特定技能のりあい窓口

https://tokutei-noriai.blog/2026/10/15/tokutei-ginou-tetsudo/ 印刷日:2026年10月15日

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  • 2026年10月版

鉄道分野の特定技能|対象業務・試験・受け入れ要件

仕事が6区分のどれに当たるかで、試験の実施団体も日本語の水準も決まる。保線・電気・車両・運輸の要件を一覧に

鉄道の現場で人手が足りず、特定技能での受け入れを考え始めた。けれど、保線や信号の仕事は対象なのか、試験はどこで受けられるのか、協議会には何を出すのかが分からない。そんな会社に向けた記事です。特定技能の鉄道分野には、軌道整備・電気設備整備・車両整備・車両製造・運輸係員・駅・車両清掃の6つの業務区分があり、区分ごとに試験の実施団体と日本語の水準が違います。この記事では、区分ごとの業務と要件、令和7年度の試験の実施状況、受入れ機関が満たす条件と手順を、2026年10月時点の公的資料で整理しました。

この記事の結論
  • 6つの業務区分で要件が決まる:軌道整備・電気設備整備・車両整備・車両製造・運輸係員・駅・車両清掃。本人は、試験に合格した区分の業務に主として従事します。
  • 日本語は運輸係員だけB1相当:運輸係員はJFT-BasicのB1相当以上か、N3以上でB1相当と判定された場合。ほかの5区分はA2.2相当(N4など)です。
  • 試験は国内で始まったばかり:令和7年度は5区分で7回行われ、受験者168人・合格者141人(国土交通省の報告書から編集部が計算)。駅・車両清掃の試験の実施団体は確認できていません。
  • 協議会は会費不要、在留の申請前に加入:受入れ機関と、支援を全部委託する登録支援機関が加入します。2号はなく、在留は1号の通算5年までです。

相談は無料です。条件に合う会社を最大3社までご紹介します。最終的に選ぶのは御社です。

この記事の目次

結論:特定技能の鉄道分野は「どの区分の仕事か」で試験も日本語も決まる

特定技能の鉄道分野には、6つの業務区分があります。軌道整備・電気設備整備・車両整備・車両製造・運輸係員・駅・車両清掃の区分ごとに、試験の実施団体と日本語の水準が決まっています。採用の準備は、任せたい仕事がどの区分に当たるかを決めるところから始まります。

受け入れの実績は、まだごくわずかです。1号の在留者は73人で、上限2,900人に対する充足率は2.5%にとどまります(2026年7月末・速報値)。分野の手続きに慣れた委託先が少ないことを前提に、段取りを自社でも把握しておくと安心です。

図1数字で見る鉄道分野の特定技能

  • 73人1号の在留者数2026年7月末・速報値。1年間で52人増
  • 2,900人受入れ見込数(上限)2029年3月末まで。充足率2.5%
  • 6区分業務区分駅・車両清掃は2026年1月23日に追加
  • 0円協議会の会費国土交通省「会費は不要」
2024年3月に対象分野となってから2年あまりで、在留者は73人です。始まったばかりの分野だと分かります。出典:出入国在留管理庁「特定技能1号の受入れ見込数及び在留者数について」(2026年7月末・速報値)、国土交通省「鉄道分野における外国人材の受入れ」(2026年10月確認)

2号はなく、育成就労は2027年4月から対象

鉄道分野には特定技能2号がありません。運用要領は「特定技能2号での受入れを行うことはできません」と明記しており、在留は1号の通算5年までです。2号がある分野との違いは特定技能2号への移行で確認できます。

一方で、2027年4月1日に始まる育成就労では、鉄道も受け入れができる分野です。受入れ見込数は育成就労1,100人で、特定技能1号と合わせると分野全体で4,000人です(2026年1月23日閣議決定)。国土交通省は育成就労の協議会の加入様式(会費不要)と運用要領(2026年10月9日)も掲載しています。

鉄道の特定技能の業務区分:6区分で任せられる仕事

6つの区分は、線路・電気・車両・運輸・清掃という鉄道の仕事の流れに沿って分かれています。本人は、試験で確かめられた区分の業務に「主として」従事します。別の区分の仕事を主に任せることはできません。

図2鉄道分野の6つの業務区分と主な業務

  • 1軌道整備

    軌道検測、レール・まくらぎの交換、バラストや保安設備の取扱いなど、軌道の新設・改良・修繕の作業と検査。

  • 2電気設備整備

    電路、変電所、信号保安、保安通信、踏切保安などの設備の新設・改良・修繕の作業と検査。

  • 3車両整備

    列車検査、定期検査・臨時検査、構内入換、改造工事、予備品の管理、定期・臨時の清掃など。

  • 4車両製造

    素材加工、部品や構体の組立て、塗装、溶接、ぎ装、台車枠の製造、電子・電気機器の組立て、試験・検査など。

  • 5運輸係員

    ポイント操作、入換え合図、駅設備の取扱い、旅客案内・貨物取扱い、運行管理、車掌業務、運転士業務など。

  • 6駅・車両清掃

    車両の内外の清掃(折り返し清掃を含む)、コンコース・駅舎・ホーム・休憩室の清掃など。

区分ごとの詳しい職務記述書は、新しく加わった区分の分が「準備中」とされています。出典:出入国在留管理庁「鉄道分野」(2026年9月4日現在)、法務省・国土交通省「運用要領(鉄道分野の基準について)」(2026年8月28日一部改正)

関連業務は「付随的に」まで

日本人が通常あわせて行う関連業務には、付随的に従事できます。ただし、専ら関連業務だけをさせることは認められません。業務にあたっては、鉄道営業法などの関係法令と、会社の安全管理規程などの規程類を守る必要があります。

運輸係員は車掌・運転士の業務まで含む

運輸係員の対象には、車掌業務や運転士業務も含まれると運用要領に書かれています。運用要領には、これ以外の条件は書かれていません。運転士の業務を任せる場合に何が必要になるかは、国土交通省鉄道局(技術企画課)に事前に確かめてください。

近い分野との境目

車両製造の仕事は、溶接・塗装・組立てなど製造業の工程と重なります。鉄道車両の製造は鉄道分野の「車両製造」区分ですが、部品の製造を受け持つ工場では、工業製品製造業の対象かどうかも比べてみる価値があります。確認手順は工業製品製造業の特定技能、19分野の全体は特定技能の対象19分野一覧で確認できます。

鉄道の特定技能の試験:区分ごとの実施団体と実施状況

技能試験は、区分ごとの「鉄道分野特定技能1号評価試験(区分名)」です。実施団体が区分ごとに違うため、候補者がどの団体の試験に合格したかを、区分と合わせて確かめます。

図3業務区分ごとの試験の実施団体と日本語の水準

鉄道分野の特定技能1号:区分別の試験と日本語(2026年10月時点)
業務区分評価試験の実施団体日本語の水準評価試験に代わる技能検定
軌道整備日本鉄道施設協会A2.2相当以上(JFT-Basic A2.2以上かN4以上)—
電気設備整備鉄道電業安全協会A2.2相当以上—
車両整備日本鉄道車両機械技術協会A2.2相当以上—
車両製造日本鉄道車輌工業会A2.2相当以上技能検定3級(機械加工・仕上げ・電子機器組立て・電気機器組立て・塗装)
運輸係員日本鉄道運転協会B1相当以上(JFT-Basic B1以上か、N3以上でB1相当と判定)—
駅・車両清掃国土交通省のページに記載なしA2.2相当以上—
運輸係員だけ日本語の水準が一段高く、駅・車両清掃は試験の実施団体がまだ示されていません。技能実習2号の修了による免除は、運用要領の別表で区分ごとに確かめます。出典:国土交通省「鉄道分野における外国人材の受入れ」(2026年10月確認)、出入国在留管理庁「鉄道分野」(2026年9月4日現在)、法務省・国土交通省「運用要領(鉄道分野の基準について)」(2026年8月28日一部改正)

令和7年度の試験は国内で7回、受験者168人

国土交通省が2026年10月7日付で公表した令和7年度の報告書では、5区分で計7回の試験が行われました。会場はいずれも国内(東京都と福岡市)で、方式はペーパーテストと記載されています。報告書に、国外で行われた回の記載はありません。

図4令和7年度の評価試験の受験者数(業務区分別・2回分は合計)

  • 軌道整備89人(合格81人)
  • 電気設備整備50人(合格37人)
  • 車両整備19人(合格17人)
  • 車両製造5人(合格2人)
  • 運輸係員5人(合格4人)
5区分の合計は受験者168人・合格者141人で、合格率は約84%です(編集部の計算)。軌道整備は2回目に79人が受験し、74人が合格しました。出典:国土交通省「令和7年度鉄道分野特定技能1号評価試験実施状況報告書」(2026年10月7日)

前の年度と比べると、試験の広がりが見えます。令和6年度の報告書(2025年10月20日付)には、2025年3月に東京で行われた試験の結果が載っています。軌道整備が受験15人・合格13人、電気設備整備が12人・8人、車両整備が12人・9人でした。車両製造は、応募がなく実施されませんでした。

受験の申込みは実施団体のページから

日程や受験の条件は、国土交通省のページからリンクされた各実施団体のページで確かめます。試験実施要領は、軌道整備・電気設備整備・車両整備・車両製造が2025年2月、運輸係員が2025年3月の付で掲載されています。駅・車両清掃は、実施団体と開始時期を国土交通省のページで確認できませんでした(2026年10月14日時点)。

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日本語と技能実習からの移行:運輸係員だけ要件が違う

日本語の水準は、運輸係員がB1相当以上、ほかの5区分がA2.2相当以上です。運輸係員は、旅客案内や入換え合図など、日本語でのやり取りが多い仕事です。

運輸係員の「N3以上でB1相当と判定」の意味

運輸係員の日本語は、JFT-BasicでB1相当以上を取るのが1つ目の道です。日本語能力試験で示す場合は、N3以上に合格し、かつ欧州言語共通参照枠(CEFR)のB1相当以上と判定された場合に限られます。N3に合格しただけで足りるとは限らないため、判定をどの書類で示すかを委託先と確かめます。2027年4月1日以降のB1相当の確認については、出入国在留管理庁が運輸係員の区分にも触れた案内を出しています(2026年9月30日掲載)。申請の時期が近づいたら、最新の案内を確認してください。

技能実習2号の修了者は試験が免除される場合がある

鉄道分野に関連する技能実習2号を良好に修了し、修得した技能と従事する業務に関連性が認められる人は、その区分の技能試験が免除されます。運輸係員以外の区分では、日本語の証明も原則不要です。運輸係員は、日本語能力試験N3以上の証明が別に要ります。

免除の対象職種は「別表」で区分ごとに確かめる

どの技能実習の職種・作業がどの区分の免除になるかは、運用要領の別表で定められています。別表は2027年4月1日以降も当分の間、免除の対象となる職種を示す形になっています。出入国在留管理庁は2026年6月4日に、技能実習2号の職種と特定技能1号の分野(業務区分)との関係をまとめた資料も掲載しました。候補者の修了証の職種・作業名を、この2つと照らし合わせてください。

関連性が認められないときは、評価試験で技能を示す

修了した職種が鉄道の業務と関連しない場合、その区分の技能試験は免除されません。このときの日本語の扱いは、運用要領の該当箇所を委託先と一緒に確かめてください。他分野で技能実習を終えた人を候補にするなら、評価試験の受験を前提に計画を立てるのが確実です。

鉄道の特定技能で受入れ機関に求められる要件

受入れ機関になれるのは、鉄道事業者・軌道経営者と、鉄道・軌道の施設や車両の整備、車両の製造、駅や車両の清掃を事業として営む会社です。鉄道会社の協力会社として保線や車両整備を請け負う会社も、この事業に当たれば対象になります。

図5受入れ機関が満たす3つの条件

  • 事業の範囲鉄道事業法の鉄道事業者、軌道法の軌道経営者、または鉄道・軌道の施設・車両の整備や車両の製造、駅・車両の清掃の事業を営む者。
  • 協議会への加入と協力国土交通省の鉄道分野特定技能協議会に在留の申請前に加入し、協議が調った措置を講じ、協議会と国の調査・指導に協力する。
  • 直接雇用派遣での受け入れはできない。派遣した、または派遣で受け入れた場合は、以後5年間受け入れができなくなる。
支援を登録支援機関に全部委託する場合は、その登録支援機関も同じ条件を満たす必要があります。出典:法務省・国土交通省「運用要領(鉄道分野の基準について)」(2026年8月28日一部改正)、出入国在留管理庁「鉄道分野」(2026年9月4日現在)

協議会の加入は「見込みが具体化してから」メールで

加入の届出は、受入れ機関が第1号様式、登録支援機関が第2号様式です。それぞれのチェックシートと一緒に、Wordのデータのまま事務局へメールで送ります。郵送はできず、押印は要りません。会費は不要です。

国土交通省は、受入れの見込みが具体的になってから申請するよう求めています。将来の希望や、加入だけを目的とした申請は控えるよう書かれています。一方で、加入は在留の申請の前に済ませる必要があります。内定を出したら、すぐに様式を送れるよう事前に書いておくのが現実的です。事務局の処理にかかる期間はページに書かれていないため、余裕を持って動きます。

加入前に目を通したい協議会の資料

受入れ機関は、協議会で協議が調った措置を講じる必要があります。国土交通省は2026年6月23日に、協議会の規約・運営規程、特定技能外国人の行動規範、育成・キャリア形成プログラムを掲載しました。同じ日には第2回の特定技能協議会と第1回の育成就労協議会が開かれています。加入の前に読んでおくと、入社後に会社が何を求められるのかを社内で説明しやすくなります。

申請で出す分野の書類

在留の申請では、誓約書(分野参考様式第16-1号)と、協議会の構成員であることを示す証明書の写しを出します。登録支援機関に全部委託する場合はその機関も同じ条件を満たす必要があり、国土交通省のページには登録支援機関用の誓約書の様式も掲載されています。どの分野にも共通する基準(社会保険・税の納付、1年以内に会社都合で同じ仕事の社員を離職させていないことなど)は、特定技能の受入れ機関の基準で確認できます。

  • 試験に合格した区分と違う区分の仕事を、主な仕事として任せる
  • 関連業務(清掃や運搬など)だけをさせる
  • 派遣で受け入れる、または他社へ派遣する
  • 協議会に加入しないまま在留の申請をする
  • 支援の委託先の登録支援機関が協議会に加入していない

鉄道会社で受け入れる手順と期間の目安

受け入れは、区分の決定から乗務・作業の開始まで6つの手順で進めます。令和7年度の試験がいずれも国内で行われていることから、当面は日本に住んでいる人が合格して応募する形が中心になると考えられます。

図6鉄道分野で特定技能の外国人を受け入れる6つの手順

  1. 任せる仕事の区分を決める

    保線なら軌道整備、信号・踏切なら電気設備整備など。1人に複数区分の仕事を主に任せることはできません。

  2. 受入れ機関に当たるかを確かめる

    鉄道事業者・軌道経営者、または施設・車両の整備や製造、清掃の事業を営んでいるかを確認します。

  3. 候補者の合格区分と日本語を確かめる

    評価試験の区分と実施団体、日本語の水準、技能実習2号の修了なら職種・作業名を照らし合わせます。

  4. 内定後すぐに協議会へ加入する

    受入れ機関と、全部委託先の登録支援機関が、様式とチェックシートをメールで送ります。

  5. 雇用契約と支援計画を整え、申請する

    事前ガイダンスと健康診断を済ませ、在留資格の変更(海外からなら認定証明書)を申請します。

  6. 許可後に就労を始め、安全教育を行う

    本人が理解できる言語や写真・動画で、線路内や車両基地の安全ルールを教えます。

4番目の協議会の加入は、内定から在留の申請までの間に終える必要があります。出典:国土交通省「鉄道分野における外国人材の受入れ」(2026年10月確認)、法務省・国土交通省「運用要領(鉄道分野の基準について)」(2026年8月28日一部改正)

期間は変更申請の審査が軸

日本に住む人を雇う場合、在留資格変更の標準処理期間は1〜2か月です。これに協議会の加入の期間が加わります。協議会の処理期間は公表されていないため、内定から就労開始まで3か月ほどの余裕を見ておくと、現場の配置計画を立てやすくなります(編集部の目安)。

海外から呼ぶ場合と、申請の手数料

海外にいる人を呼ぶ場合は、在留資格認定証明書の交付を申請します。標準処理期間は1〜3か月で、手数料はかかりません。交付から3か月以内に入国しないと証明書は効力を失うため、入国日と配属先の準備を合わせて決めます。日本にいる人の変更許可には手数料がかかり、2026年10月1日からは許可される在留期間に応じた額です。窓口申請なら1年で33,000円、3年で64,000円になります。

安全教育は「理解できる方法」で

外国人雇用管理指針は、安全衛生教育を母国語や視聴覚教材を使うなど、外国人が内容を理解できる方法で行うよう求めています。労働災害を防ぐための日本語や、基本的な合図・標識の教育も含まれます。鉄道の現場は合図や呼称が多いため、作業前の確認の言葉を写真つきの一覧にしておくと、日本人の新人教育にも使えます。

委託先選びと、よくある思い込み

鉄道分野の在留者は73人(2026年7月末)で、この分野を実際に扱った紹介会社や登録支援機関は限られます。会社の規模や知名度より、この分野の手続きを具体的に説明できるかで比べます。

  • 鉄道の仕事なら、どの区分の試験に受かっていても同じ本人は合格した区分の業務に主として従事します。保線の人に信号設備の仕事を主に任せることはできません。
  • 運輸係員もN4で受け入れられる運輸係員はB1相当以上です。N3の場合はB1相当と判定されていることが条件です。
  • 協議会は登録支援機関が代わりに入ってくれる受入れ機関自身が加入します。全部委託先の登録支援機関も、別に加入が必要です。
  • 5年たったら2号に移れる鉄道分野に2号はありません。1号の通算5年で計画を立てます。

委託先に確かめる6つの質問

  • 鉄道分野の受け入れを、どの区分で何人扱いましたか
  • 候補者の合格区分と実施団体を、書類でどう確かめますか
  • 運輸係員の場合、N3のB1相当の判定をどの書類で確認しますか
  • 技能実習2号の修了者なら、別表との照合を誰が行いますか
  • 御社は鉄道分野特定技能協議会に加入していますか(全部委託の場合)
  • 母国語で相談できる体制と、夜間作業の多い職場での面談の進め方を教えてください

人材紹介会社と登録支援機関のどちらに何を頼むかは、人材紹介会社と登録支援機関の違いで図にしています。溶接・塗装など近い技能の分野の要件は造船・舶用工業の特定技能も参考になります。

想定ケース:鉄道の保線工事会社(従業員260人)の店舗運営部長が、軌道整備に絞って2人を迎えた理由

想定ケース(利用イメージ)について:この章は、特定技能の会社選びでよく寄せられる相談をもとに、編集部が場面を再構成した想定インタビューです。実在の企業・人物の発言ではありません。数値は公的資料にもとづく目安です。

保線工事を主な事業とし、駅構内の店舗運営も手がける会社の店舗運営部長(40代)に話を聞きました。店舗で外国人スタッフを採用してきた経験から、保線部門の受け入れ準備を任された方です。

  • 軌道整備の試験に合格した2人が入社し、夜間の保線作業の班を5班から6班に増やせた
  • 入社から3か月で、2人とも軌道検測の補助とまくらぎ交換を日本人と同じ手順でこなしている
  • 安全ルールの説明資料を写真入りの12ページに作り直し、日本人の新人研修にも使っている

――受け入れて、現場はどう変わりましたか。

夜間の保線の班を1つ増やせました。これまで人が足りず、鉄道会社から打診された作業を翌月に回してもらうことがあったんです。2人とも入社から3か月で、検測の補助とまくらぎ交換を任せられるようになりました。作業後の報告も、自分の言葉でできています。

――検討を始めた背景を教えてください。

保線部門の平均年齢が上がり、若手の応募が年に数人しかない状態が続いていました。私は店舗で留学生のアルバイトを長く採用してきたので、外国人採用ならと声がかかりました。ただ、店舗と違って線路の仕事は在留資格の決まりが細かく、最初は何も分かりませんでした。

――導入前に、どこで迷いましたか。

区分です。うちの夜間作業には、レールの仕事に加えて、踏切まわりの作業が混ざる日があります。合格した区分の仕事を主にする決まりだと知って、電気設備整備の人も採るか迷いました。結局、最初は軌道整備だけに絞り、踏切の作業は日本人の班に寄せる形に組み替えています。協力会社の立場でも受入れ機関になれるのか、という不安もありました。施設の整備の事業を営む会社が対象だと運用要領で確かめられて、ほっとしたのを覚えています。

――委託先の決め手は何でしたか。

2社と話しました。1社は建設分野の実績が豊富で、説明も手慣れたものでした。もう1社は、鉄道分野はまだ数件しか扱っていないと最初に言ったんです。そのうえで、協議会の様式はWordのままメールで送ること、委託先も加入が必要なことを、その場で画面を見せて説明してくれました。経験の数を正直に言ってくれたことで、かえって話を信じられた。うちはそちらに決めました。

――実際に回してみて、つまずいたことは。

安全教育です。最初は日本人向けの資料をそのまま渡して、半分も伝わっていませんでした。呼称や合図を写真つきで一覧にし、母国語の訳を添えたら、確認の声が現場で聞こえるようになりました。その資料が、いまは日本人の新人研修にも役立っています。

――これから考えていることは。

鉄道分野には2号がないので、5年の間にどう育て、どう報いるかを本人と話しています。2027年4月からは育成就労でも鉄道の受け入れができるので、その使い方も委託先と検討を始めました。

相談は無料です。条件に合う会社を最大3社までご紹介します。最終的に選ぶのは御社です。

よくある質問

鉄道会社で外国人を受け入れるには?

任せる仕事が6つの業務区分のどれに当たるかを決め、その区分の試験と日本語の要件を満たす人を採用します。会社は、鉄道分野特定技能協議会に在留の申請前に加入し、直接雇用で受け入れます。鉄道事業者だけでなく、施設や車両の整備・製造・清掃を営む会社も受入れ機関になれます。

鉄道会社から保線を請け負う協力会社でも、受入れ機関になれますか?

なれます。受入れ機関の対象には、鉄道事業者・軌道経営者のほか、鉄道・軌道の施設や車両の整備、車両の製造、駅・車両の清掃を事業として営む会社が含まれています。そのうえで、協議会への加入など、ほかの条件もすべて満たす必要があります。

運輸係員として受け入れた人に、運転士の仕事を任せられますか?

運用要領は、運輸係員の対象業務に車掌業務・運転士業務を含めています。ただし、運転士として列車を運転させるときに、ほかに必要な資格や社内手続きは別に確かめる必要があります。任せる前に、国土交通省鉄道局(技術企画課)に確認してください。

駅・車両清掃の試験は、いつから受けられますか?

2026年10月14日時点で、国土交通省のページに駅・車両清掃の試験の実施団体と開始時期は載っていません。区分は2026年1月23日の閣議決定で追加されています。受験を考える場合は、国土交通省のページの更新を確かめてください。

協議会への加入に費用や期間はかかりますか?

会費は不要です。様式とチェックシートをWordのデータのまま事務局へメールで送ります。処理にかかる期間は公表されていないため、内定後すぐに送れるよう準備しておきます。

技能実習を修了した人は、試験なしで受け入れられますか?

鉄道の業務と関連性が認められる技能実習2号を良好に修了した人は、その区分の技能試験が免除されます。対象の職種・作業は運用要領の別表で確かめます。運輸係員は、日本語能力試験N3以上の証明が別に必要です。

派遣で外国人を受け入れることはできますか?

できません。鉄道分野は直接雇用に限られます。派遣した、または派遣された人を受け入れた場合は、以後5年間、特定技能外国人を受け入れられなくなります。

特定技能で働ける期間は何年ですか?

1号の通算5年までです。鉄道分野に2号はありません。産前産後休業・育児休業や、連続して1か月を超える病気・けがの休業などの期間は、条件を満たせば通算から除けます。

この記事の編集方針と出典

  • 制度・数値は、出入国在留管理庁・厚生労働省・所管省庁・自治体などの公表資料で確認し、時点を書いています(確認日:2026年10月14日)。
  • 制度は改正されることがあります。申請の前に、必ず最新の公表資料で確認してください。
  • 「想定ケース」は、よくある相談をもとに編集部が再構成したもので、実在の企業・人物の発言ではありません。
  • 特定技能のりあい窓口は、掲載している人材紹介会社・登録支援機関から紹介手数料を受け取る場合があります。手数料の有無で、ご提案の順番や内容は変えません。
  • 誤りにお気づきの場合は、下のフォームからお知らせください。確認のうえ修正します。

出典

  1. 出入国在留管理庁「鉄道分野」(分野別情報)(2026年9月4日現在)
  2. 法務省・国土交通省「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領(鉄道分野の基準について)」(2026年8月28日一部改正)
  3. 国土交通省「鉄道分野における外国人材の受入れ(特定技能・育成就労)」(2026年10月確認)
  4. 国土交通省「令和7年度鉄道分野特定技能1号評価試験実施状況報告書」(2026年10月7日)
  5. 国土交通省「令和6年度鉄道分野特定技能1号評価試験実施状況報告書」(2025年10月20日)
  6. 出入国在留管理庁「特定技能1号の受入れ見込数及び在留者数について(令和8年7月末時点・速報値)」(2026年7月末)
  7. 出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数(令和8年6月末)のポイント」(2026年6月末・速報値)
  8. 出入国在留管理庁「分野別運用方針の主要な記載事項」(2026年1月23日閣議決定)
  9. 出入国在留管理庁「技能実習2号移行対象職種と特定技能1号における分野(業務区分)との関係について」(2026年6月4日掲載)
  10. 出入国在留管理庁「日本語能力水準「B1相当以上」の確認開始時期について」(2026年9月30日掲載)
  11. 出入国在留管理庁「在留資格認定証明書交付申請」(2026年10月確認)
  12. 出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」(2026年10月確認)
  13. 出入国在留管理庁「在留許可手数料の額及び減額又は免除の対象者等について」(2026年10月1日施行分)
  14. 厚生労働省「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」(2026年5月29日告示による改正を反映)

最終更新:(2026年10月版)

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