特定技能のりあい窓口

https://tokutei-noriai.blog/2026/10/15/seizo-gyomu-kubun/ 印刷日:2026年10月15日

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工業製品製造業の業務区分と事業所要件|対象か確認する方法

産業分類の番号を引き、工程を区分に当て、記録を残す。金属加工の工場が迷わず判定するための手引き

自社の工場は特定技能の対象なのか。工業製品製造業の業務区分は17もあり、どれに当たるのか分からない。対象業種の一覧を見ても、自社の製品がどこに入るのか判断がつかない。採用の担当者がまずつまずくのは、この入口です。この記事では、工業製品製造業の業務区分の考え方と、1号・2号それぞれの対象になる日本標準産業分類の範囲を一覧にし、事業所要件(直近1年の製造品出荷額等)を含めて判定する流れ図を示します。経済産業省の協議会とJAIM入会の関係も、2026年10月時点の公的資料で整理しました。

この記事の結論
  • 判定は「事業所→工程→人」の3段階:工場の製品が告示の産業分類に入り出荷実績があるか、任せる工程が業務区分に当たるか、本人がその区分の試験に合格しているか、の順に確かめます。
  • 1号と2号で対象業種の範囲が違う:繊維・印刷・紙・窯業・ゴム・家具などは1号だけが対象です。2号は機械金属加工・電気電子機器組立て・金属表面処理の3区分に限られます。
  • 協議会への参加は、いまはJAIM経由:経済産業大臣の登録法人であるJAIMに工場ごとに入会し、JAIMが協議会の構成員になる仕組みです。審査は通常2〜3か月かかります。

相談は無料です。条件に合う会社を最大3社までご紹介します。最終的に選ぶのは御社です。

この記事の目次

結論:工業製品製造業の業務区分は「事業所→工程→人」の3段で判定する

工業製品製造業の対象かどうかは、3つの段階を順に確かめれば判定できます。工場の製品が告示の産業分類に入り出荷実績があるか、任せる工程が業務区分に当たるか、本人がその区分の試験に合格しているか、です。

順番を逆にすると、手戻りが起きます。候補者の試験の区分から考え始め、後から工場の製品が対象外だと分かった、という例が典型です。最初に見るのは、人ではなく工場です。

図1自社の工場が工業製品製造業の対象か判定する流れ図

  1. Q1 製品は告示の産業分類に入っているかはい→Q2へ。いいえ→工業製品製造業では受け入れられません。食品・製材・船舶・鉄道車両などは別の分野を確かめます。
  2. Q2 その製品の製造品出荷額等が直近1年間にあるかはい→Q3へ。いいえ(立ち上げ前の新工場など)→要件を満たしません。
  3. Q3 任せたい工程は、どの業務区分に当たるか区分の工程なら→Q4へ。検品だけ・組立てラインだけ(自動車)・対象外の製品のラインなら→その配置はできません。
  4. Q4 2号まで見込むか見込む→工場の産業分類が2号の一覧にも入り、区分が3区分のどれかかを確かめます。見込まない→Q5へ。
  5. Q5 候補者は、その区分の試験に合格しているかはい→Q6へ。技能実習2号の修了者なら、職種が区分に対応し、免除の条件を満たすかを確かめます。
  6. Q6 工場としてJAIMに入会したか入会済み(名簿に掲載)→在留の申請へ。まだ→審査に通常2〜3か月かかるため、先に申請します。
Q1〜Q3は会社の側で先に確かめられます。迷った点は判定メモにして、JAIMの相談窓口に確認します。出典:出入国在留管理庁「工業製品製造業分野の運用要領」(2026年6月25日一部改正)、工業製品製造技能人材機構「特定技能外国人受入れに関するFAQ」(2026年9月18日時点)

工業製品製造業の受け入れ全体(試験・流れ・費用)は、工業製品製造業の特定技能でまとめています。この記事は、その入口にあたる「対象かどうか」の判定に絞って説明します。

特定技能の製造分野の業務区分:17区分の考え方と2号の3区分

業務区分は「どの製品の、どの工程の技能か」で分けたまとまりです。1号は17区分あり、評価試験も同じ17の区分で行われます。2号は、機械金属加工・電気電子機器組立て・金属表面処理の3区分だけです。

区分は「名前の近い産業分類」から当たりをつける

要領別冊には、産業分類と業務区分を1対1で結ぶ表はありません。それでも、区分の多くは名前の近い産業分類があり、当たりをつける手がかりになります。下の表は、告示に挙がった産業分類のうち、区分と名前が対応する例を編集部で並べたものです。

図2業務区分と、名前が対応する産業分類の例(編集部の整理)

業務区分ごとの手がかりになる産業分類(番号は日本標準産業分類)
業務区分名前が対応する産業分類の例2号
機械金属加工22 鉄鋼業の一部、24 金属製品製造業の一部、25 はん用機械、26 生産用機械 などあり
電気電子機器組立て28 電子部品・デバイス・電子回路、29 電気機械、30 情報通信機械 などあり
金属表面処理2462 溶融めっき業、2464 電気めっき業、2469 その他の金属表面処理業の一部あり
紙器・段ボール箱製造1432 段ボール製造業、145 紙製容器製造業なし
コンクリート製品製造2123 コンクリート製品製造業なし
生コンクリート製造2122 生コンクリート製造業なし
陶磁器製品製造2141〜2143・2146(衛生陶器、食卓用陶磁器、置物、タイル)なし
定形・不定形耐火物製造2151 耐火れんが製造業、2152 不定形耐火物製造業なし
印刷・製本15 印刷・同関連業なし
紡織製品製造・縫製11 繊維工業なし
電線・ケーブル製造2341 電線・ケーブル製造業(光ファイバケーブルを除く)なし
プレハブ住宅製品製造2444 鉄骨系プレハブ住宅製造業なし
家具製造131 家具製造業なし
ゴム製品製造19 ゴム製品製造業なし
かばん製造206 かばん製造業なし
RPF製造3299 他に分類されないその他の製造業(RPF製造業)なし
対応は名前から見た手がかりで、公式の対応表ではありません。実際の判断はJAIMに確かめてください。出典:出入国在留管理庁「工業製品製造業分野の運用要領」(告示第2条)(2026年6月25日一部改正)、同「工業製品製造業分野」(2026年6月25日現在)

区分は「試験」と「仕事の範囲」を同時に決める

本人が従事できるのは、合格した区分に含まれる技能の業務です。区分の外の技能が要る業務をさせるには、その技能を含む区分の評価試験に合格する必要があります。区分をどう選ぶかは、採用後の配置の自由度にも響きます。

関連業務(原材料の搬送、前後の工程、フォークリフトの運転、清掃など)には付随的に従事できますが、それだけを専ら行わせることはできません。

工業製品製造業の対象業種:日本標準産業分類で見る1号・2号の範囲

対象業種は、告示が日本標準産業分類の番号で指定しています。2号の範囲は1号より狭く、繊維・印刷・紙・窯業・ゴム・家具などは1号だけが対象です。

図3工業製品製造業の対象業種(告示の産業分類を中分類ごとに整理)

中分類ごとの対象範囲(○は対象、—は対象外)
中分類告示に挙がった主な範囲1号2号
11 繊維工業中分類のすべて○—
12 木材・木製品1221 造作材(建具を除く)、1224 建築用木製組立材料○—
13 家具・装備品131 家具、1391 事務所用・店舗用装備品、1393 鏡縁・額縁、1399の一部○—
14 パルプ・紙・紙加工品141 パルプ、洋紙・板紙・段ボールなど、144 紙製品、145 紙製容器、149 その他のパルプ・紙・紙加工品○—
15 印刷・同関連業中分類のすべて○—
18 プラスチック製品中分類のすべて○○
19 ゴム製品中分類のすべて○—
20 なめし革・同製品206 かばん製造業○—
21 窯業・土石製品生コンクリート、コンクリート製品・その他のセメント製品、陶磁器の一部、耐火物の一部、2194 鋳型(中子を含む)○2194のみ○
22 鉄鋼業製鉄、製鋼・製鋼圧延、圧延・鋼管の一部、225 鉄素形材、2291 シャースリットなど○○
23 非鉄金属2332 アルミニウム圧延、2341 電線・ケーブル、235 非鉄金属素形材○2341以外○
24 金属製品刃物・工具の一部、鉄骨・建設用金属製品、245 金属素形材製品、塗装・めっき・熱処理、ボルト・ナットなど○2444以外○
25・26 はん用・生産用機械中分類のすべて(25は消火器具・消火装置を除く)○○
27 業務用機械医療用機械器具(274)と武器(276)を除く○○
28・29・30 電子・電気・情報通信中分類のすべて(29は一部を除く)○○
31 輸送用機械311 自動車・同附属品、314 航空機・同附属品○○
32 その他の製造業3253 運動用具、3293 パレット、3295 工業用模型、3299のRPF・人体保護具○RPF以外○
48 運輸に附帯するサービス業484 こん包業○○
細分類まで指定された中分類が多いため、最終的には番号単位で照合します。「一部」と書いた中分類は、告示で対象が限られています。出典:出入国在留管理庁「工業製品製造業分野の運用要領」(告示第2条第1項・第2項)(2026年6月25日一部改正)

繊維・印刷・こん包の工場は、対象業種でも条件が加わる

11 繊維工業、15 印刷・同関連業、484 こん包業の事業所は、一覧に入っていても追加の条件があります。繊維工業では、国際的な人権基準への適合、勤怠管理の電子化、パートナーシップ構築宣言の実施、給与の月給制の4つが求められます。印刷は全日本印刷工業組合連合会など4団体のいずれか、こん包は日本梱包工業組合連合会への所属が必要です。これらは協議会で協議が調った措置で、講じなければ受け入れられません。印刷・こん包にほかの措置も及ぶかは、要領別冊の原文で確かめてください。

一覧にない製品は、別の分野を確かめる

輸送用機械(中分類31)で対象なのは、自動車・同附属品と航空機・同附属品です。鉄道車両(小分類312)や船舶製造・舶用機関(小分類313)は一覧にありません。鉄道車両の製造は鉄道分野の業務区分に車両製造があり、船は造船・舶用工業の分野です。製材や合板は木材産業、食品は飲食料品製造業になります。19分野の全体は特定技能の対象19分野一覧で確かめられます。

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事業所要件の中身:「直近1年の製造品出荷額等」と工場単位の判断

事業所要件のかなめは2つです。告示の産業分類について、直近1年間に製造品出荷額等が発生していること。そして、その判断を会社全体ではなく事業所(工場)ごとに行うことです。

製造品出荷額等とは

要領別冊は、製造品出荷額等を「直近1年間における製造品出荷額、加工賃収入額の合計」と定義しています。消費税や酒税などの税も含んだ額です。他社から材料を預かって加工する賃加工の工場も、加工賃収入額があれば出荷額等に数えられます。

主たる事業が対象外でも、対象の製品の出荷額があれば該当すると判断できる、とJAIMのFAQは説明しています。ただし、受け入れた人が従事できるのは、その対象の製品の製造工程だけです。

判断が分かれる6つの例

図4事業所・工程の判定で迷いやすい例と結論

  • 1自動車の組立てライン:不可

    事業所は311に当たりますが、組立ての業務が業務区分の業務に当たらないため、組立てラインでは受け入れられません。

  • 2建設現場での溶接:不可

    工事の代金は建設業の収入に当たるため、現場溶接は対象外です。工場内の製缶・溶接の工程とは分けて考えます。

  • 3検品だけの配置:不可

    専ら検品作業だけに従事させる受け入れは認められません。製造工程の一部として担当させます。

  • 4金属製品の塗装工場:可

    2461 金属製品塗装業に当たれば、その塗装工程で受け入れられます。

  • 5同じラインの対象外製品:不可

    同じ事業所・同じラインでも、対象の産業分類に当たらない製品の製造にかかわる業務には就けません。

  • 6構内の請負で製造:要確認

    請負での製造は、JAIMの入会手続きで請負チェックシートの提出が求められます。派遣での受け入れはできません。

いずれもJAIMのFAQなどに示された考え方です。似た例でも条件で結論が変わるため、個別に確かめます。出典:工業製品製造技能人材機構「特定技能外国人受入れに関するFAQ」(2026年9月18日時点)、同「入会手続に関するよくある御質問」(2026年8月)

総務省は、日本標準産業分類は統計のための基準で、個別の申請での分類番号は制度を所管する機関に問い合わせるよう案内しています。分類番号を自社で決めつけず、JAIMの「対象となる産業分類一覧」と相談窓口で確かめるのが確実です。

製造業の特定技能と協議会:経済産業省の協議会からJAIM入会へ

工業製品製造業では、受入れ企業が経済産業省の協議会に直接入る仕組みから、登録法人のJAIMに入会する仕組みに変わりました。いま必要なのは、外国人を受け入れる工場ごとのJAIMへの入会です。

JAIM(一般社団法人工業製品製造技能人材機構)は、経済産業大臣の登録を受けた特定技能外国人受入事業実施法人です。要領別冊では、登録法人が協議会の構成員となり、受入れ企業は協議会で協議が調った措置を講じることとされています。措置を講じない場合、受け入れはできません。

図5工業製品製造業の協議会とJAIMをめぐる動き

  1. JAIMが特定技能の登録法人に登録済み

    経済産業大臣の登録を受け、受入れ企業の入会先になりました。

  2. 協議会の構成員からの移行期限終了

    この日までに移行手続きをしなかった事業所は、JAIMへの新規入会が必要です。

  3. 上乗せ基準の告示を改正実施済み

    同じ日に、製造業育成就労外国人材受入れ協議・連絡会も設置されました。

  4. 運用要領(工業製品製造業分野)を改正実施済み

    1号17区分・2号3区分の現在の形が示されています。

  5. JAIMが育成就労の登録法人にも登録済み

    JAIMには、育成就労だけを使う事業所向けの「育成就労会員」の区分もあります。

  6. 特定技能協議会(第16回)を書面で開催開催済み

    育成就労協議会(第2回)とあわせて開かれました。

  7. 育成就労の開始・2号の日本語要件決定済み

    2号の日本語に「日本語教育の参照枠」B1相当以上が求められる予定です(取扱いは別途示されます)。

入会の手続きと審査期間は、JAIMの最新の案内で確かめてください。出典:経済産業省「工業製品製造業分野における外国人材の受入れ」(2026年10月確認)、工業製品製造技能人材機構「JAIMに関するFAQ」(2026年9月18日時点)、出入国在留管理庁「工業製品製造業分野の運用要領」(2026年6月25日一部改正)

入会の単位・費用・期間

入会は事業所(工場)単位で、同じ会社でも受け入れる工場ごとに必要です。特定技能を受け入れる工場は賛助会員になり、年会費は60,000〜83,000円です(中小企業割引・団体割引あり)。審査は申請順で、通常2〜3か月かかります。在留の申請では、JAIMのホームページの会員名簿を印刷し、自社の名前が載っているものを証明として出します。

入会後も、賃上げなど生産性向上・国内人材確保の取組を、毎年1〜2月頃にJAIMへ報告します。JAIMによる定期的な現場訪問は、現時点では想定されていないとされています。

判定を記録に残し、入会申請につなげる手順

判定は、頭の中で済ませずに1枚の記録に残します。JAIMへの入会申請や、紹介会社・登録支援機関との打合せで、同じ資料をそのまま使えるからです。

図6判定メモを作ってJAIMの入会申請につなげる手順

  1. 製品別の売上表を用意する

    直近1年間の製品別(または取引先別)の売上と加工賃収入を、工場ごとに出します。出荷額等の根拠になります。

  2. 製品ごとに分類番号を引く

    JAIMの「対象となる産業分類一覧」で製品を検索します。総務省の分類の説明は、e-Statの分類検索システムでキーワードから探せます。

  3. 工程表に業務区分を書き込む

    工程ごとに「区分の業務/関連業務/対象外」の3つに色分けし、外国人を配置する工程に印を付けます。

  4. 迷う点を質問の形にする

    「この製品は何番に当たるか」「この工程はどの区分か」と、1問1答で書き出し、根拠資料を添えてJAIMに確かめます。

  5. 入会手続きの書類をそろえる

    オンラインの入会手続きで、誓約書などの様式と証明書類のテンプレートをPDFで出します。工場名の書き方の不備は再提出の原因になります。

修正を求められたら、指摘された項目だけを直して再申請します。関係のない項目まで変えると、確認に時間がかかります。出典:工業製品製造技能人材機構「入会手続に関するよくある御質問」(2026年8月)、総務省「日本標準産業分類」(第14回改定)

判定メモに書いておく項目

  • 工場名と所在地(本社工場かどうか)
  • 製品名と、直近1年間の出荷額等(加工賃収入を含む)
  • 日本標準産業分類の番号と、1号・2号それぞれの対象か
  • 外国人を配置する工程と、当てはまる業務区分
  • 同じ工場にある対象外の製品・ラインと、配置しない理由
  • JAIMや委託先に確かめた日付と回答の要旨

業務区分と人の組み合わせ:試験・技能実習・転職の考え方

工場と工程が決まったら、人の側の区分をそろえます。本人が合格した評価試験の区分と、配置する工程の業務区分が一致していることが前提です。

技能実習2号の修了者は「職種と区分の対応」を見る

関連する技能実習2号を良好に修了した人は、対応する区分の試験が免除されます。対応は入管庁の一覧で確かめます。JAIMのFAQによると、免除には2年10か月以上の修了が必須で、技能検定3級などの合格か評価調書による確認も要ります。

2号は3区分と実務経験3年

2号を見込むなら、工場の産業分類が2号の一覧に入っているかを先に確かめます。たとえば繊維工業や印刷の工場は1号の対象でも、2号の対象業種には入っていません。2号の評価試験は国内だけで行われ、受験には国内に拠点のある企業の製造現場での3年以上の実務経験が要ります。試験の詳しい中身は、工業製品製造業の特定技能の試験の章を見てください。

転職してくる人は、区分の一致を確かめる

特定技能の人は、同じ業務区分の中か、試験などで技能水準の共通性が確かめられた区分の間で転職できます。他社から移ってくる人を採るときは、在留カードと指定書で分野を確かめます。指定書に書かれるのは所属機関と特定産業分野で、業務区分までは書かれません。前職でどの区分の業務をしていたかは、試験の合格を示す書類や前職の雇用条件書などで確かめ、自社で任せる区分と合っているかを見ます。国内在住者の採用の進め方は国内在住の外国人を特定技能で採用する方法にまとめています。

業務区分と対象業種をめぐる、よくある誤解

判定でのつまずきは、制度の細かさより「思い込み」から生まれます。次の6つは、相談の場でよく出てくるものです。

  • 登記簿の目的欄に「製造」とあれば対象になる見るのは、工場ごとの製品が告示の産業分類に当たるかと、直近1年の出荷実績です。登記の書き方では決まりません。
  • 主たる事業が卸売なら、工場があっても対象外主たる事業が対象外でも、対象の製品の出荷額があれば該当し得ます。ただし、従事できるのはその製品の製造工程だけです。
  • 1号で対象の工場なら、2号でも対象になる2号の対象業種は1号より狭く、業務区分も3つに限られます。長く働いてもらう計画なら、2号の一覧で先に確かめます。
  • 本社で一度入会すれば、どの工場でも受け入れられるJAIMへの入会は工場単位です。隣り合う工場は、実態を示す資料があれば1つの事業所として申請できる場合があります。
  • 経済産業省の協議会に入れば足りるいまの入会先はJAIMです。協議会の構成員だった事業所も、2025年12月25日までに移行していなければ新規の入会が必要です。
  • 対象業種なら、派遣会社経由でも受け入れられる工業製品製造業では、労働者派遣での受け入れは認められていません。対象業種でも、直接雇用が前提です。

すでに外国人を受け入れている会社が区分や委託先を見直すなら、外国人採用の経験がある会社の見直しポイントも役に立ちます。

想定ケース:金属加工工場(従業員52人)の人事課長が、判定メモ1枚で受け入れを決めた理由

想定ケース(利用イメージ)について:この章は、特定技能の会社選びでよく寄せられる相談をもとに、編集部が場面を再構成した想定インタビューです。実在の企業・人物の発言ではありません。数値は公的資料にもとづく目安です。

金属部品の切削・溶接を行う工場で人事課長を務める30代の男性に、特定技能の対象かどうかの判定から、2人を受け入れるまでを聞きました。

  • 対象かどうかの判定を、製品別の売上表から2日で終えた
  • JAIMへの入会は、申請から2か月で名簿に載った
  • 2人が機械金属加工の区分で入社し、外注していた溶接の一部を社内に戻せた

――受け入れて、何が変わりましたか。

人手が足りず外に出していた溶接の一部を、社内に戻せました。外注先の都合で納期が延びることが減り、段取りが組みやすくなっています。2人は機械金属加工の区分で入社し、今は先輩について旋盤と溶接の両方を覚えているところです。

――検討を始めた頃、何に困っていましたか。

うちが対象なのかを、誰に聞けばいいのか分からなかったことです。ネットで調べると「経済産業省の協議会に入る」と書いた古い記事も多く、何が今のルールなのか混乱しました。旋盤と溶接の求人は2年出し続けて、採用できたのは1人だけ。人事の担当は私1人なので、調べる時間も限られていました。

――どうやって判定を進めたのですか。

経理から製品別の売上表をもらい、製品ごとに産業分類の番号を書き込みました。ほとんどは金属製品と生産用機械の部品で、対象に入っていました。迷ったのは、取引先の工事現場で手すりを溶接して据え付ける仕事です。これは建設工事の扱いになり、対象外だと分かりました。外国人に任せるのは工場の中の工程だけ、と線を引けたので、社長への説明も簡単になりました。

――社内で、不安の声はありませんでしたか。

班長からは「言葉が通じるのか」と率直に言われました。そこで面接に班長も同席し、図面の寸法の読み方と、機械を止めるときの合図を実際にやってもらいました。2人とも合図はすぐに覚え、班長の表情が変わったのを覚えています。

――委託先は、何を決め手に選びましたか。

私が作った判定メモを見せたときの反応です。ある会社は「問題ないでしょう」で終わりました。別の会社は、現場溶接の線引きにうなずいたうえで、2号を見込むなら実務経験3年をどう積ませるか、という話まで踏み込んでくれた。うちの工場の将来まで考えている、と感じてそちらに決めました。

――2号については、どう考えていますか。

2人とも、3年たったら2号の試験に挑戦したいと言っています。機械金属加工は2号がある区分なので、そこは迷わず選べました。実務経験を証明できるように、担当した工程と期間を、3か月ごとの面談のたびに記録に残しています。

――実際に手続きを進めて、苦労した点は。

JAIMの入会申請で、本社と工場が同じ敷地なのに工場名の欄を空けてしまい、一度直しました。審査は2か月で終わっています。いま意識しているのは、現場の班長に配置してよい工程を紙で渡しておくことです。忙しい日に、つい対象外の作業を頼まないためです。

相談は無料です。条件に合う会社を最大3社までご紹介します。最終的に選ぶのは御社です。

よくある質問

自社の工場が特定技能の対象か確認するには?

工場ごとに、製品が告示の日本標準産業分類に当たるかと、直近1年間に製造品出荷額等があるかを確かめます。JAIMの「対象となる産業分類一覧」で製品を検索し、迷う点は判定メモを添えてJAIMの相談窓口に問い合わせるのが確実です。そのうえで、任せる工程が業務区分に当たるかを見ます。

工業製品製造業の業務区分はいくつありますか?

1号は機械金属加工、電気電子機器組立て、金属表面処理、紙器・段ボール箱製造、印刷・製本、縫製など17区分です。2号は機械金属加工・電気電子機器組立て・金属表面処理の3区分だけです(2026年6月25日現在)。

1号で受け入れた人を、別の業務区分の仕事に移せますか?

合格した区分に含まれない技能の業務をさせるには、その技能を含む区分の評価試験に合格する必要があります。関連業務を付随的に手伝うことはできますが、それだけを専ら行わせることはできません。

経済産業省の協議会に、会社として入会する必要はありますか?

いまは、経済産業大臣の登録法人であるJAIMに工場ごとに入会する仕組みです。JAIMが協議会の構成員となり、受入れ企業は協議会で決まった措置を守ります。以前の協議会の構成員も、2025年12月25日までに移行していなければ新規の入会が必要です。

鉄道車両や船を作る工場は、工業製品製造業の対象ですか?

鉄道車両製造(小分類312)と船舶製造・舶用機関製造(小分類313)は、工業製品製造業の告示の一覧にありません。鉄道車両は鉄道分野、船は造船・舶用工業分野で受け入れを考えます。部品を作る工場は、その製品がどの産業分類に当たるかで判断します。

JAIMの入会には、どのくらいの期間と費用がかかりますか?

審査は申請順で、通常2〜3か月かかり、不備があればさらに延びます。特定技能を受け入れる工場の年会費は60,000〜83,000円で、中小企業割引などがあります。年度の途中に入会する場合、その年度の年会費は入会の月によって変わります。

受け入れた後、長く働いてもらうために区分選びで気をつけることは?

2号まで見込むなら、2号がある3区分のどれかで、工場の産業分類が2号の対象業種にも入っているかを確かめます。定着の工夫は特定技能外国人の定着率を上げる方法でも整理しています。

この記事の編集方針と出典

  • 制度・数値は、出入国在留管理庁・厚生労働省・所管省庁・自治体などの公表資料で確認し、時点を書いています(確認日:2026年10月14日)。
  • 制度は改正されることがあります。申請の前に、必ず最新の公表資料で確認してください。
  • 「想定ケース」は、よくある相談をもとに編集部が再構成したもので、実在の企業・人物の発言ではありません。
  • 特定技能のりあい窓口は、掲載している人材紹介会社・登録支援機関から紹介手数料を受け取る場合があります。手数料の有無で、ご提案の順番や内容は変えません。
  • 誤りにお気づきの場合は、下のフォームからお知らせください。確認のうえ修正します。

出典

  1. 法務省・経済産業省「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領(工業製品製造業分野の基準について)」(2026年6月25日一部改正)
  2. 出入国在留管理庁「工業製品製造業分野」(2026年6月25日現在)
  3. 一般社団法人工業製品製造技能人材機構「工業製品製造業における特定技能外国人受入れに関するFAQ」(2026年9月18日時点)
  4. 一般社団法人工業製品製造技能人材機構「JAIMに関するFAQ」(2026年9月18日時点)
  5. 一般社団法人工業製品製造技能人材機構「入会案内」(2026年10月確認)
  6. 一般社団法人工業製品製造技能人材機構「入会手続に関するよくある御質問」(2026年8月)
  7. 経済産業省「工業製品製造業分野における外国人材の受入れ」(2026年10月確認)
  8. 総務省「日本標準産業分類」(第14回改定(2024年4月1日施行))
  9. 経済産業省「製造分野特定技能評価試験実施要領」(出入国在留管理庁掲載)(2026年7月2日適用)
  10. 出入国在留管理庁「分野別運用方針の主要な記載事項」(2026年1月23日閣議決定)
  11. 出入国在留管理庁「特定技能1号の受入れ見込数及び在留者数について(令和8年7月末時点・速報値)」(2026年7月末)
  12. 出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年10月)
  13. 出入国在留管理庁「特定技能制度」(2026年10月)

最終更新:(2026年10月版)

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