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特定技能の定期面談のやり方|3か月に1回の内容・記録・オンラインの条件
本人と監督者に何を聞き、どう記録し、問題が見つかったらどこへ伝えるか。報告書の項目に沿った実務の手順
文・構成:特定技能のりあい窓口 編集部最終更新:情報の確認日:(数値ごとに時点を記載)出典:公的機関の公表資料(ページ末尾に一覧)
特定技能1号の外国人を雇うと、義務的支援の1つとして3か月に1回以上の定期面談が求められます。ところが、何を聞くか、誰が面談するか、オンラインでよいか、記録をどの様式に残すかで迷う会社は少なくありません。この記事では、特定技能の定期面談で聞く項目をチェックリストで示します。もとにしたのは、出入国在留管理庁の報告書(参考様式第5-5号・第5-6号)の項目です。あわせて、オンラインで行う条件、記録の保存のしかた、法令違反などを見つけたときの通報までの流れを整理します。
- 3か月に1回以上、本人と監督者の両方と:面談するのは支援責任者か支援担当者です。本人を指揮命令する上司や代表取締役は面談者になれません。
- 聞く内容は報告書の17項目:業務内容・待遇・保護・生活・その他の5区分です。事前アンケートで項目を把握しておくことも認められています。
- オンラインは同意と録画が条件:2025年4月1日から可能になりました。録画は雇用契約の終了の日から1年以上保管し、初回と年1回以上は対面が望ましいとされています。
- 問題を見つけたら通報まで:労働関係法令の違反は労働基準監督署など、旅券の取上げなどは地方出入国在留管理局へ。報告書には本人・会社・行政機関への対応を書く欄があります。
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この記事の目次
特定技能の定期面談とは:3か月に1回以上、本人と監督者の両方と行う
特定技能の定期面談は、1号の外国人の働き方と暮らしに問題がないかを、3か月に1回以上確かめる支援です。面談するのは支援責任者か支援担当者で、相手は本人と、本人を監督する立場の人の2人。問題が分かったら、労働基準監督署や地方出入国在留管理局に通報します。
図1数字で見る定期面談のルール
- 3か月に1回以上面談の頻度本人・監督者のそれぞれと行う
- 17項目報告書で確かめる事項ほかに「その他」欄(第5-5号・第5-6号)
- 1年以上録画・支援の記録の保管雇用契約の終了の日から数える
- 2025.4.1オンライン面談が可能に面談の相手の同意などが条件
誰が面談するか
面談を行うのは、支援計画に書いた支援責任者か支援担当者です。登録支援機関に支援の全部を委託している場合は、その機関の担当者が行います。それ以外の第三者には任せられません。通訳や、法律の助言をする専門家を同席させることはできます。
見落としやすいのが、面談者の「立場」です。出入国在留管理庁のQ&Aは、代表取締役や本人の部署を監督する長など、組織図で縦のラインにいる人を不適格としています。役員の配偶者や2親等内の親族も同じ扱いです。社長が自ら面談する形は認められません。
「監督する立場にある者」とは
本人と同じ部署で、本人に指揮命令をする人のことです。直属の上司、班長、ライン長などが当たります。派遣で受け入れられる農業・漁業では、派遣先の監督者と面談します。監督者との面談は、本人の話と職場の実態を照らし合わせるために行うものです。
目的は「確かめる」と「通報する」
運用要領は、面談の目的を労働状況と生活状況の確認としています。問題を知ったときの通報先は2つ。労働関係法令の違反なら労働基準監督署など、入管法違反や旅券・在留カードの取上げなどなら地方出入国在留管理局です。面談は、問題を小さいうちに見つける仕組みでもあります。
特定技能の定期面談で確認する内容:報告書の17項目
何を確かめるかは、報告書の様式にそのまま並んでいます。本人用(第5-5号)と監督者用(第5-6号)は、同じ項目を両側から聞く作りです。本人には「受けていないか」、監督者には「させていないか」を確かめます。下の表の「聞き方の例」は編集部の整理です。
| 区分・確認項目 | 本人への聞き方の例 |
|---|---|
| 業務① 契約と異なる業務に就いていない | 「ふだんの作業を、朝から順番に教えてください」 |
| 業務② ほかの事業主の下で働いていない | 「休みの日に、別の場所で働いたことはありますか」 |
| 業務③ 安全衛生に配慮して働いている | 「危ないと感じた作業や、けがをしかけたことはありますか」 |
| 待遇④ 毎月の報酬を適切に受け取っている | 「給与明細を一緒に見ましょう。分からない控除はありますか」 |
| 待遇⑤ 契約と異なる労働時間になっていない | 「先月の残業は何時間くらいでしたか」 |
| 待遇⑥ 休日・休暇(一時帰国休暇を含む) | 「取りたいのに取れなかった休みはありますか」 |
| 待遇⑦ 適切な住居が確保されている | 「部屋の設備や同居の人のことで困っていませんか」 |
| 待遇⑧ 食費・居住費などが合意どおり | 「寮費として引かれる額は、聞いていた額と同じですか」 |
| 待遇⑨ 支援計画どおりの支援を受けている | 「この3か月で相談したことはありますか。返事は来ましたか」 |
| 保護⑩ 暴行・脅迫・監禁などを受けていない | 「職場や寮で、怖いと感じたことはありますか」 |
| 保護⑪ 保証金・違約金の契約がない | 「誰かにお金を払う約束をしていませんか」 |
| 保護⑫ 通帳の管理など不当な財産管理がない | 「通帳とキャッシュカードは自分で持っていますか」 |
| 保護⑬ 旅券・在留カードを自分で保管 | 「パスポートと在留カードは、今どこにありますか」 |
| 保護⑭ 私生活の自由を不当に制限されていない | 「休日の外出で、止められていることはありますか」 |
| 生活⑮ 日常生活でトラブルがない | 「近所や寮の人と、困っていることはありますか」 |
| 生活⑯ 健康状態に異常がない | 「よく眠れていますか。痛いところはありますか」 |
| その他⑰ 不法就労者が働いていない | 主に監督者に、雇い入れ時の在留カードの確認方法を聞く |
監督者には「させていないか」を記録で確かめる
監督者用の様式は、同じ項目を「させていないか」の形で問います。⑯は「健康診断を定期的に実施し、健康状態に異常がないことを確認していること」となり、会社の行動まで確かめる書き方です。監督者には、勤怠の記録や賃金台帳を持ってきてもらいましょう。記憶ではなく記録で答えてもらうと、食い違いがはっきりします。
答えが食い違った項目が「要注意」
本人は「残業が多い」、監督者は「月20時間程度」。こうした食い違いは珍しくありません。どちらかを責めるのではなく、打刻の方法や申告のルールに原因がないかを見ます。食い違いの内容は、報告書の「問題の内容」欄に書き残します。
17項目のほかに聞いておきたい3つのこと
様式の項目ではありませんが、次の3つも聞いておくと支援につなげやすくなります。1つ目は日本語の学習状況と希望で、義務的支援の「日本語学習の機会の提供」に直結します。2つ目は将来の希望です。在留期間の更新、2号への移行、転職の考えなどを早めに知れば、会社も準備ができます。3つ目は一時帰国や家族の予定で、休暇の調整に役立ちます。
面談で聞く項目のチェックリスト:準備から報告書の作成まで
17項目を毎回同じ順で読み上げるだけでは、本音は出てきません。事前のアンケート、本人だけで話す時間、監督者との突き合わせ。この3つを組み合わせます。運用要領も、質問する予定の項目をアンケートなどで事前に把握することは差し支えないとしています。
図21回の定期面談の流れ(例)
- 1週間前:母語のアンケートを渡す17項目を「はい・いいえ・話したい」で答えてもらいます。「話したい」に印がある項目から面談を始めます。
- 本人との面談十分に理解できる言語で行い、通訳を入れます。監督者は同席させません。前回出た話の「その後」から聞きます。
- 監督者との面談同じ項目を「させていないか」の形で確認します。勤怠と給与の記録を手元に置いて話します。
- 突き合わせ本人と監督者の答えの違いを洗い出し、必要なら追加で確かめます。
- 報告書の作成と共有第5-5号・第5-6号に「有・無」と問題の内容を書き、問題があれば対応と通報に進みます。
聞き方のチェックリスト
- 「はい・いいえ」で終わらず、数字・場所・人の名前で答えられる聞き方にした
- 給与明細と勤怠の記録を、本人と一緒に見られるよう用意した
- 旅券と在留カードは「持っていますか」ではなく「どこにありますか」と聞く
- 監督者が同席しない部屋と時間帯を確保した
- 前回の面談で出た困りごとの「その後」を最初に聞く
- 次の面談までの相談先(曜日・時間・連絡方法)を最後に伝え直す
通訳はどう手配するか
面談は、本人が十分に理解できる言語で行うことが求められます。通訳人は、履行補助として同席させることができます。費用は支援の費用なので、本人には負担させられません。同じ職場の同じ国の出身者に通訳を頼むと、職場や寮の人間関係に関わる話は出にくくなります。できれば外部の通訳を、毎回同じ人でお願いするのが安心です。
本人が話しやすい場をつくる
上司の机の近くや休憩室の隅では、困りごとは出にくいものです。周りに人がいない会議室を選びます。夜勤明けなど、疲れている時間帯も避けたいところです。面談の終わりに相談の窓口を伝え直すと、日ごろの相談対応にもつながります。待遇の話が出たら、雇用条件書や、入国前の事前ガイダンスで説明した内容と照らし合わせます(事前ガイダンスの記事)。
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定期面談をオンラインで行う条件:同意・録画・第三者がいないこと
2025年4月1日から、定期面談はテレビ電話などのオンラインでも行えるようになりました。ただし、面談の相手の同意が前提です。録画を保管し、本人が第三者の影響を受けずに話せているかも確かめます。相手が対面を望めば、対面で行います。
図3オンライン面談の条件と、望ましいとされる運用
- 1同意を得る
面談の相手(本人・監督者)の同意が必要です。支援計画書の欄と署名で確かめます。同意がない、または対面を希望されたら対面で行います。
- 2録画を1年以上保管する
雇用契約の終了の日から1年以上保管し、地方出入国在留管理局から求められたら閲覧に応じます。
- 3周りに第三者がいないか確かめる
画面の外に面談の相手以外の人がいないこと、影響を受けずに話していることを確認します。
- 4疑わしいときは対面でやり直す
問題や第三者の介入が疑われる場合は、改めて対面で面談します。
- 5初回と年1回以上は対面が望ましい
受入れ後の初回と担当者が変わった後の初回は対面が望まれます。オンラインを使う場合も、1年に1回以上の対面が望まれます。
原則対面から、条件つきのオンラインへ
図4定期面談の方法をめぐる主な動き
- 特定技能制度が始まる施行済み
定期面談と行政機関への通報は、1号の義務的支援10項目の1つです。
- 定期面談は原則として対面に実施済み
2023年11月2日の告知で示された取扱いです。
- 条件つきでオンライン面談が可能に施行済み
同意、録画の保管などを満たせば、テレビ電話などで行えます。
- 支援体制の新基準決定済み
支援業務に従事できる人が、常勤の支援責任者・支援担当者に限られます。
すでに対面で行っている会社が切り替えるとき
今の支援計画のままオンラインに切り替える場合、届出は要りません。ただし、同意を得た書面は帳簿書類として保存します。どのツールで録画し、どこに保存し、誰が見られるか。この3点を先に決めておきましょう。改正全体の内容は2025年4月の運用改正の記事で整理しています。
定期面談の記録と様式:第5-5号・第5-6号の書き方と保存
面談をしたら、本人用と監督者用の2枚の報告書を作ります。様式はExcel形式で、出入国在留管理庁の様式一覧から入手できます。項目ごとに「有・無」を付け、問題があれば内容と対応を書く作りです。
図5定期面談報告書の主な記入欄
- ① 面談の基本情報外国人(監督者)の氏名、所属機関の名称、面談日。面談した人の氏名と、支援責任者か支援担当者かの別。
- ② 面談事項17項目それぞれの「有・無」と、問題がある場合の内容。最後に「その他」欄があります。
- ③ 法令違反等の有無「有り・なし」の選択と、その他特筆すべき事項。
- ④ 法令違反等への対応発生年月日と内容、本人への対応、所属機関への対応、関係行政機関への通報(通報日・通報先)。
保管期間と置き場所
支援の記録は、雇用契約の終了の日から1年以上保管します。オンライン面談の録画も同じく1年以上です。報告書、録画、事前アンケート、同意の書面を外国人ごとに1つのフォルダへまとめておけば、問い合わせがあってもすぐに出せます。
相談記録書・定期届出とのつながり
面談の場で受けた相談は、相談記録書(第5-4号)にも残します。年1回の定期届出(毎年4月1日〜5月31日に前年度分)では、支援の実施状況を書きます。全部委託の場合は、受入れ企業が登録支援機関から実施状況を取りまとめて提出します。届出の手順は定期届出(年1回)の記事で、電子での提出は在留申請オンラインシステムの記事で解説しています。
図6記録の流れ:自社支援と全部委託の違い
自社支援
- 社内の支援担当者が面談
- 報告書2枚を作成
- 録画・同意書面とともに社内で保管
- 定期届出で支援の実施状況を記載
面談者は、本人の指揮命令系統の外にいる社員から選びます。
登録支援機関に全部委託
- 委託先の担当者が面談
- 委託先が報告書を作成・保管
- 結果を受入れ企業に共有
- 受入れ企業が実施状況を取りまとめて定期届出
共有の頻度と方法(報告書の写しを毎回もらうか等)は、委託契約で決めておくと確実です。
問題が見つかったときの記録・通報の流れ
面談で法令違反などが分かったら、記録して終わりにはできません。基準省令と運用要領は、支援責任者または支援担当者に行政機関への通報を求めています。報告書にも、本人・会社・行政機関それぞれへの対応を書く欄があります。
- 事実を書き留める
いつ、何が、誰の話から分かったか。本人の言葉と、勤怠や給与明細などの記録の両方を残します。
- 本人に相談先を案内する
労働条件の問題なら労働基準監督署などを案内します。報告書には「関係行政機関を案内」したかを記入します。
- 会社の責任者に知らせる
法令違反の事実を責任者に通知し、通知日と相手を記録します。入管への届出が必要な場合は、その案内もします。
- 行政機関に通報する
労働関係法令の違反は労働基準監督署など、入管法違反や旅券・在留カードの取上げは地方出入国在留管理局へ。通報日と通報先を書きます。
- 届出に報告書の写しを付ける
支援計画の実施困難に係る届出などを出すときは、問題が認められた報告書の写しを添付します。
- 次の面談で是正を確かめる
直ったかどうかを次回の最初に確認し、結果を記録します。
| 見つかった問題 | 通報・案内の先 | 会社がまず確かめること |
|---|---|---|
| 残業の記録と支払いが合わない | 労働基準監督署など | 勤怠と賃金台帳を照合し、差額を精算する |
| 旅券・在留カードを会社や寮で預かっている | 地方出入国在留管理局 | すぐに本人へ返し、預かりをやめる |
| 保証金・違約金の約束がある | 地方出入国在留管理局(会社の雇用契約にある違約金の定めは、労働基準法違反として労働基準監督署にも) | 相手と金額、いつ結んだ約束かを聞き取る |
| 契約にない業務をさせている | 地方出入国在留管理局(入管法に関わる場合) | 業務を元に戻す。契約を変えたなら14日以内の届出 |
| 暴行・脅迫の訴えがある | 警察(緊急時は110番)、地方出入国在留管理局 | 本人の安全と住まいを確保する |
届出をしない、または虚偽の届出をすると、一定期間は特定技能の雇用契約を結べなくなることがあります。罰金や過料の対象にもなり得ます。面談で見つかった問題は、直した経過と一緒に残すほうが会社を守ります。
定期面談のよくある失敗と、年間スケジュール
失敗の多くは、相手・頻度・方法のどれかが基準から外れることで起きます。次の7つに当たらないか、まず点検してください。
- 監督者との面談を省き、本人とだけ話している
- 本人の上司や代表取締役が、面談者を兼ねている
- 監督者が同席したまま、本人の面談を行っている
- 同意を取らずにオンラインで行い、録画も残していない
- 繁忙期を理由に、前回から3か月を超えてしまった
- 報告書に「問題なし」とだけ書き、項目ごとの確認の跡がない
- 本人が十分に理解できない日本語だけで済ませている
年4回の面談で、重点を変える
出入国在留管理庁の支援計画書の記載例は、面談の時期を1月・4月・7月・10月としています。毎回すべての項目を確かめたうえで、時期ごとに深く聞く項目を変えると、面談が形だけになりません。
| 時期 | 深く聞く項目 | 重なる手続・行事 |
|---|---|---|
| 1月 | 休日・休暇(年末年始、一時帰国の希望)、健康 | 年末調整後の源泉徴収票の受け渡し |
| 4月(対面の回) | 報酬・労働時間・控除の総点検 | 定期届出(4月1日〜5月31日) |
| 7月 | 暑さと体調、住居の設備 | 夏季休暇の予定 |
| 10月 | 最低賃金の改定後の給与、冬の生活費 | 2026年度の最低賃金は10月1日〜12月2日に順次発効 |
委託先に確かめておく5つの質問
全部委託でも、面談の質は委託先によって差が出ます。契約の前か、次の更新の前に、次の5つを聞いておきましょう。
- 面談は誰が行いますか。その人は御社の常勤の職員ですか(2027年4月からは支援責任者・支援担当者に限られます)
- 本人の面談には、どの言語の通訳が入りますか
- オンラインで行う場合、録画はどこに、いつまで保存しますか
- 報告書の写しは、面談のたびにもらえますか
- 法令違反が見つかったとき、会社にはいつ、どう知らせてもらえますか
答えを複数の会社で並べて比べる方法は会社比較シートの作り方で紹介しています。面談で見つけた課題をもとに次の採用の条件を見直す会社もあります。給与の見直しは特定技能の給料の決め方が参考になります。
想定ケース:パン工場(従業員85人)の専務取締役が、定期面談のやり方を見直した理由
想定ケース(利用イメージ)について:この章は、特定技能の会社選びでよく寄せられる相談をもとに、編集部が場面を再構成した想定インタビューです。実在の企業・人物の発言ではありません。数値は公的資料にもとづく目安です。
- 1回の面談で話題に上る困りごとが、平均0件から3件ほどに増えた
- 監督者との突き合わせで、残業の打刻漏れ2件を見つけ、翌月の給与で精算した
- 2回目以降は同意を得てオンラインに。対面は初回と毎年4月の年1回に絞った
――面談の進め方を変えて、何が変わりましたか。
困りごとが具体的に出てくるようになりました。うちでは飲食料品製造業の特定技能で4人が働いています。以前は毎回「問題ありません」で終わっていました。今は事前アンケートで「話したい」に印が付いた項目から始めるので、1回で3件ほど話題が出ます。
――以前は、どんなやり方でしたか。
支援は登録支援機関に全部委託していて、先方の担当者が工場の事務所で30分ほど話していました。隣の机では製造課長が仕事をしている。日程も先方の都合で決まり、夜勤明けの朝に重なることがありました。今思えば、話しにくかったはずです。報告書は17項目すべて「無」で、「その他」の欄も1年間ずっと空欄でした。
――見直そうと思ったきっかけは。
夜勤明けの社員が、面談の最中に眠そうにしていたんです。本当に問題がないのか、聞けていないだけなのか、私には判断がつきませんでした。私は役員なので面談者にはなれません。だからこそ、仕組みのほうを整えようと考えました。
――委託先とは、どう話を進めましたか。
3つ決めました。母語のアンケートを1週間前に配る、面談は会議室で監督者を外す、日勤の時間帯に行う。委託先の担当者からは「監督者の面談には勤怠の記録を持ってきてほしい」と頼まれました。正直、そこまで求められるとは思っていませんでした。ただ、その記録を本人の話と並べたら、残業の打刻漏れが2件見つかったんです。
――監督者の課長は、面談をどう受け止めましたか。
最初は「監視されているようだ」と身構えていました。ただ、打刻漏れの原因は課長ではなく、打刻機が更衣室から遠い場所にあったことでした。機械を入口に移したら、漏れはなくなりました。今では課長のほうから「次の面談でこれを聞いてほしい」と頼んでくることもあります。
――オンラインに切り替えたのはなぜですか。
委託先の事務所が車で1時間半の距離にあり、日程が合わずに面談が月末にずれ込むことがありました。初回は対面で行い、2回目からは本人と課長の同意を取ってオンラインにしています。録画は委託先が保存し、報告書の写しは面談のたびにもらう取り決めです。4月だけは、定期届出の前に対面で給与と残業を総点検しています。
――これから始める会社に伝えたいことは。
報告書に「有」が付くのを怖がらないことです。面談は問題がない証明ではなく、問題を早く見つける場だと思っています。打刻漏れも、半年放っておいたら大きな不信になっていたはずです。今は毎年4月の対面の回の前に、1年分の報告書を私も読み返しています。
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よくある質問
定期面談では何を聞けばいい?
報告書(参考様式第5-5号・第5-6号)に並ぶ17項目です。業務内容、報酬・労働時間・休暇・住居などの待遇、保証金や旅券の保管などの保護、生活と健康、不法就労の有無に分かれます。事前にアンケートで項目を把握しておくことも認められています。
「3か月に1回」は、どう数えればよいですか?
運用要領は「3か月に1回以上の頻度」で行うものとしています。支援計画書の記載例は1月・4月・7月・10月です。月を固定して年間の予定に入れておくと、繁忙期に3か月を超えてしまう失敗を防げます。
社長や直属の上司が面談してもよいですか?
できません。面談者は支援責任者か支援担当者で、本人に指揮命令する立場にない人である必要があります。出入国在留管理庁のQ&Aは、代表取締役や本人の部署を監督する長、役員の配偶者や2親等内の親族を不適格としています。社内に適任者がいなければ、登録支援機関への全部委託を検討します。
定期面談はオンラインだけで済ませてもよいですか?
同意、録画の保管などの条件を満たせば、オンラインで行えます。ただし、受入れ後の初回と、担当者が変わった後の初回は対面が望まれます。オンラインを使う場合も、1年に1回以上は対面が望ましいとされています。相手が対面を希望した場合は対面で行います。
報告書や録画は、いつまで保存しますか?
雇用契約の終了の日から1年以上です。オンライン面談の録画は、地方出入国在留管理局から求められたら閲覧に応じる必要があります。同意の書面も帳簿書類として一緒に保存します。
登録支援機関に全部委託していれば、会社は何もしなくてよいですか?
そうではありません。監督者として面談を受けるのは会社の社員で、勤怠や給与の記録を示す必要があります。面談で問題が見つかれば、是正するのも会社です。定期届出では、委託先から支援の実施状況を取りまとめて会社が提出します。
面談の費用を外国人本人に負担させてもよいですか?
できません。定期面談は義務的支援の1つで、支援にかかる費用は直接・間接を問わず本人に負担させられません。通訳の費用も同じです。
特定技能2号の人にも定期面談は必要ですか?
支援の義務があるのは1号です。2号に移った人には、支援計画にもとづく定期面談の義務はありません。とはいえ、同じ職場に1号の人がいるなら、2号の人の声を聞く場を任意で設けると、職場の課題をつかみやすくなります。
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この記事の編集方針と出典
- 制度・数値は、出入国在留管理庁・厚生労働省・所管省庁・自治体などの公表資料で確認し、時点を書いています(確認日:2026年10月14日)。
- 制度は改正されることがあります。申請の前に、必ず最新の公表資料で確認してください。
- 「想定ケース」は、よくある相談をもとに編集部が再構成したもので、実在の企業・人物の発言ではありません。
- 特定技能のりあい窓口は、掲載している人材紹介会社・登録支援機関から紹介手数料を受け取る場合があります。手数料の有無で、ご提案の順番や内容は変えません。
- 誤りにお気づきの場合は、下のフォームからお知らせください。確認のうえ修正します。
出典
- 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(2025年4月1日一部改正)
- 出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」(参考様式第5-4号・第5-5号・第5-6号)(2026年10月確認)
- 出入国在留管理庁「定期面談報告書(1号特定技能外国人用)記載例」(2026年10月確認)
- 出入国在留管理庁「定期面談報告書(監督者用)記載例」(2026年10月確認)
- 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援計画書 記載例(自社支援)」(2026年10月確認)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年10月)
- 出入国在留管理庁「【改正のポイント】(令和7年4月1日施行)」(2025年3月)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度」(2026年10月)
- 出入国在留管理庁「受入れ・活動・支援実施状況に係る届出(定期届出)作成要領」(2026年1月26日掲載)
- 出入国在留管理庁「特定技能所属機関からの随時届出に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)」(2025年6月)
- e-Gov法令検索「特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」(2026年10月確認)
- 出入国在留管理庁「支援体制等の主な改正点」(2027年4月1日施行)
- 厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金額答申状況」(2026年9月)
最終更新:(2026年10月版)
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