特定技能のりあい窓口

https://tokutei-noriai.blog/2026/10/15/juukyo-hiyou/ 印刷日:2026年10月15日

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  • 2026年10月版

特定技能外国人の住居費用|社宅・寮の家賃設定と本人負担のルール

住まいの確保は会社の支援、家賃は実費の範囲で本人。上限の計算と天引きの手続きを押さえる

特定技能の外国人に社宅や寮を用意したい。家賃はいくらまで本人に負担してもらえるのか、敷金・礼金は誰が払うのか、給与から天引きしてよいのか。住居の扱いを誤ると、「利益を得ている」と見られたり、本人との信頼を損ねたりします。この記事では、特定技能の住居費用について、住まいの基準(1人あたり7.5㎡以上)と、家賃を本人負担にするときの上限の考え方を、借り上げ住宅・自社の社宅の計算例で示します。費用の負担の分け方、寮費の天引きの手続き、税と社会保険の注意まで、出入国在留管理庁の運用要領などの公的資料で整理しました。

この記事の結論
  • 会社の義務は「住まいの確保の支援」:物件探しや保証人の支援、借り上げ、社宅の提供のどれかで、本人の希望に沿って支援します。Q&Aは、住居費用の負担までは求めないとしています。
  • 家賃の上限は「実費」:借り上げなら家賃(管理費・共益費を含む)を入居人数で割った額まで。敷金・礼金・仲介手数料などは上乗せできません。自社の社宅は、建設・改築費や耐用年数から合理的に説明できる額です。
  • 広さは1人7.5㎡以上:共同で住むなら、居室全体の面積を人数で割って確かめます。技能実習から同じ住まいに住み続ける人は、寝室が1人4.5㎡以上です。
  • 天引きには労使協定、説明には説明書:寮費を給与から差し引くには労使の書面協定が必要です。額の根拠は「徴収費用の説明書」で示します。家賃を安くしすぎると給与として課税される場合もあります。

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この記事の目次

結論:特定技能の住居費用は「確保の支援」が会社、家賃は実費の範囲で本人が基本

特定技能1号の外国人を雇う会社には、住まいの確保を支援する義務があります。ただし、家賃そのものを会社が持つ義務はなく、実費の範囲なら本人の負担にできます。

出入国在留管理庁のQ&Aは、住居の確保の支援は住居費用の負担まで求めるものではないとしています。本人が家賃を滞納し、会社が立て替えた分は、本人に請求して差し支えありません。会社が守るべきなのは、支援の中身と、本人から取る額の上限です。

図1住まいの3つの用意のしかたと費用のルール

  • 1本人の名義で借りる

    会社は物件探しに同行し、保証人の支援をします。適当な保証人がいなければ、会社が連帯保証人になるか、保証会社を使い会社が緊急連絡先になります。敷金・礼金は本人の負担が原則です。

  • 2会社が借り上げて貸す

    本人から取れるのは、家賃(管理費・共益費を含む)を入居人数で割った額まで。敷金・礼金・仲介手数料などは上乗せできず、会社が利益を得ることもできません。

  • 3自社の社宅・寮を貸す

    建設・改築にかかった費用(土地の費用を除く)、耐用年数、入居人数などから、合理的に説明できる額にします。日本人と同等の条件で貸します。

どの方法でも、本人の希望に沿って支援し、保証会社の保証料は会社側が負担します。出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(令和7年4月1日一部改正)、出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年10月)

物件の探し方や保証人の立て方は特定技能外国人の住居確保で、住居費を含む人件費の年額は特定技能外国人の人件費の総額で確かめられます。

住まいの基準:1人7.5㎡以上と、日本人と同等の扱い

住まいの広さは、1人あたり7.5㎡以上が求められます。何人かで住むときは、居室全体の面積を住む人数で割り、7.5㎡以上あるかを見ます。

図2広さの確かめ方(計算例)

  • 居室の合計20㎡に2人20÷2=10㎡ → 基準を満たす
  • 居室の合計20㎡に3人20÷3=約6.7㎡ → 基準を満たさない(2人までにする)
  • 居室の合計45㎡に6人45÷6=7.5㎡ → 基準ちょうど(1人増やすと満たさない)
  • 技能実習から同じ寮に住み続ける人寝室を1人4.5㎡以上 → 寝室の面積で確かめる
面積は架空の例です。どこまでを居室として数えるかは、委託先や地方出入国在留管理局に問い合わせておきます。出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(令和7年4月1日一部改正)

日本人の社員と同じ条件で

社宅や寮は、同じ仕事をする日本人と同等の条件で提供します。日本人の寮は月1万円なのに、外国人だけ2万円にする、といった差は付けられません。国の取り決めにも同じ考え方があります。ベトナムとの協力覚書(2019年署名)は、実費を超える住居費を本人に負担させないよう、日本側が受入れ機関に求めるとしています。

転居や離職のときも、支援は続く

住まいの確保の支援は、入社のときだけではありません。本人の都合による転居を除き、受け入れた後に転居するときも行います。離職が決まった後も、雇用契約がある間は支援が求められます。契約が終わった後に本人が帰国の旅費を払えないときの扱いは特定技能の帰国費用は誰が負担する?で整理しています。

特定技能の住居確保の費用は誰が払うか:項目別の負担表

住まいにかかる費用は、項目ごとに負担のルールが違います。とくに借り上げ住宅では、会社が払った初期費用を家賃に上乗せして回収できない点が、見落とされがちです。

図3住まいの費用の負担(用意のしかた別)

出入国在留管理庁の運用要領・Q&A・徴収費用の説明書にもとづく
費用本人の名義で借りる会社が借り上げる自社の社宅・寮
家賃(管理費・共益費を含む)本人(契約者)入居人数で割った額まで本人から徴収できる合理的に説明できる額を本人から徴収できる
敷金・礼金本人が原則(会社が任意に負担してもよい)会社(家賃に上乗せ不可)―
保証金・仲介手数料・更新手数料・途中解約金本人の賃貸借契約による会社(家賃に上乗せ不可)―
保証会社の保証料会社側会社側―
建設・改築の費用――額の計算に使う(土地の費用は除く)
水道光熱費本人(本人が契約)実際の請求額を使う人数で割った額まで実際の請求額を使う人数で割った額まで
物件探しの同行・入国時の送迎会社側(支援の費用)会社側(支援の費用)会社側(支援の費用)
「会社側」は、受入れ機関か、支援を任された登録支援機関が負担するという意味です。出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(令和7年4月1日一部改正)、出入国在留管理庁「徴収費用の説明書(参考様式第1-9号)」

本人の名義で借りるときの会社の役割

本人が借り主になる場合、会社は不動産会社の情報を伝え、物件探しに同行します。敷金・礼金は本人の負担が原則ですが、運用要領は、本人の希望や近隣の相場、報酬の額をふまえて、適切な住まいを確保できるよう支援することを求めています。払える家賃の目安を本人と一緒に確かめ、無理な物件を選ばせないことも支援のうちです。

借り上げでは「会社は損もしないが、得もしない」

会社が自ら借りて社宅として貸す場合、運用要領は、貸すことで経済的な利益を得てはならないとしています。上限の計算に含められるのは家賃と管理費・共益費だけで、敷金・礼金・保証金・仲介手数料・更新手数料・途中解約金などは含めません。入居者が減って1人あたりの額が上がるときも、上限を超えない範囲にします。

支援の費用は、家賃とは別に考える

物件探しに同行する人件費や、入国の日の送迎の実費は、義務的支援の費用です。支援の費用は、直接・間接を問わず本人に負担させられません。家賃の中にこうした費用を混ぜないよう、費目を分けて管理します。本人に負担させてはいけない費用の全体は特定技能外国人に負担させてはいけない費用で一覧にしています。

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特定技能の社宅の家賃は本人負担にできる:上限の計算例

本人から取れる家賃の上限は、借り上げか自社所有かで計算のしかたが違います。どちらも、上限より低く決めることはできますが、上限を超えてはいけません。

図4家賃の上限の計算式

借り上げの上限=家賃+管理費・共益費敷金・礼金・仲介手数料などは除く÷入居する特定技能外国人の人数

自社所有の目安=建設・改築の費用土地の費用は除く÷耐用年数年÷12か月÷入居人数

自社所有の式は、参考様式の記入例(2,550万円÷20年÷12か月÷1人≒106,250円)と同じ考え方です。出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(令和7年4月1日一部改正)、出入国在留管理庁「徴収費用の説明書(参考様式第1-9号)」

試算1:借り上げたアパートに2人で住む

家賃62,000円、共益費4,000円の部屋を会社が借り、2人が住むとします(数字は架空)。上限は(62,000円+4,000円)÷2人=1人33,000円です。会社が払った敷金・礼金・仲介手数料は、この額に足せません。

試算2:自社の寮を改築して3人で住む

改築に900万円(土地の費用を除く)かかり、耐用年数を15年と置いて3人が住むとします(数字は架空)。900万円÷15年÷12か月÷3人で、1人月約16,700円が目安です。耐用年数の置き方は根拠を説明できるようにし、税理士などに相談しておくと安心です。

試算3:水道光熱費を3人で分ける

会社が契約する電気・ガス・水道の請求が月18,000円で、3人が使うなら、1人6,000円までです(数字は架空)。本人が自分で契約する場合は、会社が徴収する費用にはなりません。

入居人数が変わったときの決め方を先に書く

借り上げの上限は入居人数で割るため、2人のうち1人が退去すると、残る人の上限は家賃の全額になります。上限の範囲でも、途中で額を上げるなら本人への説明と合意が欠かせません。「1人になっても額は変えない」など、人数が変わったときの扱いを、説明書や社宅の規程に最初から書いておくと揉めません。

安くしすぎると、税と社会保険に影響する

上限より安くするのは自由ですが、税の扱いが変わります。国税庁は、社宅を貸すときに「賃貸料相当額」の50%以上の家賃を受け取っていれば、差額は給与として課税されないとしています。無償で貸すと、賃貸料相当額の全額が給与として課税されます。社会保険でも、会社が提供する住宅は、厚生労働大臣が定める価額(都道府県別)で通貨に換算し、報酬に合算する決まりです。本人から受け取る家賃との関係は、年金事務所などに問い合わせます。本社でまとめて手続きしている会社も、支店などで働く人には、その支店がある都道府県の価額を使います。

国税庁の「賃貸料相当額」は、建物と敷地の固定資産税の課税標準額などから計算し、借り上げ住宅でも同じ式を使います(課税標準額は貸主に聞きます)。現金で払う住宅手当や、本人が直接契約した部屋の家賃を会社が負担する形は、社宅の貸与とは認められず、給与として課税されます。

特定技能の寮費を給与から天引きするときの手続き

寮費を給与から差し引くには、労働者の過半数で組織する労働組合(ない場合は過半数代表者)との書面の協定が必要です。労働基準法24条は、賃金を全額払うことを原則とし、税や社会保険料など法令の定めがあるもの以外は、協定がなければ差し引けないとしています。

本人に示す書類

食費や居住費、水道光熱費などを本人から取る場合は、「徴収費用の説明書」(参考様式第1-9号)を使います。額が実費に相当する額その他の適正な額であることを、この書面で説明します。説明書には費目ごとの月額と根拠を書く欄があり、申請人の署名欄も付いています。雇用条件書(参考様式第1-6号)には、英語・ベトナム語・インドネシア語など10言語の版があり、控除の説明にも使えます。

  • 寮費・水道光熱費の控除について結んだ労使協定(書面)
  • 徴収費用の説明書(費目ごとの月額と計算の根拠、本人の署名)
  • 本人が分かる言語の雇用条件書
  • 借り上げなら賃貸借契約書、自社所有なら改築費と耐用年数の資料
  • 水道光熱費の請求書の控え(人数で割った根拠)

寮で食事を出すなら、食費も同じ考え方

食費を取る場合も、実費が基準です。社員食堂なら特定技能外国人以外の従業員と同じ額、配食や食材の提供なら購入価格が目安になります。参考様式の記入例は、昼食500円×月約20日で月約1万円としています。寮費と食費をまとめて「生活費」として取ると根拠が見えなくなるため、費目を分けます。

説明は、契約の前と入居の前に

住まいの条件は、在留の申請の前に行う事前ガイダンスで伝える項目の1つです。給与明細には、家賃・水道光熱費を分けて書くと、本人が毎月確かめられます。控除の書き方や支払い方法のルールは外国人社員の賃金の支払い方法で説明しています。

家賃を決める7つの手順

家賃は「先に額を決めて後から説明する」と、根拠が合わずにやり直しになります。次の順で、根拠から額を決めます。

図5特定技能外国人の家賃を決める手順

  1. 住まい方を本人と決める

    本人名義で借りるか、借り上げか、自社の寮かを、本人の希望を聞いて決めます。

  2. 広さを確かめる

    居室の面積を人数で割り、1人7.5㎡以上あるかを計算します。足りなければ人数か部屋を見直します。

  3. 上限額を計算する

    借り上げは家賃と管理費・共益費を人数で割り、自社所有は改築費・耐用年数・人数から計算します。

  4. 実際の家賃を決める

    上限以下で、同じ寮の日本人社員と同じ条件にします。

  5. 税と社会保険を確かめる

    賃貸料相当額の50%を下回らないか、社会保険の報酬にどう入るかを、税理士や年金事務所に確認します。

  6. 協定と説明書を用意する

    天引きの労使協定を結び、徴収費用の説明書に費目と根拠を書きます。

  7. 本人に説明し、合意を得る

    事前ガイダンスで本人の分かる言語で説明し、署名をもらいます。入居後は電気・水道の契約や住居地の届出を支援します。

手順3と5で、上限と下限の両方を先に押さえるのがこつです。出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(令和7年4月1日一部改正)、国税庁「No.2597 使用人に社宅や寮などを貸したとき」(令和8年4月1日現在法令等)

住居費用でよくある失敗

住まいの失敗は、悪意よりも「日本人の寮と同じ感覚」で進めたときに起こります。次のどれかに当てはまったら、契約の前に直します。

  • 借り上げ住宅の敷金・礼金や仲介手数料を、家賃に上乗せして回収する
  • 相場の家賃を取り、会社が実際の家賃との差額で利益を得る
  • 保証会社の保証料を本人に払わせる
  • 1部屋に人を詰め込み、1人7.5㎡を下回る
  • 労使協定を結ばずに、寮費を給与から差し引く
  • 退去のときの清掃費などを、説明も合意もないまま給与から差し引く
  • 家賃を無料にしたのに、税と社会保険の扱いを確かめていない

家賃は年に1回見直す

水道光熱費の請求額や、借り上げの家賃が変われば、上限も変わります。年に1回、実際の請求額と入居人数から上限を計算し直し、徴収費用の説明書を更新します。額を変えるときは、本人に説明して合意を得てから変えます。

住まいの困りごとを聞く場を決めておく

住まいの不満は、仕事の不満より口に出しにくいものです。1号の支援では、3か月に1回以上の定期面談が義務になっています。面談で聞く項目に、騒音、設備の故障、同居人との関係など住まいのことを入れておくと、退職につながる前に手を打てます。

海外から呼ぶ場合は、入国の日から住める状態にしておく必要があります。住まいの立ち上げを含む初期費用の全体は海外から特定技能人材を呼ぶ費用で確かめられます。

入居の準備と、登録支援機関に確かめること

住まいが決まったら、入居の前後に必要な支援をそろえます。電気・ガス・水道や携帯電話、銀行口座の契約は「生活に必要な契約の支援」として、必要な書類や窓口を案内し、必要に応じて同行します。住居地の届出などの役所の手続きにも、必要に応じて同行し、書類づくりを手伝います。

入居前後のチェックリスト

  • 居室の面積を人数で割り、1人7.5㎡以上であることを記録に残した
  • 家賃・水道光熱費・食費の額と根拠を、徴収費用の説明書に書いた
  • 天引きの労使協定を、雇い入れの前に結んだ
  • 電気・ガス・水道の契約者を、会社にするか本人にするか決めた
  • 鍵の扱い、ごみの出し方、騒音などの生活のルールを、本人の言語で伝える段取りをつけた
  • 住居地の届出に同行する日を決めた

委託先に聞く4つの質問

  • 物件探しの同行や保証人の支援は、委託費のどこに含まれていますか。
  • 会社が借り上げる場合、上限の計算と説明書の作成を手伝ってもらえますか。
  • 入居後の困りごと(騒音や設備の故障など)に、本人の言語で対応できますか。
  • 退去のときの立ち会いや、次の住まい探しの支援はどうなりますか。

支援を任せても、本人から取る額を決め、協定を結ぶのは会社です。紹介会社と登録支援機関を別々に頼むなら、住まいの準備をどちらが担うかを先に決めます。分担の決め方は紹介会社と登録支援機関を別々に選ぶときの注意点で整理しています。

想定ケース:トラック運送会社(従業員8人)の専務が、自社の家を寮にして家賃を決めた方法

想定ケース(利用イメージ)について:この章は、特定技能の会社選びでよく寄せられる相談をもとに、編集部が場面を再構成した想定インタビューです。実在の企業・人物の発言ではありません。数値は公的資料にもとづく目安です。

トラック運送会社の専務取締役(60代)に、特定技能の運転者2人のために自社の家を寮に改築し、家賃を決めるまでを聞きました。

  • 家賃の上限を計算書で示し、2人とも1回の説明で家賃(1人月15,000円)に合意した
  • 改築した寮で、1人あたりの居室を約10㎡とり、基準の7.5㎡を上回った
  • 家賃と水道光熱費の天引きの労使協定を、雇い入れの前に結べた

――寮を用意して、何が変わりましたか。

2人とも営業所から歩いて5分の寮に住んでいます。入国してしばらくは、日本の運転免許を取るための準備の在留資格(特定活動、トラックは最長6か月)で、寮から教習所に通いました。乗務を始めてからは、早朝の出庫に遅れたことがありません。家賃は1人月15,000円で、計算書を見せて1回の説明で納得してもらえました。入居から1年、家賃や光熱費のことで揉めたことは一度もありません。

――なぜ自社の家を寮にしたのですか。

うちは8人の会社で、運転手の高齢化が進み、求人を出しても若い人が来ません。特定技能で2人を迎えると決めたものの、近くのアパートは単身の外国人だと保証会社の審査に時間がかかると聞きました。先代が住んでいた家が空いていたので、改築して寮にすることにしたんです。

――家賃を決めるとき、何に困りましたか。

いくら取っていいのか、まったく分かりませんでした。周りの相場で3万円と考えていたら、登録支援機関の担当者に「自社所有なら、改築費と耐用年数と人数から説明できる額です」と言われて。計算すると、改築費が約480万円、耐用年数を10年と置いて2人で割り、上限の目安は1人2万円でした。相場で決めていたら、説明できない額を取るところでした。

――最終的に15,000円にした決め手は。

上限より安くするのは自由だと聞き、迷いました。安すぎると給与として課税される場合があると知り、税理士に賃貸料相当額を出してもらい、その半分を下回らないことを確かめたうえで15,000円にしました。担当者が都合のいい数字だけでなく、根拠の資料をそろえる手順まで教えてくれたので、こちらも腹を決められました。

――進めてみて、つまずいた点はありますか。

天引きの労使協定です。小さな会社なので、協定が要ると知らずに給与から引くつもりでした。社員の過半数の代表を選んでもらい、雇い入れの前に書面で結びました。もう1つは部屋割りで、最初は3人入れる計画でしたが、居室の面積を割ると7.5㎡を下回るので2人にしました。水道光熱費は会社の名義のまま、毎月の請求を2人で割って差し引いています。ごみの分別は、入居の日に地域の分別表を一緒に見て説明しました。

相談は無料です。条件に合う会社を最大3社までご紹介します。最終的に選ぶのは御社です。

よくある質問

特定技能の家賃はいくらまで本人負担にできる?

実費に相当する額その他の適正な額までです。会社が借り上げた住宅なら、家賃(管理費・共益費を含む)を入居する特定技能外国人の人数で割った額が上限で、敷金・礼金・仲介手数料などは含めません。自社所有の住宅なら、建設・改築の費用(土地の費用を除く)、耐用年数、入居人数などから合理的に説明できる額です。額の根拠は「徴収費用の説明書」で本人に示します。

敷金・礼金は誰が払いますか?

本人の名義で借りる場合は、本人の負担が原則で、会社が任意に負担することもできます。会社が借り上げる場合は会社の負担で、家賃に上乗せして本人から回収することはできません。保証会社を使う場合の保証料は、どちらの場合も会社側が負担します。

家賃を無料にしてもよいですか?

特定技能の制度が定めているのは、本人から取る場合の上限です。無料にすることを禁じる定めは、確認できた資料にはありません。ただし国税庁は、社宅を無償で貸すと賃貸料相当額の全額が給与として課税されるとしています。社会保険でも、会社が提供する住宅は報酬に合算されます。無料にする前に、税理士や年金事務所に相談してください。

社宅ではなく、住宅手当を払う形にしてもよいですか?

本人の名義で借りてもらい、会社が手当を払う形もあります。ただし国税庁は、現金で払う住宅手当を社宅の貸与とは認めず、給与として課税するとしています。手当の額や条件は、同じ仕事をする日本人の社員と同等にします。

家具や家電の使用料を取ってもよいですか?

定期的に取る費用は、徴収費用の説明書の「その他」の費目として、本人が受ける利益の内容と、額が適正であることを説明して合意を得ます。根拠を説明できない額は取れません。会社が買った家具・家電の代金を、そのまま本人に負わせる形は避けます。

日本人の社員と同じ部屋(相部屋)にしてもよいですか?

居室全体の面積を住む人数で割って1人7.5㎡以上あり、本人の希望に沿っていることが前提です。住まいの確保の支援は、本人の希望にもとづいて行うものとされています。費用の条件は、同じ部屋に住む日本人の社員と同じにします。

住まいの支援を登録支援機関に任せた費用を、家賃に含めてよいですか?

含められません。物件探しの同行や保証人の支援などは義務的支援で、その費用は直接・間接を問わず本人に負担させられません。委託費は会社が払い、家賃とは分けて管理します。

本人が家賃を滞納したら、どうすればよいですか?

Q&Aは、会社が立て替えた家賃を本人に請求して差し支えないとしています。給与から差し引くなら、労使協定の範囲で、本人に説明したうえで行います。滞納の背景に生活の困りごとがないか、面談で聞いてみることも大切です。

退職や転職で寮を出るときの費用は、どう決めておけばよいですか?

退去のときに本人から取る費用があるなら、入居の前に費目と額の決め方を書面で示し、合意を得ておきます。説明も合意もない費用を給与から差し引くことはできません。離職が決まった後も、雇用契約がある間は住まいの確保の支援が求められます。

この記事の編集方針と出典

  • 制度・数値は、出入国在留管理庁・厚生労働省・所管省庁・自治体などの公表資料で確認し、時点を書いています(確認日:2026年10月14日)。
  • 制度は改正されることがあります。申請の前に、必ず最新の公表資料で確認してください。
  • 「想定ケース」は、よくある相談をもとに編集部が再構成したもので、実在の企業・人物の発言ではありません。
  • 特定技能のりあい窓口は、掲載している人材紹介会社・登録支援機関から紹介手数料を受け取る場合があります。手数料の有無で、ご提案の順番や内容は変えません。
  • 誤りにお気づきの場合は、下のフォームからお知らせください。確認のうえ修正します。

出典

  1. 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(令和7年4月1日一部改正)
  2. 出入国在留管理庁「徴収費用の説明書(参考様式第1-9号)」(2026年10月確認)
  3. 出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年10月)
  4. 出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」(2026年8月20日更新)
  5. e-Gov法令検索「特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」(2026年10月時点)
  6. e-Gov法令検索「労働基準法」(2026年10月時点)
  7. 国税庁「No.2597 使用人に社宅や寮などを貸したとき」(令和8年4月1日現在法令等)
  8. 日本年金機構「全国現物給与価額一覧表(厚生労働大臣が定める現物給与の価額)」(2026年3月19日更新)
  9. 出入国在留管理庁掲載「日・ベトナム協力覚書(英文)」(2019年5月署名)

最終更新:(2026年10月版)

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