特定技能のりあい窓口

https://tokutei-noriai.blog/2026/10/15/roumu-kanri-checklist/ 印刷日:2026年10月15日

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特定技能の労務管理チェックリスト|毎月・毎年やること

日本人と同じ労務に、特定技能の届出・面談・更新を重ねて「いつ・何を・どこへ」を1枚にする

特定技能の外国人を雇ってから、月末の給与、3か月ごとの面談、年1回の届出、在留期間の更新と、期限の違う作業が一度に増えた。担当者の記憶に頼っていて、いつか漏れそうで不安だ。そう感じている経営者の方に向けて、特定技能の労務管理を「毎月」「毎年」「随時」の3つのタスク表に整理しました。日本人と同じ労務と、特定技能で上乗せされる義務を分け、それぞれの期限と出す先、忘れやすい義務、監督指導で多い違反までを、出入国在留管理庁・厚生労働省・国税庁の資料で示します。

この記事の結論
  • 労務管理は3つの表で回す:毎月(給与・労働時間・納付)、毎年(定期届出・年度更新・算定基礎届・健康診断)、随時(雇入れ・契約変更・休業・退職)に分けると、期限の漏れが見えます。
  • 特定技能の上乗せは4つ:3か月に1回以上の定期面談、毎年4月1日〜5月31日の定期届出、出来事から14日以内の随時届出、在留期間の更新です。
  • 違反が多いのは安全基準と割増賃金:2024年に監督指導を受けた特定技能の事業場の76.4%で違反があり、安全基準24.0%、割増賃金17.2%、健診後の医師の意見聴取16.7%の順でした。

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この記事の目次

結論:特定技能の労務管理は「毎月・毎年・随時」の3つの表で回す

特定技能の労務管理は、日本人と同じ労務の上に、特定技能の義務を重ねたものです。給与、労働時間、社会保険、税、安全衛生は日本人と同じルールで動きます。そこに、3か月に1回以上の定期面談、年1回の定期届出、出来事から14日以内の随時届出、在留期間の更新が加わります。

この2層を期限の種類で並べ直すと、表は3つで足ります。毎月決まった日に来るもの、毎年決まった時期に来るもの、出来事が起きたときに始まるものです。担当者の記憶に頼らず、表とカレンダーで回すのがこの記事の考え方です。

図1特定技能の労務管理の3つの表

  • 毎月労働時間の集計、賃金台帳と給与明細、源泉所得税・住民税・社会保険料の納付。3か月ごとに定期面談。
  • 毎年4〜5月の定期届出、6〜7月の労働保険の年度更新と算定基礎届、年1回の健康診断、秋の最低賃金改定、年末調整。
  • 随時雇入れ・契約変更・休業・退職・委託先の変更など。入管への届出は出来事から14日以内。
「随時」の表は、出来事が起きた日を起点に期限を数えます。総務に連絡が届く仕組みとセットで使います。

監督指導では4分の3の事業場に違反があった

2024年、労働基準監督署は特定技能外国人を使用する事業場5,750か所に監督指導を行いました。76.4%にあたる4,395か所で、労働基準関係法令の違反が見つかっています。多かったのは、機械などの安全基準24.0%、割増賃金の支払17.2%、健康診断結果についての医師等からの意見聴取16.7%です。特定技能外国人からの申告は107件で、うち90件が賃金・割増賃金の不払でした。

図2特定技能外国人を使用する事業場の監督指導(2024年)

  • 76.4%違反があった事業場監督指導5,750か所のうち4,395か所
  • 24.0%機械などの安全基準最も多い違反
  • 17.2%割増賃金の支払2番目に多い違反
  • 90件賃金・割増賃金の不払の申告特定技能外国人からの申告107件のうち
監督指導は違反が疑われる事業場などを対象に行うため、受入れ企業全体の違反率ではありません。出典:厚生労働省「特定技能外国人を使用する事業場に対する監督指導、送検等の状況(令和6年)」(2025年9月26日公表)

外国人の労務管理の注意点:日本人と同じこと、上乗せされること

労働基準法や社会保険の法令は、国籍を問わず日本人と同じように適用されます。特定技能の受入れ機関は、これらの法令を守ることが受入れの基準そのものです。違反が続くと、更新の審査や次の受入れに響きます。

日本人と共通の労務と、特定技能で上乗せされること
分野日本人と共通特定技能で上乗せ・注意
報酬最低賃金以上、全額払い、控除は法令か労使協定によるものだけ日本人と同等以上。原則として本人口座への振込
労働時間36協定の範囲内。客観的な方法で把握所定労働時間は通常の労働者と同等(フルタイム)
休暇年10日以上付与される人には年5日を取得させる一時帰国を希望すれば、必要な有給休暇を取得させる
社会保険・税加入・納付は日本人と同じ更新などの審査で納付状況を確認される
安全衛生雇入れ時教育、年1回の健康診断本人が理解できる言語・方法で行う
届出雇用保険の資格取得・喪失(外国人雇用状況の届出を兼ねる)入管へ定期届出(年1回)と随時届出(14日以内)
支援—1号には義務的支援10項目。定期面談は3か月に1回以上

報酬の「同等以上」は毎年確かめる

特定技能の報酬は、日本人が同じ業務に就く場合と同等以上でなければなりません。賃金規定があれば規定で、なければ同じ業務の日本人と比べて判断されます。日本人の若手だけを昇給させると、比べる相手との差が広がります。昇給の時期に、特定技能の人の額も並べて点検しましょう。

委託しても、労務の責任は会社に残る

登録支援機関に支援を全部委託しても、雇用契約、報酬の支払い、労働時間の管理、受入れ機関としての届出は会社の責任です。支援の範囲と会社の義務の分け方は特定技能の受入れ機関の基準で確認できます。

毎月やること:給与・労働時間・納付の締め切り

毎月の作業は、給与の締め日から逆算して並べます。期限が法律で決まっているのは、賃金台帳の記入、給与明細の交付、源泉所得税・住民税・社会保険料の納付です。定期面談は3か月ごとですが、毎月の表に「次の面談月」を書いておくと忘れません。

毎月のタスク表(給与を月1回払う場合)
タスク期限ポイント
労働時間の集計給与の締め日タイムカードなど客観的な記録で。時間外が36協定の上限内か確かめる
賃金台帳の記入給与を払うたびに遅滞なく労働日数、労働時間数、時間外・休日・深夜の時間数も書く
給与の支払いと明細の交付給与の支払日口座振込で。控除の内訳を本人が分かる形で示す
源泉所得税の納付翌月10日常時10人未満で納期の特例を受けると、7月10日と1月20日の年2回
住民税(特別徴収)の納入翌月10日常時10人未満で特例の承認を受けると、12月10日と6月10日の年2回
健康保険・厚生年金保険料の納付翌月末日本人負担分は給与から控除する
定期面談(3か月に1回以上)前回から3か月以内本人と監督する立場の人のそれぞれと。報告書を作る

定期面談は、3か月先まで日程を押さえる

定期面談は、支援責任者または支援担当者が、本人と、同じ部署で指揮命令をする監督者のそれぞれと行います。支援を全部委託している場合を除き、第三者には任せられません。本人の同意があり、録画を保存するなどの条件を満たせば、オンラインでも行えます。ただし、受け入れ後の初回と担当者が変わった後の初回は、対面が望ましいとされています。繁忙期と重ならないよう、四半期の初めに3か月先の日程を決めておきます。

36協定の上限は、月ごとに見る

時間外労働は、36協定を結んで労働基準監督署に届け出た範囲でしか命じられません。限度時間は月45時間・年360時間です。特別条項を付けても、時間外と休日労働の合計は月100時間未満、2〜6か月の平均で80時間以内にしなければなりません。年の途中で上限に近づく人がいないか、毎月の集計で確かめます。詳しくは特定技能外国人の労働時間・残業・36協定で扱っています。

控除は「協定」と「説明」がそろっているか

寮費や食費などを給与から差し引くには、労使協定が必要です。2024年の監督指導の事例でも、協定がないまま家賃や光熱費、工具代を控除していた会社が是正勧告を受けています。毎月の明細で、協定にない控除が混ざっていないかを見ます。所得税と住民税の差し引きは特定技能外国人の税金で確認できます。

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特定技能の年間スケジュール:4月から翌年3月まで

毎年の作業は、春から夏に集中します。4〜5月の定期届出、6〜7月の年度更新と算定基礎届が重なるので、3月中に数字の準備を始めると慌てません。

図3特定技能の受入れ企業の年間スケジュール(2026年度の例)

  1. 定期届出(前年度分)入管

    前年度の4月1日〜3月31日に1日でも受け入れていれば提出します。5月31日が土日祝日なら翌開庁日まで。

  2. 住民税の決定通知が届く市区町村

    6月の給与から新しい税額で特別徴収を始めます。

  3. 労働保険の年度更新労働局

    労災保険・雇用保険の保険料を申告・納付します。

  4. 算定基礎届年金事務所

    4〜6月の報酬をもとに、社会保険の標準報酬月額を決め直します。

  5. 最低賃金の改定都道府県ごと

    2026年度は全国加重平均1,177円。発効日は都道府県で違うので、給与の見直しを発効日前に。

  6. 年末調整税

    扶養控除の書類(国外に住む親族の書類を含む)を早めに集めます。

  7. 給与支払報告書と源泉徴収票市区町村・本人

    給与支払報告書を、1月1日に住んでいる市区町村へ。源泉徴収票を本人へ。

日付は2026年度の例です。年1回の健康診断と、年5日の年次有給休暇の取得は、社員ごとの基準日で管理します。出典:出入国在留管理庁「定期届出作成要領」(2026年1月26日掲載)、日本年金機構「令和8年度の算定基礎届」(2026年6月26日更新)、三重労働局「労働保険の成立手続き」、東京都主税局「特別徴収にかかる手続き」

定期届出は「毎月の数字」で書く

定期届出には、1号・2号別の人数のほか、実労働日数、所定労働時間、時間外労働時間、きまって支給する給与、控除額などの月平均を書きます。2年以上続けて受け入れている人がいれば、昇給率も必要です。毎月の集計表に同じ項目の列を作っておけば、5月に1年分を集め直す必要がありません。

健康診断と有給休暇は、人ごとの基準日で

定期健康診断は1年以内ごとに1回です。所見があった人については、医師の意見を聴くところまでが会社の義務です。年10日以上の年次有給休暇がある人には、基準日から1年以内に5日を取らせます。入社日が人ごとに違う外国人社員は、一覧表で基準日をそろえて管理すると漏れません。

受入れ機関の義務一覧:出来事が起きたらする「随時」の手続き

随時の手続きは、出来事が起きた日から期限を数えます。入管への随時届出は14日以内で、期限までに地方出入国在留管理局に「到達」している必要があります。郵送なら消印ではなく届いた日で見られます。

随時のタスク表(主な出来事と期限)
出来事手続き期限・出す先
雇い入れた雇用保険の資格取得届(外国人雇用状況の届出を兼ねる)、健康保険・厚生年金の資格取得届、雇入れ時教育翌月10日・ハローワーク/5日以内・年金事務所
雇用契約を変えた雇用契約の変更の届出(参考様式第3-1-1号)。部署の変更、予定した昇給の取りやめ、別の事業所への異動など14日以内・入管
支援の担当者や委託先が変わった支援計画の変更の届出(第3-2号)、支援委託契約の届出14日以内・入管
1か月以上働けない受入れ困難の届出(第3-4号)。就労開始が許可から1か月以上遅れた場合も14日以内・入管
行方が分からない受入れ困難の届出と、行方不明が判明した際の状況説明書速やかに・入管
退職した雇用契約の終了の届出(第3-1-2号)、雇用保険・社会保険の資格喪失届、住民税の異動届、源泉徴収票の交付入管は14日以内。資格喪失は雇用保険が翌日から10日以内、社会保険が5日以内
基準に合わなくなったと知った基準不適合の届出(第3-5号)。税・社会保険料の未納、法令違反など14日以内・入管
事業所・住居・連絡先が変わった地方公共団体への協力確認書を出し直す(新しい市区町村が関わる場合など)変更があったとき・市区町村

昇給で基本給が上がるだけなら、雇用契約の変更の届出は要りません。逆に、予定していた昇給をやめるときは届出が必要です。届出をしない、または虚偽の届出をすると、罰則の対象になり、一定期間、特定技能の雇用契約を結べなくなることがあります。

退職・解雇のときは順番に注意

会社の都合で契約を終える見込みになったら、その時点で受入れ困難の届出を出し、契約の終了日から14日以内に終了の届出を出します。会社都合の離職では転職支援も義務です。手続きの全体は特定技能外国人の試用期間・解雇・雇止めにまとめています。

在留期間と更新の管理:1人ずつの期限表をつくる

在留期間の満了日は、人によって違います。1号の在留期間は3年を超えない範囲で個別に決まり、通算では5年までです。会社の表には、社員ごとに次の4つの日付を並べておきます。

図4社員ごとの期限表に書く4つの日付

  • 在留期間の満了日在留カードで確かめる。更新は、6か月以上の在留期間がある人なら満了の3か月前から申請できる。
  • 通算5年に達する日1号の通算在留期間。2号への移行や帰国の見通しを、2年目までに本人と話し始める。
  • 次の定期面談の月3か月に1回以上。本人と監督する立場の人の両方と。
  • 健康診断と有給休暇の基準日定期健康診断の月と、年5日の取得期限。
満了日の4か月前に、本人と総務に知らせが届くよう設定しておくと、書類集めに1か月使えます。出典:出入国在留管理庁「在留期間更新許可申請」(2026年10月確認)

更新では納付の状況が見られる

更新の審査では、会社と本人の社会保険料の納付状況を確かめる書類が求められます。標準処理期間は2週間〜1か月ですが、2026年7月に許可された特定技能1号の更新の平均処理日数は41.0日でした(外食業分野を除く)。手数料は2026年10月1日から、許可される在留期間に応じた額になりました(窓口で1年なら33,000円、3年なら64,000円)。社会保険や税の未納があると、更新に響くだけでなく、基準不適合の届出が必要になることもあります。

本人の住所や家族の変化も聞いておく

引っ越し、結婚、転職の相談など、本人の生活の変化は在留の手続きにつながることがあります。定期面談の質問票に「住所・連絡先の変更はありますか」を入れておくと、協力確認書の出し直しが必要かどうかも判断できます。受け入れから就労開始までの全体像は特定技能の受け入れの流れで確認できます。

許可が出たら、新しい在留カードを確かめる

更新や変更の許可が出たら、新しい在留カードの表面の「就労制限の有無」と裏面、特定技能の指定書を確かめ、写しを人ごとのフォルダに保管します。期限表の満了日もその日のうちに書き換えます。確認の手順と罰則は不法就労助長罪とはで詳しく扱っています。

忘れやすい義務と、記録の残し方

抜けやすいのは、年に1回しか来ない作業と、法律ではなく特定技能の基準や支援計画で決まっている作業です。点検は、定期届出を準備する3月に年1回まとめて行うと、数字の確認と一緒にできます。

  • 定期面談を、本人と監督する立場の人の両方と行い、報告書を作っている
  • 本人が一時帰国を希望したときに、有給休暇を取れるようにしている
  • 契約終了後に本人が帰国旅費を負担できないときは、会社が負担すると決めている
  • 外国人の活動内容に関する文書を、契約終了の日から1年以上保管している
  • 健康診断で所見があった人について、医師の意見を聴いている
  • 年10日以上の有給休暇がある人に、年5日を取らせている
  • 外国人労働者を常時10人以上雇う場合、雇用労務責任者を選んでいる
  • 事業所や住居が変わったとき、協力確認書を出し直している

記録の保存期間を決めておく

労働者名簿、賃金台帳、雇入れや解雇、賃金などに関する重要な書類は、5年間の保存が原則で、当分の間は3年間です。賃金を請求できる期間も同じく5年(当分の間3年)に延びています。特定技能の活動内容に関する文書と支援の記録は、契約終了の日から1年以上の保存が求められます。保存先のフォルダを「人ごと・年度ごと」に分けておくと、更新や監督指導のときにすぐ出せます。

支援の抜けは、その後の受入れに響く

支援計画どおりの支援を怠ると、出入国在留管理庁の指導や改善命令の対象になり得て、その後の受入れにも響きます。リスクの具体例は支援が不十分だった場合のリスクで、指針の項目ごとの点検表は外国人雇用管理指針のポイントで確認できます。

担当の決め方:総務・現場・支援機関・専門家で分ける

表を作っても、見る人が決まっていなければ動きません。期限を管理する人と、出来事に最初に気づく人は違います。総務が期限を持ち、現場は「気づいたら知らせる」役、支援機関と専門家は「材料と確認」の役、と分けると、1人に負担が集まりません。

特定技能の労務管理の役割分担(例)
担当主な役割ほかの担当に渡すもの
総務(2人で)3つの表と期限表の管理、入管・ハローワーク・年金事務所への届出、毎月の集計次の面談月、在留期限の通知、届出の控え
現場の責任者配置換え・休み・引っ越し・退職の申出に最初に気づき、その日のうちに総務へ連絡出来事の日付と内容のメモ
登録支援機関定期面談、相談対応、支援の記録、定期届出の支援部分の作成面談報告書、相談記録、支援の実施状況
社会保険労務士・税理士など社会保険・労働保険・給与・税の手続きと計算の確認定期届出に使う月平均の数字、納付の控え

経営者の役割は、月に1回、表に印が付いているかを確かめることです。担当者が休んでも回るよう、表とフォルダの置き場所を2人で共有しておきます。登録支援機関を選び直すときは、面談の報告や届出の材料をどの形式で渡してくれるかも比べると、社内の作業量が変わります。特定技能のりあい窓口では、条件に合う登録支援機関を最大3社まで無料で紹介しています。順位は付けず、選ぶのは御社です。掲載している会社から紹介手数料を受け取る場合がありますが、手数料の有無で提案の順番や内容は変えません。

想定ケース:パン工場(従業員52人)の専務取締役が、労務を3つの表に分けて担当を2人にした理由

想定ケース(利用イメージ)について:この章は、特定技能の会社選びでよく寄せられる相談をもとに、編集部が場面を再構成した想定インタビューです。実在の企業・人物の発言ではありません。数値は公的資料にもとづく目安です。

飲食料品製造業で特定技能の社員10人を雇うパン工場で、総務と労務を見ている専務取締役(60代女性)の想定インタビューです。

  • 毎月・毎年・随時の3つのタスク表を作り、担当を総務の2人に分けた。随時届出の期限切れは、表を使い始めてから0件
  • 定期届出の数字を毎月の集計表から拾う形にし、準備にかかる時間が約2週間から3日に縮んだ
  • 10人の在留期限・面談月・健診月を1枚の期限表にまとめ、満了の4か月前に通知が届くようにした

――表にしてから、何が変わりましたか。

「忘れていないか」と夜中に思い出すことがなくなりました。以前は私の手帳と記憶が頼りで、私が休むと誰も分からない状態でした。今は総務の2人が表を見て動き、私は月に1回、表に印が付いているかを見るだけです。

――見直すきっかけは何でしたか。

製造ラインの責任者が交代したときです。その人は定期面談で「監督する立場の人」として話を聞く役でした。交代を支援機関に伝えるのが遅れ、面談の予定がずれかけたんです。届出が必要な出来事は、現場で起きます。総務が知らなければ、14日の期限は守れないと気づきました。

――以前は何に困っていましたか。

定期届出です。時間外の月平均や控除額を、1年分の給与データから拾い直していました。給与ソフトの項目名と届出書の項目名が違って、毎回2週間近くかかっていたと思います。

――どこで迷い、何で決めましたか。

労務の外部への委託を増やすかどうかです。社会保険労務士の先生と支援機関の担当者に相談しました。支援機関の方が「届出の材料はお渡しできますが、雇用契約の変更に気づけるのは御社だけです」とはっきり言ってくれたんです。それで、委託を増やすより、社内で気づく仕組みを作るほうが先だと決めました。

――運用して、つまずいたことはありますか。

最初は「随時」の表が使われませんでした。現場の人は、どの出来事が届出につながるのか分からない。そこで、配置換え・休み・引っ越し・退職の申出の4つは、とにかく総務に一報を入れるルールにしました。判断は総務がします。10人のうち2人が来年、通算5年に近づくので、2号の試験の相談も期限表に書き足したところです。

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よくある質問

特定技能で忘れやすい会社の義務は?

年に1回か、出来事が起きたときにしか来ない義務です。たとえば、定期面談を本人と監督する立場の人の両方と行う。一時帰国の希望に、有給休暇で応える。活動内容に関する文書を、契約終了から1年以上保管する。事業所や住居が変わったら、協力確認書を出し直す。健康診断で所見があった人について、医師の意見を聴く。年1回、定期届出の準備に合わせて点検すると抜けが見つかります。

登録支援機関に委託すれば、労務管理も任せられますか?

任せられるのは支援の部分です。雇用契約、報酬の支払い、労働時間の管理、受入れ機関としての届出の責任は会社に残ります。全部委託の場合でも、定期届出は会社がとりまとめ、登録支援機関の支援の状況と一緒に提出します。

定期届出と外国人雇用状況の届出は、何が違いますか?

出す先と目的が違います。定期届出は出入国在留管理庁へ、毎年4月1日〜5月31日に前年度の受入れ・活動・支援の状況を出すものです。外国人雇用状況の届出はハローワークへ、雇入れと離職のときに出すもので、雇用保険の被保険者なら資格取得届・喪失届で兼ねられます。

昇給したときも、入管への届出は必要ですか?

昇給で基本給が上がるだけなら不要です。予定していた昇給を取りやめる、雇用条件書に書いた部署を変える、別の事業所に異動させるといった場合は、14日以内に雇用契約の変更の届出が必要です。

賃金台帳などの記録は、何年保存すればよいですか?

労働基準法では、労働者名簿や賃金台帳などの重要な書類は5年間の保存が原則で、当分の間は3年間です。特定技能の活動内容に関する文書と支援の記録は、契約終了の日から1年以上の保存が求められます。迷ったら長いほうに合わせると安全です。

外国人社員が10人以上になったら、何が変わりますか?

外国人雇用管理指針により、外国人労働者を常時10人以上雇うときは、人事課長などを雇用労務責任者に選びます。人数が増えると在留期限や面談月もばらけるので、この時期に期限表を1枚にまとめると管理が楽になります。

給与計算を外部に任せている場合、会社は何を確かめればよいですか?

控除が労使協定の範囲に収まっているか、時間外の時間数が勤怠の記録と合っているか、特定技能の人の報酬が日本人と同等以上か、の3点です。計算を任せても、支払いと届出の責任は会社にあります。定期届出の月平均の数字も、委託先のデータから同じ形式で受け取れるか確認しておきましょう。

この記事の編集方針と出典

  • 制度・数値は、出入国在留管理庁・厚生労働省・所管省庁・自治体などの公表資料で確認し、時点を書いています(確認日:2026年10月14日)。
  • 制度は改正されることがあります。申請の前に、必ず最新の公表資料で確認してください。
  • 「想定ケース」は、よくある相談をもとに編集部が再構成したもので、実在の企業・人物の発言ではありません。
  • 特定技能のりあい窓口は、掲載している人材紹介会社・登録支援機関から紹介手数料を受け取る場合があります。手数料の有無で、ご提案の順番や内容は変えません。
  • 誤りにお気づきの場合は、下のフォームからお知らせください。確認のうえ修正します。

出典

  1. 出入国在留管理庁「特定技能所属機関・登録支援機関による届出」(2026年5月20日更新分まで)
  2. 出入国在留管理庁「受入れ・活動・支援実施状況に係る届出(定期届出)作成要領」(2026年1月26日掲載)
  3. 出入国在留管理庁「特定技能所属機関からの随時届出に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)」(令和7年6月)
  4. 出入国在留管理庁「基準不適合に係る届出」(2026年10月確認)
  5. 出入国在留管理庁「在留期間更新許可申請」(2026年10月確認)
  6. 出入国在留管理庁「在留審査処理期間(日数)令和8年7月許可分」(2026年7月許可分)
  7. 出入国在留管理庁「在留許可手数料の額及び減額又は免除の対象者等について」(2026年10月1日施行)
  8. 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(令和7年4月1日一部改正)
  9. e-Gov法令検索「特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」(2026年10月確認)
  10. 厚生労働省「外国人技能実習生又は特定技能外国人を使用する事業場に対して行った令和6年の監督指導、送検等の状況」(2025年9月26日)
  11. 厚生労働省 同 別紙2(特定技能外国人)(2024年の状況)
  12. e-Gov法令検索「労働基準法」(第36条・第39条・第108条・第109条)(2026年10月確認)
  13. 広島労働局「未払賃金が請求できる期間などが延長されます」(2026年10月確認)
  14. 国税庁「No.2505 源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例」(令和8年4月1日現在法令等)
  15. 東京都主税局「特別徴収にかかる手続きについて」(2026年10月確認)
  16. 日本年金機構「令和8年度の算定基礎届のご提出について」(2026年6月26日更新)
  17. 三重労働局「労働保険の成立手続きについて」(2026年10月確認)
  18. 厚生労働省「外国人雇用状況の届出について」(2026年10月確認)
  19. 厚生労働省「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」(令和8年5月29日改正を反映)
  20. e-Gov法令検索「所得税法」(第226条・第231条)(2026年10月確認)
  21. e-Gov法令検索「厚生年金保険法」(第83条)(2026年10月確認)
  22. e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」(第44条)(2026年10月確認)
  23. 日本年金機構「従業員を採用したときの手続き」(2026年10月確認)
  24. 日本年金機構「従業員が退職・死亡したときの手続き」(2026年10月1日更新)

最終更新:(2026年10月版)

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