特定技能のりあい窓口

https://tokutei-noriai.blog/2026/10/15/kyujinhyou/ 印刷日:2026年10月15日

特定技能の人材紹介会社・登録支援機関を比べて相談できる窓口 全国オンライン対応

特定技能の求人票の書き方|伝わる条件の書き方と記載例

法律で書く項目に、外国人が応募を決める条件を足し、伝わる日本語で書く。項目ごとの書き直し例つき

特定技能の求人票を書くとき、日本人向けの求人をそのまま使っていませんか。外国人の候補者は、仕事内容・手取り・住まい・一時帰国の扱いなど、日本人向けの求人では省きがちな条件で応募を判断します。書き方があいまいだと応募が集まらず、入社後の「聞いていた話と違う」にもつながります。この記事では、特定技能の求人票に書く項目と、項目ごとの記載例(よくない例→よい例)、やさしい日本語で書くルール、書いてはいけないことを、2026年10月時点の法令と公的資料にもとづいて解説します。

この記事の結論
  • 求人票は3つの層で書く:法律で明示が必要な項目、特定技能で外国人が判断に使う項目(手取り・住まい・一時帰国・支援)、伝わる日本語の3つです。
  • 2024年4月から明示事項が3つ増えた:業務の変更の範囲、就業場所の変更の範囲、有期契約を更新する場合の基準(更新上限を含む)を、募集の段階で示します。
  • 「よくない例」に共通するのは数字がないこと:「月給22万円〜」「寮あり」ではなく、手当の内訳、寮費の計算、部屋の広さ、通勤の方法まで書きます。
  • 国籍・年齢・性別の条件や、保証金・違約金は書かない:法律で原則として禁じられているか、特定技能の基準で認められていません。

相談は無料です。条件に合う会社を最大3社までご紹介します。最終的に選ぶのは御社です。

この記事の目次

特定技能の求人票は「法律の項目+判断に使う項目+伝わる日本語」で書く

特定技能の求人票は、3つの層を重ねて書きます。1層目は、法律で明示が必要な労働条件です。2層目は、外国人の候補者が応募を決めるときに見る、手取り・住まい・一時帰国・入社後の支援などの条件。3層目が、それを相手に伝わる日本語で、数字を入れて書くことです。

図1特定技能の求人票を組み立てる3つの層

  • 法律で明示が必要な項目業務内容、契約期間、就業場所、労働時間、賃金、加入保険など。2024年4月から、業務と就業場所の変更の範囲、更新上限なども加わりました。
  • 外国人が判断に使う項目手取りの目安、寮の広さと費用、通勤の方法、一時帰国の休暇、渡航費、相談できる言語と担当者。
  • 伝わる日本語1文に1つの情報、西暦、「から〜まで」、数字。翻訳した要約を添えると、さらに誤解が減ります。
1層目が欠けると法律の問題に、2層目と3層目が欠けると応募の少なさや早期離職につながります。

求人票のあいまいさが招く2つの問題

1つは、応募が集まらないことです。候補者は複数の求人を比べて応募先を決めます。「寮あり」「各種手当あり」としか書いていない求人は、手取りや暮らしが想像できず、後回しにされます。

もう1つは、入社後のトラブルです。職業安定法は、求人の情報について、虚偽の表示や誤解を生じさせる表示をしてはならないと定めています。また、募集を行う者には、情報を正確で最新の状態に保つことも求めています。「寮費無料」と書いて実際は給与から差し引くような書き方は、トラブルの種になります。

  • 求人票は短いほうが読まれるので、細かい条件は面接で話せばよい書ききれない条件を後で示すことはできます。ただし原則として、最初の面接など、求職者と最初に接触する時点までに、すべての条件を明示すべきとされています(厚生労働省)。
  • 寮費は、会社が決めた額を給与から引けばよい会社が借りた住居なら、本人から受け取れる家賃は、借りている費用を入居人数で割った額までです。定期的に負担してもらう費用は、本人が内容を理解して合意していることが前提です(出入国在留管理庁)。

この記事の範囲

ここでは求人票の書き方に絞ります。どんな人を求めるかという基準づくりは、特定技能の採用基準の決め方で扱っています。面接での聞き方の線引きは、外国人の採用面接で聞いてはいけない質問をご覧ください。

外国人向け求人の書き方の基本:書く項目と根拠

求人を出すときは、業務内容・賃金・労働時間などの労働条件を明示することが、職業安定法5条の3で義務づけられています。下の表の上から7行が、法律で明示が必要な項目です。下の4行は、特定技能の基準や指針をふまえて足したい項目です。

特定技能の求人票に書く項目と根拠(2026年10月時点)
項目根拠書き方のポイント
業務内容(変更の範囲を含む)職業安定法(変更の範囲は2024年4月から)作業・量・環境を具体的に。将来担当する可能性がある業務の範囲も書く
契約期間・更新の基準職業安定法(更新の基準は2024年4月から)期間、更新の有無と判断の基準、通算期間や更新回数の上限の有無
試用期間職業安定法期間と、その間に変わる条件
就業場所(変更の範囲を含む)職業安定法(変更の範囲は2024年4月から)住所と、将来移る可能性がある範囲
就業時間・休憩・休日・時間外労働職業安定法シフトの型、残業の月平均と多い月の目安
賃金職業安定法基本給・手当・固定残業代を分けて書く
加入保険・受動喫煙防止措置・募集者の名称職業安定法加入する保険の名前、屋内禁煙などの措置、会社名
一時帰国の休暇特定技能基準省令希望したときに有給休暇を取って帰国できること
住まい・寮費支援の運用要領部屋の広さ、家賃の計算、敷金・礼金の負担
渡航費(海外の候補者)外国人雇用管理指針入国の費用を誰が負担するか
入社後の支援出入国在留管理庁(義務的支援)相談できる言語、担当者、面談の回数

求人票に書ききれないときは

厚生労働省の資料では、スペースの都合でやむを得ない場合の扱いも示しています。一部の条件を「詳しくは面談のときに伝えます」などとして、別に示すこともできます。ただし原則として、最初の面接など、求職者と最初に接触する時点までに、すべての条件を明示すべきとされています。外国人の候補者には、面接の前に条件を書いた紙を渡しておくと、当日の説明が短くなります。

2024年4月に増えた3つの項目

2024年4月1日以降に求人を出す場合、次の3つの明示が必要になりました(厚生労働省)。

  • 従事すべき業務の変更の範囲
  • 就業の場所の変更の範囲
  • 有期労働契約を更新する場合の基準(通算契約期間または更新回数の上限を含む)

変更の範囲は、入社直後だけでなく、契約期間中の配置転換の見込みも含めて書きます。特定技能では、業務の範囲が在留資格で認められた業務区分の中に収まっているかも、あわせて確かめます。

特定技能で足す項目の根拠

特定技能の雇用契約の基準は、省令で定められています。報酬は、日本人が同じ仕事をする場合と同等以上にします。本人が一時帰国を希望したときは、必要な有給休暇を取れるようにします。外国人雇用管理指針は、国外に住む外国人を募集するときの考え方を示しています。渡航費用の負担や住居の確保などの条件を、あらかじめ明確にするよう努めることとしています。

特定技能の求人で条件を書くときの書き方:仕事内容・給与の記載例

よくない例に共通するのは、数字と内訳がないことです。候補者は求人票の数字をもとに家族と相談し、応募先を決めます。以下の数字はすべて例なので、自社の条件に置き換えてください。

記載例①:仕事内容・給与(よくない例→よい例、編集部作成)
項目よくない例よい例直すポイント
仕事内容食品の製造補助お弁当の盛り付けラインで、おかずを容器に入れる作業と、箱詰めをします。1日に1,200食をつくります(日によって変わります)。冷蔵室(温度は5℃)の作業が1日2時間あります作業・量・環境を書く
給与月給22万円〜基本給200,000円。皆勤手当5,000円。夜勤手当は1回3,000円です。日本人と同じ賃金表を使います内訳と、日本人と同じ基準であることを書く
固定残業代月給25万円(残業代込み)基本給210,000円。固定残業手当40,000円(残業があってもなくても、20時間分として払います)。20時間をこえた分は、別に払います基本給・時間数・金額・超過分の支払いを書く
手取りの目安(書いていない)手取りの目安は140,000円です。総支給205,000円から、税金・社会保険料(目安40,000円)と寮費25,000円を引いた額です。人や月によって変わります目安であることと計算の中身を書く
賞与・昇給賞与あり賞与は年2回です(昨年は基本給の1か月分)。昇給は年1回、4月です回数と実績を書く

固定残業代は3点セットで書く

固定残業代(一定時間分の残業代を定額で払う手当)を設けるなら、厚生労働省の資料が示す3点を書きます。

  • 手当を除いた基本給の額
  • 手当の名前と、残業の有無にかかわらず何時間分をいくら払うか
  • その時間をこえた残業には、別に割増賃金を払うこと

「残業代込み」の一言だけでは、手取りの計算ができません。

手取りの目安は「計算の中身」と一緒に書く

手取りは法律で明示が求められる項目ではありません。ただ、外国人の候補者が最も気にする数字の1つです。書くなら、総支給額から何を引いた額かを示し、「人や月によって変わります」と添えます。数字だけを書くと、税金が変わった月に「約束と違う」と受け取られるおそれがあります。

相談は無料です。条件に合う会社を最大3社までご紹介します。最終的に選ぶのは御社です。

勤務時間・契約・住まい・支援の記載例

給与以外の条件も、同じく「数字」と「誰が負担するか」で書きます。特に住まいと支援は、日本人向けの求人にはない項目なので、書き漏れが起きやすいところです。

勤務時間・休日

よくない例は「8:00〜17:00(残業あり)」です。よい例は「早番は午前6時から午後3時まで、遅番は午前10時から午後7時までです(休憩60分)。残業は1か月に平均10時間です。12月は25時間になることがあります。休みは1週間に2日(シフト制)、1年に105日です」。シフトの型、残業の平均と多い月、年間の休日数をそろえて書きます。

契約期間・更新

よくない例は「契約期間1年(更新あり)」です。よい例は「契約期間は1年です。更新があります。本人の希望と、出勤の状況で決めます。更新の回数の上限はありません。ただし、特定技能1号で働ける期間は、全部で5年までです」。更新の判断基準と上限の有無は、2024年4月からの明示事項です。

住まい

住まいは、写真を添えたうえで、広さ・家賃の計算・費用の負担を書きます。会社が住居を用意する場合、居室は1人あたり7.5㎡以上が必要です。会社が借りた部屋の家賃として本人から受け取れるのは、借りている費用を住む人数で割った額までです。この費用に、敷金・礼金・保証金・仲介手数料は含めません。

図2住まいの記載例:よくない例とよい例

よくない例

  1. 寮あり(格安)
  2. 職場から近い
  3. 家具・家電つき

広さ・家賃・同居の人数・通勤の方法が分からず、入社後に「思っていたのと違う」となりやすい書き方です。

よい例

  1. 会社が借りたアパート(2DK)に2人で住みます。自分の部屋は10㎡です
  2. 家賃は1人25,000円です(会社が払う家賃50,000円を2人で分けた額)。敷金・礼金は会社が払います
  3. 職場まで自転車で10分です。自転車は会社が貸します

広さ・費用の計算・通勤の方法が分かり、手取りの計算とも合います。

会社が借りた住居の家賃は、借りている費用を入居する人数で割った額までしか本人から受け取れません。出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(2025年4月1日改正)

一時帰国・渡航費・入社後の支援

よくない例は「各種サポートあり」です。よい例は「日本に来るときの飛行機代は会社が払います。国に一時帰国したいときは、有給休暇を使って帰れます。困ったことは、登録支援機関の担当者にベトナム語で相談できます。3か月に1回、担当者との面談があります」。支援の担当と言語は、契約する登録支援機関に確かめてから書きます。

求人票をやさしい日本語で書く7つのルール

求人票を外国人に読んでもらうなら、やさしい日本語で書きます。手本になるのは、出入国在留管理庁と文化庁の「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン」(2020年8月)です。書き言葉を分かりやすくする方法を、3つのステップで示しています。

図3やさしい日本語で書く3つのステップ

  1. 日本人にも分かりやすくする伝える情報を絞り、1文を短くします。3つ以上のことは箇条書きにします。
  2. 外国人にも分かりやすくする簡単な言葉に言い換え、漢字にふりがなを付けるなど、表記を工夫します。
  3. 伝わるか確かめる日本語教師や外国人に読んでもらい、分かりやすいかを確かめます。
求人票なら、3つ目は外国人社員や登録支援機関の通訳に読んでもらうのが早道です。出典:出入国在留管理庁・文化庁「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン」(2020年8月)

求人票で使う7つのルール

  • 1文に1つの情報だけを入れる。
  • 年は元号ではなく西暦で書く(「2027年4月」)。
  • 時刻は「午前」「午後」を付ける(24時間の書き方でもよい)。
  • 期間は「〜」ではなく「から」「まで」で書く。
  • 「ごろ」「くらい」など、あいまいな時間や数字の言い方を避ける。
  • 尊敬語・謙譲語を使わず、「です」「ます」でそろえる。
  • 二重否定や受身の文を使わない。ローマ字も使わない。

数字と単位をそろえる

求人票の数字は、書き方をそろえるだけで読み違いが減ります。お金は「200,000円」のように数字と「円」で書き、「20万」「月20」などの省略はしません。時間は「1か月に平均10時間」のように、期間の単位を必ず付けます。休みは「週休2日」ではなく「1週間に2日休み」と書き、毎週なのか、そうでない週があるのかまで書きます。広さは「10㎡」のように数字で書き、畳の数だけで示すのは避けます。「約」「くらい」を付けたくなったら、「4℃から6℃まで」のように幅で書けないかを考えます。

書き換えの例

「勤務開始日につきましては、ご相談の上決定させていただきます」は、「働き始める日は、あなたと相談して決めます」に。「残業がないわけではありません」は、「残業があります。1か月に平均10時間です」に直します。ガイドラインは、漢字にふりがなを付けた版とは別に、機械翻訳にかけやすい、ふりがなのない版も用意すると役立つとしています。翻訳した要約を添えるなら、日本語の求人票が正式な条件であることも書いておきます。やさしい日本語の考え方はやさしい日本語で伝えるの記事でも詳しく紹介しています。

特定技能の求人票に書いてはいけないこと

書いてはいけないことは、大きく2つに分かれます。法律で募集の条件にすることが原則として禁じられているものと、特定技能の基準で認められていない約束です。どちらも、悪気なく書いてしまう例が少なくありません。

  • 国籍の条件(「◯◯国籍の方のみ」)。職業安定法3条と外国人雇用管理指針の考え方に反します
  • 年齢の上限(「30歳まで」)。労働施策総合推進法9条で、例外に当たる場合を除き禁止されています
  • 性別の条件(「男性のみ」)。男女雇用機会均等法5条で、募集・採用の均等な機会が求められています
  • 保証金を預かる、途中で辞めたら違約金を払う、といった約束
  • 支援にかかる費用を本人に負担させる書き方(「支援費は給与から差し引きます」)
  • パスポートや在留カードを会社が預かる(取り上げる)という書き方
  • 実際と違う条件や、誤解を招く表示(「寮費無料」と書いて実際は差し引く、など)

図4求人票に書いてはいけないことと、その根拠

  • 国籍の条件職業安定法3条は、職業紹介などで国籍を理由に差別的な取扱いをしないことを定めています。外国人雇用管理指針も、求人で国籍による条件を付けないよう求めています。
  • 年齢の上限労働施策総合推進法9条により、募集・採用では年齢にかかわりなく均等な機会を与えます。例外は施行規則で6つに限られています。
  • 性別の条件男女雇用機会均等法5条により、募集・採用では性別にかかわりなく均等な機会を与えます。
  • 保証金・違約金・支援費・旅券特定技能の基準(省令など)で、保証金や違約金の契約、支援費の本人負担、旅券や在留カードの取り上げが認められていません。
求人票で条件にしてしまうと、その後の面接・契約・在留資格の手続きにも影響します。出典:e-Gov法令検索「職業安定法」(2026年10月確認)、e-Gov法令検索「労働施策総合推進法」(2026年10月確認)、e-Gov法令検索「男女雇用機会均等法」(2026年10月確認)、e-Gov法令検索「特定技能基準省令」(2026年10月確認)

特定技能の基準で認められていないこと

特定技能では、外国人本人から保証金を取ったり、違約金を定めたりする契約は認められていません(出入国在留管理庁)。支援の費用を、直接または間接に本人に負担させないことも、省令で求められています。外国人の旅券(パスポート)や在留カードを取り上げる行為は、受入れ機関になれない理由につながる不正行為として省令に挙げられています。求人票の段階でこうした書き方をしていれば、その後の手続きにも響きます。詳しくは特定技能外国人に負担させてはいけない費用と特定技能で会社がやってはいけないこと一覧をご覧ください。

書いてよいが、根拠が要ること

「日本語能力試験N3以上」のような日本語の条件は、法律で禁じられてはいません。ただし、特定技能1号の日本語の要件は、N4以上か国際交流基金日本語基礎テストの合格です。それを上回る条件を付けるなら、仕事で必要な理由を説明できるようにしておきます。必要がないのに高い条件を付けると、応募者が大きく減ります。

求人票の作り方の手順と、出したあとの確認

求人票は、採用基準表から書き起こし、法律の項目と特定技能の項目を埋め、やさしい日本語に直す、という順番で作ると漏れが出ません。初めてなら、半日あれば1枚目の原稿が作れます。

  1. 採用基準表から必須と歓迎を書き写す

    基準表の言葉をそのまま使い、年齢・国籍・性別の条件は入れません。

  2. 法律の項目と特定技能の項目を埋める

    この記事の表の11項目を上から埋めます。決まっていない項目は、決める担当と期限を書いておきます。

  3. 数字を入れ、やさしい日本語に直す

    給与の内訳、手取りの目安、寮費の計算、残業の平均を入れ、7つのルールで文を直します。

  4. 外国人社員か通訳に読んでもらう

    「何が分かりにくかったか」を聞き、直します。翻訳した要約を作るのもこの段階です。

  5. 求人を出し、最初の接触までに全項目を示す

    求人票に書ききれない条件は、最初の面接より前に書面で渡します。条件が変わったら、すぐに直します。

求人票の出し先

出し先は、ハローワーク、求人媒体、人材紹介会社などです。それぞれの手間と費用の違いは紹介会社を使わず特定技能人材を採用する方法で比べています。紹介会社を使う場合も、求人票の中身を決めるのは会社です。紹介会社が独自に作った案内文が、自社の求人票と食い違っていないかを確かめます。

求人票を見直すタイミング

職業安定法は、募集を行う者に、求人の情報を正確で最新の状態に保つことを求めています。給与の改定、寮の変更、シフトの変更があったら、その月のうちに求人票を直します。紹介会社に渡した求人票や、翻訳した要約も同時に直します。古い版が候補者の手元に残っていると、面接で「前に見た条件と違う」と言われます。

求人票の内容は、その後の書類につながる

求人票で示した条件は、雇用契約書と雇用条件書、支援計画、事前ガイダンスへと引き継がれます。雇用条件書には、出入国在留管理庁の参考様式(英語など10言語)があります。どこかで数字が変わると、本人にとっては「約束が違う」になります。書類の作り方は特定技能雇用契約書・雇用条件書の作り方、面接での確かめ方は特定技能の面接でミスマッチを防ぐで扱っています。

想定ケース:ビルクリーニング会社(従業員45人)の総務課長が求人票を書き直した理由

想定ケース(利用イメージ)について:この章は、特定技能の会社選びでよく寄せられる相談をもとに、編集部が場面を再構成した想定インタビューです。実在の企業・人物の発言ではありません。数値は公的資料にもとづく目安です。

  • 紹介会社を通じた応募が、2か月で3人から9人に増えた
  • 面接で条件の説明にかけていた時間が、1人30分から10分に短くなった
  • 入社した3人の、入社3か月の面談で「聞いていた話と違う」という声は0件だった

――求人票を書き直して、何が変わりましたか。

応募の数です。2か月で3人だったのが、同じ期間で9人になりました。面接も楽になりました。以前は条件の説明だけで30分かかっていたのが、いまは10分です。候補者が求人票を読んで、手取りや寮のことを分かったうえで来てくれるからです。

――特定技能の採用を始めた背景は。

オフィスビルの夜間清掃の人手が、5年ほど足りない状態でした。日本人の求人には、ほとんど応募がありません。ビルクリーニング分野の特定技能を使えると知り、紹介会社に相談しました。

――最初の求人票では、何に困っていたのですか。

日本人向けの求人票を、そのまま紹介会社に渡していたんです。「寮あり」「各種手当あり」「勤務時間応相談」。候補者から質問が山のように来ました。翻訳してもらうと、「寸志」が訳せなかったり、「応相談」が「何時間でも働ける」と伝わっていたり。書いた本人が、自分の求人票の意味を説明できない状態でした。

――書き直すときに、迷った点はありましたか。

手取りを書くかどうかで迷いました。人によって税金が違うので、書いた数字が約束になるのが怖かった。登録支援機関の担当者に相談したら、「計算の中身を書いて、目安だと添えればいい」と言われました。総支給から社会保険料と寮費を引いた計算式を載せたら、面接で手取りを聞かれることが、ほぼなくなりました。正直に中身を見せたほうが、かえって信頼されるんだと感じました。

――実際に書き直してみて、つまずいたことは。

敬語を抜くのが難しかったですね。「ご確認ください」を「見てください」と書くのに抵抗があって。でも、外国人社員に読んでもらうと、敬語の文は3回読んでも分からないと言われました。驚いたのは、清掃の現場の班長からも「日本人にも分かりやすくなった」と言われたことです。いまは条件を変えるたびに、同じ社員に読んでもらってから出しています。

――書き直しには、どれくらい時間がかかりましたか。

最初の1枚は、私と現場の班長で半日です。給与の内訳を経理に確かめたり、寮の広さを測り直したりで、思ったより手間がかかりました。2枚目からは、その1枚を土台に直すだけなので1時間もかかりません。紹介会社の担当者からは、「この求人票なら候補者に説明しやすい」と言われました。紹介会社の側でも、説明に使う時間が減ったそうです。

――これから求人票を書く会社に伝えたいことは。

求人票は、会社が候補者に出す最初の約束です。数字を入れるのは手間ですが、面接と入社後の説明の時間が減るので、結局は楽になりました。

相談は無料です。条件に合う会社を最大3社までご紹介します。最終的に選ぶのは御社です。

よくある質問

特定技能の求人票に書いてはいけないことは?

大きく5種類です。

  • 国籍・年齢の上限・性別などの条件
  • 保証金や違約金の約束
  • 支援費を本人に負担させる書き方
  • パスポートや在留カードを預かる書き方
  • 実際と違う条件

年齢は労働施策総合推進法9条、性別は男女雇用機会均等法5条、虚偽や誤解を招く表示は職業安定法5条の4に関わります。保証金・違約金・支援費の本人負担は、特定技能の基準で認められていません。

求人票は外国語で作らなければいけませんか?

求人票を外国語で作ることまでは、職業安定法では求められていません。ただし外国人雇用管理指針は、労働契約を結ぶときの書面について定めています。賃金や労働時間などの主要な条件を、本人が理解できるように示した書面を渡すことを求めています。求人の段階では、やさしい日本語の求人票に、母語に訳した要約を添える形が現実的です。契約の段階では、出入国在留管理庁の雇用条件書の参考様式が、英語・ベトナム語・インドネシア語など10言語で用意されています。

給与は日本人と同じにしなければいけませんか?

特定技能では、報酬を日本人が同じ仕事をする場合と同等以上にする必要があります。また、外国人であることを理由に、報酬の決定や教育訓練、福利厚生施設の利用で差別的な扱いをしないことも省令で定められています。求人票には「日本人と同じ賃金表を使います」と書き、内訳を示すと伝わります。

寮費は、いくらまで受け取れますか?

会社が借りた住居なら、借りている費用(管理費・共益費を含む)を入居する人数で割った額までです。敷金・礼金・保証金・仲介手数料は含めません。会社が持っている社宅なら、建てた費用や耐用年数、入居人数などから見て合理的な額にします。どちらの場合も、本人が内容を理解して合意していることが前提です。

手取りの金額は、求人票に書いたほうがいいですか?

法律で明示が求められる項目ではありませんが、書くことをおすすめします。外国人の候補者は、手取りで応募先を比べることが多いためです。書くときは「総支給から税金・社会保険料・寮費を引いた目安」のように計算の中身を示し、「人や月によって変わります」と添えます。

求人票に書いた条件を、内定後に変えてもいいですか?

変える場合は、変更後の内容をはっきり示す必要があります。職業安定法は、求人で示した労働条件を変えて契約するときに、変更の内容を明示することを求めています。示し方は書面が基本で、本人が希望すれば電子メールなども使えます。在留資格の許可後に雇用契約の内容を変えたときは、出入国在留管理庁への随時届出(事由が生じてから14日以内)が必要になることもあります。

海外にいる候補者向けの求人票では、何を足せばいいですか?

日本に来るまでと、来た直後のことを足します。足すのは次の4つです。渡航費を誰が負担するか。入国後すぐ住む部屋をどう用意するか。空港への出迎えがあるか。入国前にどんな説明(事前ガイダンス)があるか。1号の外国人には、出入国時の送迎や事前ガイダンスが義務的支援として定められています。その担当者と言語も書いておくと、候補者が応募を決めやすくなります。

求人票と雇用条件書は、どう使い分けますか?

求人票は募集の段階で条件を示すもの、雇用条件書は契約のときに条件を確定させるものです。特定技能では、出入国在留管理庁の参考様式(雇用条件書は第1-6号)を使うのが一般的です。求人票と数字がずれないよう、同じ担当者が両方を確かめます。作り方は雇用契約書・雇用条件書の作り方で解説しています。

この記事の編集方針と出典

  • 制度・数値は、出入国在留管理庁・厚生労働省・所管省庁・自治体などの公表資料で確認し、時点を書いています(確認日:2026年10月14日)。
  • 制度は改正されることがあります。申請の前に、必ず最新の公表資料で確認してください。
  • 「想定ケース」は、よくある相談をもとに編集部が再構成したもので、実在の企業・人物の発言ではありません。
  • 特定技能のりあい窓口は、掲載している人材紹介会社・登録支援機関から紹介手数料を受け取る場合があります。手数料の有無で、ご提案の順番や内容は変えません。
  • 誤りにお気づきの場合は、下のフォームからお知らせください。確認のうえ修正します。

出典

  1. 厚生労働省・都道府県労働局「労働者を募集する企業の皆様へ」(2026年10月確認)
  2. 厚生労働省「令和6年4月より、募集時等に明示すべき事項が追加されます」(2024年4月1日施行)
  3. e-Gov法令検索「職業安定法」(2026年10月確認)
  4. e-Gov法令検索「特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」(2026年10月確認)
  5. 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(2025年4月1日改正)
  6. 出入国在留管理庁・文化庁「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン」(2020年8月)
  7. 出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」(2026年10月確認)
  8. 出入国在留管理庁「特定技能制度」(2026年10月)
  9. 厚生労働省「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針(抄)」(2026年10月確認)
  10. e-Gov法令検索「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」(2026年10月確認)
  11. e-Gov法令検索「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」(2026年10月確認)

最終更新:(2026年10月版)

自社に合う会社を、最大3社まで比べてから相談しませんか

条件(分野・人数・国内か海外か・任せたい範囲)をお聞きし、合う人材紹介会社・登録支援機関を最大3社まで、同じ形式の比較表つきでご紹介します。どの会社とも契約しない、という選択でも構いません。

  • 相談は無料です。入力は3分ほどで終わります
  • 会社に順位は付けません。最終的に選ぶのは御社です
  • LINEからのご相談も受け付けています

    送信後の流れ:内容を確認し、担当者からメールでご連絡します。自動返信メールが届かない場合は、迷惑メールフォルダもご確認ください。お急ぎの方はLINEからどうぞ。

    ご入力いただいた情報は、お問い合わせへの回答と、ご希望に合う会社のご紹介のためにだけ使います。

    ページの先頭へ戻る