居の手配が遅れて勤務開始が延びるのを受け止めるのも、雇い主である受入れ企業です。早く辞めれば、もう一度紹介手数料を払って採り直すことにもなります。福岡県の令和7年度調査では、受入れ・雇用で相談する先の1位が登録支援機関(43.4%)でした。入社後にいちばん頼る相手へ、最初の情報をきちんと渡すことが、後始末を減らす近道です。
責任の分界点:紹介会社・登録支援機関・受入れ企業の役割表
分界点の表は、契約書の業務範囲を3者分並べたものです。迷ったら「最終的に責任を負うのは誰か」で線を引きます。雇用契約、支援計画の作成、届出は、外に頼んでも受入れ企業に残ります。
| 仕事 | 紹介会社 | 登録支援機関 | 受入れ企業 |
|---|---|---|---|
| 求人条件(報酬は日本人と同等以上) | 相場の助言 | — | 決める(責任) |
| 候補者の紹介・面接の調整 | 行う | — | 選考の判断 |
| 内定・雇用契約 | 条件の説明を補助 | — | 結ぶ(責任) |
| 引き継ぎシート | 記入する | 受け取って確認 | 様式を決め、本人の同意を取る |
| 支援計画 | — | 作成を補助 | 作る(責任) |
| 事前ガイダンス(申請前) | 説明した条件を共有 | 行う | 内容を確認 |
| 在留資格の申請書類 | — | — | 申請する(作成を有償で頼めるのは行政書士) |
| 送迎・住居・生活の契約 | 入国日を連絡 | 行う | 住居の用意と費用の決定 |
| 生活オリエンテーション | — | 行う(8時間以上が目安) | 職場のルールを説明 |
| 相談対応・定期面談 | — | 行う(3か月に1回以上) | 上司として面談を受ける |
| 定期届出・随時届出 | — | 必要な書類を渡す | 届け出る(随時は14日以内) |
| 外国人雇用状況の届出 | — | — | ハローワークへ届け出る |
| 早期離職のとき | 返金規定に沿って精算 | 会社都合なら転職支援 | 届出と精算 |
線を引くときの3つの決まりごと
1つ目に、登録支援機関は委託された支援の実施そのものを他社に任せられません(出入国在留管理庁Q&A)。紹介会社に支援の一部を回すような分け方はできない、ということです。2つ目に、定期面談は登録支援機関に全部を委託する場合を除き、第三者に任せられません。3つ目に、申請書類を報酬を得て作れるのは行政書士です(2026年1月1日施行の改正行政書士法)。
表は2つの契約書に「別紙」として付ける
分界点の表は、社内で持つだけでは効き目が弱くなります。紹介契約と支援委託契約の両方に同じ表を別紙で付け、「入国日が決まったら紹介会社が支援機関と企業へ連絡する」「届出に必要な書類は支援機関が毎年4月に渡す」のように、連絡の向きと時期を書き足します。担当者が替わっても、表を見れば仕事の続きが分かります。
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紹介会社から登録支援機関への引き継ぎシートと連携のしかた
引き継ぎシートは、面接の段階で紹介会社が知っていて、支援機関がまだ知らないことを1枚にまとめたものです。様式は受入れ企業が決め、紹介会社が書き、支援機関が受け取って確認します。項目と記入例は次のとおりです。
| 区分 | 項目 | 記入例 | 支援機関が使う場面 |
|---|---|---|---|
| 本人 | 連絡先、十分に理解できる言語、日本語の会話の程度 | 母語のほか、日常会話は日本語で可 | 事前ガイダンス、相談対応 |
| 在留・試験 | 国内:在留資格と在留期限/海外:試験の合格、送出し手続きの進み具合 | 技能実習2号を良好に修了、在留期限は来年3月 | 申請の段取り、送迎の要否 |
| 説明した条件 | 業務の内容、勤務時間、報酬、控除(住居費など)、休日 | 月給と寮費の控除額を面接で口頭説明済み | 事前ガイダンスでの説明の統一 |
| 生活の希望 | 住居(個室か、通勤手段)、日本語学習、入社の希望時期 | 自転車で通える距離、個室を希望 | 住居の支援、日本語学習の案内 |
| 手続きの予定 | 健康診断、申請予定日、入国予定日と到着空港 | 入国は月末、到着は最寄りの空港 | 送迎と生活の契約の準備 |
| 面接で出た質問・不安 | 本人が気にしていたこと | 夜勤の回数、家族への仕送りの方法 | 初回の面談で先回りして説明 |
個人情報は「必要な範囲で、同意を得て」渡す
本人の個人データを紹介会社から支援機関へ渡すことは、第三者への提供にあたる場合があります。個人情報保護法は、例外を除き、あらかじめ本人の同意を得ずに個人データを第三者に渡すことを禁じています。内定のときに、何をどこへ渡すかを本人に説明し、同意を書面で残しておきましょう。面接の評価メモのように、支援に要らない情報は渡しません。
在留カードや旅券の原本は、誰も預からない
引き継ぎで渡すのは情報だけです。在留カードや旅券の原本を、紹介会社・支援機関・受入れ企業のいずれかが預かることはしてはいけません。支援の運用要領は、旅券や在留カードの取り上げを知ったときは地方出入国在留管理局に通報することを、支援の担い手に求めています。確認が必要なときは、本人に原本を見せてもらい、その場で返します。
連携は「受入れ企業を必ず通す」
紹介会社と支援機関が直接やり取りするのは構いませんが、決めたことは受入れ企業にも届く形にします。メールなら3者を宛先に入れる、打ち合わせの記録を共有する、の2つで足ります。厚生労働省のチェックポイントも、担当者が頻繁に変わらないか、変わるときに引き継ぎが行われるかを確かめるよう勧めています。
内定から入社までの引き継ぎ手順(7ステップ)
手順の要は、申請より前に引き継ぎを終えることです。事前ガイダンスは申請の前に行う決まりなので、ここから逆算して日程を組みます。
契約から初回面談までの7ステップ
- 内定前に登録支援機関と契約する
支援委託契約で、支援の内容と費用の額・内訳、解約の条件を決めます。登録支援機関の選び方は別記事で詳しく扱っています。
- 3者の打ち合わせを開く
分界点の表を見ながら、誰が何をいつまでにするかを確認します。オンラインで構いません。
- 本人の同意を取り、引き継ぎシートを渡す
何をどこへ渡すかを本人に説明し、同意を残してから、紹介会社が記入したシートを支援機関へ渡します。
- 支援計画を作る
作成は受入れ企業、補助は支援機関です。日本語と本人が理解できる言語で作り、説明して署名をもらいます。
- 事前ガイダンスを行う
申請の前に、対面かビデオ通話で3時間程度が目安です。面接で伝えた条件と同じ内容かを、受入れ企業も確かめます。
- 申請と入国・入社の準備
申請書類の作成を頼むなら行政書士に。住居、口座、携帯電話、送迎の段取りを支援機関と詰めます。
- 初回の定期面談で漏れを確かめる
入社後の最初の面談で、引き継ぎシートの希望や不安が解決したかを確かめます。初回は対面が望ましいとされています。
日程の組み方
申請予定日を先に決め、その前に事前ガイダンス、その前に支援計画の完成、さらに前に引き継ぎシートと3者の打ち合わせ、いちばん前に支援委託契約、と並べます。内定の日がこの並びより後ろにずれ込むなら、申請予定日を動かすしかありません。紹介会社から内定の候補日を聞いた時点で、支援機関にも同じ日程を伝えておきます。
支援機関の比べ方は登録支援機関の選び方、紹介会社の比べ方は特定技能の人材紹介会社の選び方にまとめています。
2つの契約で決めておくこと
紹介契約と支援委託契約は、別々の会社と結ぶ別々の契約です。片方だけを見ていると、2つの契約の「間」が空きます。特に、早く辞めたときの扱いと、記録の受け渡しをそろえておきます。
図42つの契約と社内の決めごと
- 紹介契約(紹介会社)紹介手数料の額と支払いの時期、返金規定(何か月以内の退職で何割戻るか)、引き継ぎシートの記入を業務に含めること。
- 支援委託契約(登録支援機関)受託する支援の内容と費用の額・内訳、解約の条件と記録の引き渡し方、届出に必要な書類を渡す時期。
- 社内の決めごと3者の連絡の窓口になる担当者、引き継ぎシートの保管場所、本人の同意書の取り方。
返金規定は「望ましい」もので、中身は会社しだい
短い期間で辞めたときに手数料を返す返戻金制度は、設けることが望ましいとされているだけで、義務ではありません。期間と割合、自己都合と会社都合の扱いを書面で確かめます。紹介会社は、紹介して無期雇用で就職した人に、就職から2年間は転職を勧めてはいけないとされています。
紹介会社の「入社後フォロー」との線引き
紹介会社が独自に入社後のフォローを用意していることがあります。ただ、支援計画にもとづく支援を全部任せられるのは登録支援機関だけです。両社が別々に本人へ連絡すると、本人はどちらに相談すればよいか迷います。相談の窓口は支援機関に一本化し、紹介会社のフォローを使うなら「何を、いつまで」行うかを紹介契約に書いておきます。
本人に費用を負担させない
紹介会社は、求職者である本人から手数料を取ることを原則として禁じられています(職業安定法第32条の3)。義務的支援の費用も本人には負担させられません。2つの契約のどちらにも、本人の給与から差し引く費用が紛れていないかを確かめてください。
解約のときの「記録の引き渡し」を書いておく
支援機関を途中で変えると、相談の記録や面談の記録が新しい会社に渡らないことがあります。オンラインで行った定期面談の録画は、雇用契約の終了の日から1年以上保管することとされています。解約のときに、どの記録の写しを、いつまでに受入れ企業へ渡すかを支援委託契約に書いておくと、乗り換えても支援が途切れません。
別々に選ぶか、1社にまとめるかの判断
別々に選ぶ形が向くのは、紹介と支援の「得意」が会社によって分かれているときです。反対に、外国人の受け入れが初めてで、窓口になれる社員が1人しかいないなら、1社にまとめたほうが引き継ぎの負担は軽くなります。
向き・不向きの目安
図5別々が向く会社・1社が向く会社
- 別々が向く:いまの支援機関に満足している支援機関は変えずに、紹介会社だけを選び直せます。面談の記録や本人との関係を引き継がずに済みます。
- 別々が向く:人数が多い・経路が複数5人・10人と採るなら、紹介の経路を複数持ち、支援は1社に集める形も選べます。
- 1社が向く:初めて受け入れる手続きの全体が分からないうちは、窓口が1つのほうが確認の手間が減ります。
- 1社が向く:担当者が1人3者の連絡を取り仕切る時間がなければ、引き継ぎを社内で完結できる会社が楽です。
1社にまとめても引き継ぎシートは使える
1社にまとめる場合でも、引き継ぎシートは無駄になりません。同じ会社の中で紹介と支援の担当部署が分かれていれば、同じすき間が社内で起きるからです。面接の担当者と支援の担当者が誰で、どう情報を渡すのかを、契約前に聞いておきましょう。
1社にまとめる場合の費用・責任・引き継ぎのリスクは、特定技能の採用から支援まで一括で任せるで比べています。入社後に支援機関を変える手順は登録支援機関の変更(乗り換え)手順、大人数の場合は特定技能を5人・10人以上採用するが参考になります。
想定ケース:特別養護老人ホーム(職員120人)の事務長が、2社に分けて引き継ぎシートを作った理由
想定ケース(利用イメージ)について:この章は、特定技能の会社選びでよく寄せられる相談をもとに、編集部が場面を再構成した想定インタビューです。実在の企業・人物の発言ではありません。数値は公的資料にもとづく目安です。
- 入国から生活の立ち上げまで、送迎・住居・口座の手配に漏れが出なかった(3人とも入国翌週に勤務開始)
- 事前ガイダンスで出た給与の質問が、前回の受け入れの9件から2件に減った
- 受け入れた3人とも、半年後の定期面談の時点で在籍している
――3人を受け入れて半年。何が変わりましたか。
入国してからの1週間が、拍子抜けするほど静かでした。送迎も住居も口座も、支援機関が全部段取りを済ませていて、3人とも翌週から勤務に入れました。前回は空港に誰が行くかで前日まで電話していたので、大違いです。現場の介護主任からも「最初の週に聞かれることが減った」と言われました。生活の質問は支援機関へ、仕事の質問は主任へ、と本人たちが使い分けられていたからだと思います。
――紹介会社と支援機関を別々にした理由は。
支援機関は、すでに別の職員の支援で付き合いがあって、面談の質に満足していました。ただ、その会社は紹介をしていません。海外からの受け入れに慣れた紹介会社を別に探すしかなかったんです。
――前回の受け入れでは、何に困りましたか。
面接で紹介会社が説明した寮費の控除額を、支援機関が知らなかったことです。事前ガイダンスで金額の質問が9件も出て、本人たちに「話が違う」という顔をされました。正直、あれは堪えました。
――今回、紹介会社はどう選びましたか。
海外からの受け入れの経験がある3社に話を聞きました。迷ったのは、手数料が少し安かった会社です。ただ「支援機関への引き継ぎは御社でお願いします」の一点張りでした。選んだ会社は、こちらの様式で引き継ぎシートを書くことを、紹介契約の業務に入れてくれた。費用より、そこを決め手にしました。
――今回は、どう防いだのですか。
内定の前に3者で1時間の打ち合わせをして、引き継ぎシートの様式をこちらで決めました。給与、控除、住居、入国日、面接で出た不安の5つは必ず書いてもらう。本人の同意書も、内定通知と一緒に取りました。紹介会社の担当者が「この欄は空けずに書きます」と言ってくれて、任せられると思えました。
――続けてみて、つまずきはありましたか。
紹介会社と支援機関が、私を通さずに入国日を変えかけたことが1回ありました。それからは、メールは必ず3者宛てにする決まりにしています。ガイダンスでの質問は2件に減りました。残った2件も夜勤手当の計算方法といった細かい点で、条件そのものの食い違いではありませんでした。
――同じように2社に分けようとしている施設に、伝えたいことはありますか。
引き継ぎシートの様式は、紹介会社任せにせず自分たちで持つことです。うちは次の採用で紹介会社が変わっても、同じ紙で受け取れます。手間は増えますが、内定前の1時間で、入国後の何十本もの電話が要らなくなると思えば安いものです。
相談は無料です。条件に合う会社を最大3社までご紹介します。最終的に選ぶのは御社です。
よくある質問
特定技能は紹介会社と登録支援機関を別々に選ぶべき?
どちらでも構いません。紹介と支援の得意な会社が分かれているなら別々、受け入れが初めてで窓口役が1人なら1社にまとめるのが目安です。別々に選ぶ場合は、内定の前に支援機関と契約し、引き継ぎシートと責任の分界点の表を用意してください。
特定技能の人材紹介と登録支援を両方できる会社は?
有料職業紹介の許可と、登録支援機関の登録の両方を持つ会社です。人材サービス総合サイトで許可番号を、出入国在留管理庁の登録支援機関登録簿で登録番号を確かめてください。どちらか片方だけの会社には、片方の仕事しか頼めません。
特定技能の採用はどこまで会社に任せられる?
候補者探し、面接の調整、事前ガイダンス、送迎や住居の支援、生活オリエンテーション、相談対応、定期面談までは任せられます。雇用契約、日本人と同等以上の報酬の支払い、支援計画の作成、定期届出・随時届出、ハローワークへの外国人雇用状況の届出は、受入れ企業の仕事として残ります。申請書類の作成を有償で頼めるのは行政書士です。
引き継ぎシートは誰が作る?
様式は受入れ企業が決め、紹介会社が書き、登録支援機関が受け取って確認する分担が回しやすいです。様式を企業が持っておくと、紹介会社が変わっても同じ項目で受け取れます。
紹介会社と登録支援機関が直接連絡を取り合ってもいい?
構いませんが、決めたことは受入れ企業にも届く形にしてください。本人の個人データを渡すときは、あらかじめ本人の同意を得るのが原則です。メールは3者を宛先に入れると、入国日の変更などの行き違いを防げます。
入社後すぐに辞めたら、紹介手数料と支援の費用はどうなる?
紹介手数料は紹介契約の返金規定、支援の費用は支援委託契約の解約条件に沿って精算します。返金規定は義務ではないため、契約前に期間と割合を確かめておく必要があります。雇用契約が終わったら、受入れ企業は14日以内の随時届出と、ハローワークへの外国人雇用状況の届出を行います。
引き継ぎシートに決まった様式はある?
引き継ぎシートは、紹介会社と支援機関の間で使う社内の書類なので、決まった様式はありません。一方、事前ガイダンスの確認書、生活オリエンテーションの確認書、相談記録書などには、出入国在留管理庁の参考様式があります。引き継ぎシートの項目を、これらの様式で必要になる情報に合わせておくと、支援機関がそのまま使えます。
あとから登録支援機関だけを変えることはできる?
できます。支援委託契約を終える・新たに結ぶときは、受入れ企業が事由の発生から14日以内に随時届出を出します。記録の引き継ぎと本人への説明も必要です。手順は登録支援機関の変更(乗り換え)手順で時系列にまとめています。
紹介会社が入社後の本人に転職を勧めてきたら?
紹介会社は、紹介して無期雇用で就職した人に、就職から2年間は転職を勧めてはいけないとされています。事実を記録し、紹介会社に確認したうえで、改まらなければ都道府県労働局に相談してください。
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この記事の編集方針と出典
- 制度・数値は、出入国在留管理庁・厚生労働省・所管省庁・自治体などの公表資料で確認し、時点を書いています(確認日:2026年10月14日)。
- 制度は改正されることがあります。申請の前に、必ず最新の公表資料で確認してください。
- 「想定ケース」は、よくある相談をもとに編集部が再構成したもので、実在の企業・人物の発言ではありません。
- 特定技能のりあい窓口は、掲載している人材紹介会社・登録支援機関から紹介手数料を受け取る場合があります。手数料の有無で、ご提案の順番や内容は変えません。
- 誤りにお気づきの場合は、下のフォームからお知らせください。確認のうえ修正します。
出典
- 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(2025年4月1日改訂)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年10月)
- 出入国在留管理庁「特定技能所属機関・登録支援機関による届出」(2026年10月)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度」(2026年10月)
- e-Gov法令検索「職業安定法」(2026年10月)
- e-Gov法令検索「個人情報の保護に関する法律」(2026年10月)
- e-Gov法令検索「行政書士法」(2026年1月1日施行の改正を含む)
- 宮城労働局「紹介会社を利用する場合の留意点」(2026年10月確認)
- 厚生労働省「職業紹介サービスを利用する際のチェックポイント」(2026年10月確認)
- 厚生労働省「外国人雇用状況の届出」(2026年10月)
- 厚生労働省「地域ブロック別の職種別離職率について」(令和5年度実績)
- 厚生労働省「地域ブロック別の職種別平均手数料額・分布について」(令和6年度実績)
- 福岡県「令和7年度 外国人介護人材の受入れ状況等に関するアンケート調査結果報告書」(令和7年度)
- 日本政策金融公庫総合研究所「中小企業等における外国人雇用に関するアンケート」(2025年2月21日公表)
最終更新:(2026年10月版)
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