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特定技能外国人の一時帰国と有給休暇|配慮義務と運用のコツ
「必要な有給休暇を取得させる」は雇用契約の基準。休暇の計画、長い帰国の扱い、帰国中と退職時のお金を先に決めておく
文・構成:特定技能のりあい窓口 編集部最終更新:情報の確認日:(数値ごとに時点を記載)出典:公的機関の公表資料(ページ末尾に一覧)
特定技能の外国人から「一時帰国したい」と相談されると、迷うことがいくつもあります。何日まで認めるか、繁忙期は時期を変えてもらえるか、航空券代は会社が出すのか。特定技能の雇用契約には、本人が一時帰国を希望したら必要な有給休暇を取得させる、という基準があります。この記事では、特定技能の一時帰国について、配慮の考え方と年次有給休暇のルール、入社から3年間の休暇計画の例を示します。あわせて、長期の帰国で気をつける在留期間と届出、帰国中の給与や社会保険料、帰国による退職時の最終給与の支払いを整理します。
- 一時帰国の希望には「必要な有給休暇」を:基準省令は、雇用契約で一時帰国を希望した場合に必要な有給休暇を取得させると定めています。雇用条件書の記載例は、年休とその他の休暇の範囲内で取得させる形です。
- 年休は6か月で10日、計画は1年単位で:繁忙期に時季を変えてもらえるのは、事業の正常な運営を妨げる場合だけです。3か月前の申出など、社内のルールを先に決めておきます。
- 長い帰国は在留と届出に影響する:一時帰国中も1号の通算5年に含まれます。みなし再入国許可は出国から1年(在留期限が先ならその日)まで。1か月以上働けない場合の届出は、入管に事前に確かめます。
- お金は「誰が払うか」を書面で:一時帰国の航空券代を会社が負担する義務は基準にありません。無給の休暇中も社会保険料はかかるため、本人負担分の精算方法を帰国前に決めます。
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この記事の目次
特定技能の一時帰国は「必要な有給休暇を取得させる」が基準
特定技能の外国人が一時帰国を希望したら、会社は必要な有給休暇を取得させる必要があります。これは基準省令が定める、特定技能の雇用契約の基準の1つです。何日を、どの休暇で取らせるかの具体的な決め方は、雇用条件書や就業規則で会社が定めます。だからこそ、年休の計画と長い帰国のルールを、先に決めておくことが会社と本人の両方を守ります。
図1数字で見る一時帰国のルール
- 10日6か月勤務で付く年休全労働日の8割以上の出勤が条件
- 1年みなし再入国許可の期限在留期限が先に来るならその日まで
- 5年1号の通算在留期間一時帰国で出国中の期間も含まれる
- 連続5日以上助成金の一時帰国休暇制度年1回以上取れる有給休暇の制度
雇用条件書には、どう書かれているか
出入国在留管理庁の雇用条件書(参考様式第1-6号)の記載例は、休暇の欄に「一時帰国休暇」の項目を設けています。書き方は「一時帰国を希望した場合は、上記1及び2の範囲内で必要な休暇を取得させることとする」。1は年次有給休暇、2はその他の休暇(有給・無給)です。年休に加えて、どんな休暇を用意するかを会社が決めて書く形になっています。
定期面談でも確かめられる
3か月に1回以上の定期面談の報告書には、「休日、休暇等が適切に付与されていること(一時帰国休暇を含む。)」という確認項目があります。本人が希望を言い出せずにいないかを、面談のたびに聞く仕組みです。休暇の希望は、この場で早めに聞き取っておくと計画が立てやすくなります。将来の希望も同じ場で聞いておけば、休暇の計画と合わせて考えられます(キャリアアップの記事)。
特定技能の有給と一時帰国:年次有給休暇の基本ルール
一時帰国の中心になるのは年次有給休暇です。特定技能の外国人にも、日本人と同じく労働基準法の年休のルールが適用されます。雇入れから6か月続けて勤務し、全労働日の8割以上出勤すると10日。その後は1年ごとに増えていきます。
| 勤続期間 | 付与日数 | 一時帰国の計画で見ること |
|---|---|---|
| 6か月 | 10日 | 初めての一時帰国は、このあとが現実的 |
| 1年6か月 | 11日 | 前年の残りと合わせて使える |
| 2年6か月 | 12日 | 在留期間の更新時期と重ならないか確かめる |
| 3年6か月 | 14日 | 2号・資格取得など将来の予定と合わせて考える |
| 4年6か月 | 16日 | 通算5年の満了時期を見ながら計画する |
繁忙期に変更できるのは「事業の正常な運営を妨げる場合」
年休は、本人が請求した時季に与えるのが原則です。会社が別の時季に変えてもらえるのは、事業の正常な運営を妨げる場合に限られます(労働基準法第39条第5項)。「忙しいから一時帰国はだめ」と断ることはできず、できるのは別の時季に取ってもらうことです。早めに希望を聞き、シフトを組み替えるほうが現実的です。
年5日の取得義務と、計画的付与
年休が10日以上ある人には、そのうち5日を、付与した日から1年以内に会社が時季を決めて取らせる義務があります。本人が自分で取った日数は、この5日から差し引けます。また、労使協定を結べば、5日を超える部分を計画的に割り振れます。一時帰国の日を年休の取得日として計画に組み込むと、取得義務と帰国の希望を同時に満たせます。
使わなかった年休と、有給中の賃金
労働基準法では、賃金以外の請求権は2年で時効になります(第115条)。使わなかった年休は翌年に繰り越せるので、2年分をまとめて一時帰国に使う計画も立てられます。年休中の賃金は、就業規則などの定めにより、平均賃金か、所定の時間働いた場合の通常の賃金などで支払います。
一時帰国の休暇への配慮:会社が決めておく4つのルール
一時帰国の相談でもめるのは、ルールがないまま、そのつど判断する会社です。次の4つを就業規則や社内の決まりにしておけば、本人も計画を立てやすくなります。数字は編集部の例です。
図2一時帰国の休暇で決めておく4つのルール(編集部の例)
- 1申出の時期
「帰国の3か月前までに相談、2か月前までに申請」など。シフトの調整と航空券の手配に間に合う期間にします。
- 2連続して休める日数
年休に、その他の休暇(有給・無給)をどこまで足せるか。往復の移動日を含めて考えます。
- 3年休が足りないとき
入社6か月未満や、年休を使い切ったときの扱い。前倒しの付与、特別休暇、無給休暇のどれにするか。
- 4重なったときの調整
同じ時期に複数の人が希望したときの順番の決め方。毎年の交代制などを決めておきます。
日本人社員とのバランスも考える
労働基準法第3条は、国籍を理由に労働条件で差別的な取扱いをすることを禁じています。外国人だけ年休を取りにくくするのはもちろん、外国人だけを極端に優遇しても職場に不満が残ります。「海外に住む家族に会うための連続休暇」のように、国籍を問わず使える仕組みにしておくと、日本人社員にも説明しやすくなります。
国によっては、出国の手続に日数がかかる
本人の国の手続も計画に入れます。出入国在留管理庁の解説資料によると、フィリピンに一時帰国した人は、日本へ戻る前にOECという出国用の証明書が必要です。ネパールに一時帰国する場合も、海外労働許可を取る必要があるとされています。最新の手続は大使館などで本人が確かめ、その日数を休暇に見込んでおきます。
助成金の「一時帰国休暇制度」も選択肢
一時帰国の休暇は、厚生労働省の人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)にも関係します。2026年10月1日以降に計画を出す場合、雇用労務責任者の選任と就業規則などの多言語化で20万円です。これに一時帰国のための休暇制度を加えると25万円になります。休暇制度は、1年に1回以上、連続5日以上の有給休暇を取れるものを就業規則などに定めて運用することが条件です。離職率などの要件もあるので、計画の前に労働局で確かめてください。
ルールは本人が分かる言葉で書面にする
決めたルールは、就業規則に書くだけでなく、本人が分かる言語ややさしい日本語の1枚にまとめて渡します。「いつまでに、誰に、何を出すか」を具体的に書き、申請の用紙も同じ言葉でそろえます。書き方のこつはやさしい日本語の記事で紹介しています。
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一時帰国の年間計画:入社から3年間の休暇カレンダー例
一時帰国は、1年単位で計画すると無理がありません。年休が付く時期、在留期間の更新、定期面談の時期を1枚の予定表にまとめておきます。下の図は、入社した月を起点にした編集部の例です。
図3入社から3年間の休暇と手続の予定(例)
- 希望を聞く面談
年休はまだありません。いつごろ帰りたいか、家族の予定を最初の面談で聞きます。
- 年休10日が付く年休
8割以上の出勤が条件です。ここから1年以内に5日を取らせる義務が始まります。
- 初めての一時帰国休暇
年休を中心に、移動日を含めて計画します。帰国前にみなし再入国許可の条件を説明します。
- 年休11日が付く年休
前年の残りは繰り越せます。使わない年休は2年で時効です。
- 2回目の一時帰国休暇
在留期限が近い時期は避け、更新の申請と重ならないようにします。
- 将来の希望を確かめる面談
通算5年の後をどうするかを話します。介護なら介護福祉士を取り、在留資格「介護」に移る道もあります。
| 時期 | 会社がすること | 本人にしてもらうこと |
|---|---|---|
| 3か月前 | 希望の日程を聞き、シフトの案を作る | 家族の予定と、国の出国手続を確かめる |
| 2か月前 | 休暇の種類(年休・特別休暇・無給)と日数を決め、書面で渡す | 航空券を手配する |
| 1か月前 | 在留カード・旅券の期限、みなし再入国許可の条件、帰国中の給与と保険料を説明する | 旅券と在留カードの期限を確かめる |
| 1週間前 | 緊急連絡先と、戻る日・出勤日を確かめる | 仕事の引き継ぎをする |
| 戻った後 | 体調と、帰国中の困りごとを聞く | 出勤の予定どおりに戻ったことを伝える |
年間の人件費の中で一時帰国をどう見込むかは人件費の総額の記事で解説しています。
一時帰国の費用は会社負担か:航空券・帰国中の給与・社会保険料
一時帰国の往復の航空券代を、会社が負担する義務は基準にありません。基準省令が会社の負担として定めているのは、雇用契約が終わった後に、本人が帰国の旅費を負担できない場合の帰国旅費です。会社が任意に旅費を補助するのは自由ですが、その場合も条件を書面にしておきます。
図4一時帰国にかかるお金:誰が何を負担するか
- 往復の航空券本人の負担が基本。会社の補助は任意です。送出国の法令で費用負担の定めがある場合もあるため、大使館などで確かめます。
- 年休の日の給与会社が支払います。平均賃金か、所定の時間働いた場合の通常の賃金などで、就業規則の定めによります。
- 無給休暇の日の給与無給の休暇として合意した日は、給与は支払われません。給与の支払日には、それまでに働いた分を通常どおり振り込みます。
- 社会保険料在籍中は通常どおりかかります。日本年金機構が案内する保険料の免除は、産前産後休業と育児休業等の期間です。
無給の月の社会保険料は、精算の方法を先に決める
健康保険と厚生年金の保険料は、会社が本人負担分も合わせて納める義務を負います。無給の休暇が長く、給与から本人負担分を差し引けない月が出そうなら、戻った後にどう精算するかを帰国前に書面で決めておきます。給与からの控除は法令か労使協定がある場合に限られるため、方法は社会保険労務士などに確かめると安心です。住民税の天引きができない月の扱いは、市区町村に確認します。
旅費を補助するなら、決めておくこと
一時帰国の旅費を会社が補助する場合は、対象になる人(勤続の期間など)、上限の額、年に何回までかを書面で決めます。注意したいのは、「辞めたら補助を返す」という約束です。労働基準法第16条は、違約金や損害賠償の額を予定する契約を禁じています。特定技能の基準も、受入れ機関が違約金を定める契約を結ぶことを認めていません。返還の条件を付けるなら、事前に専門家に確かめましょう。補助は、定着のための投資と考えるのが現実的です(定着率を上げる方法)。
帰国中の給与の支払日
賃金は毎月1回以上、決まった日に、全額を支払うのが原則です。本人が日本にいなくても、給与の支払日は変わりません。給与明細をどう受け取るか(メールなど)も、帰国前に決めておきます。詳しい費用の分け方は帰国費用の記事で整理しています。
長期の一時帰国・欠勤の扱い:1か月・3か月・1年の線
家族の病気などで、年休を超える長い帰国を相談されることがあります。認めるかどうかを判断する前に、在留と届出に関わる3つの線を知っておきます。
図5長い帰国で気をつける3つの線
- 1か月以上許可後に1か月以上活動できない事由が生じた場合は、受入れ困難に係る届出(参考様式第5-14号を添付)の対象になります。一時帰国が当たるかは入管に事前に確認
- 3か月以上正当な理由なく3か月以上、特定技能の活動を行っていないと在留資格が取り消されることがある
- 1年みなし再入国許可は出国から1年、在留期限が先ならその日まで。海外では延長できず、超えるなら出国前に再入国許可を取る
通算5年は、帰国中も進む
出入国在留管理庁のQ&Aは、1号の在留資格を持っている限り、再入国許可で出国している間も通算在留期間に含まれるとしています。長い帰国は、その分だけ日本で働ける期間を減らします。本人がそれを分かったうえで選べるよう、残りの期間を数字で示しましょう。なお、産前産後休業・育児休業や、病気・けがで連続1か月を超えて休んだ期間などは、休業の際に会社が遅滞なく受入れ困難の届出をしておき、通算5年の満了前に申し出れば、通算から除ける場合があります。申出は、通算5年が満了する3か月前から満了までの間に、申立書と資料を出して行います。
一時帰国のために、いったん退職する場合
一時帰国を理由に、雇用契約をいったん終える場合もあります。本人の自己都合による退職なら、受入れ困難に係る届出は要りません。雇用契約の終了の届出を14日以内に出します。それ以外の事由なら、契約の終了が見込まれた時点で受入れ困難に係る届出が必要です。支援の委託契約も終わるなら、その届出も必要になります。
予定の日に戻らないとき
まずは本人と、緊急連絡先に登録した家族に連絡します。病気や交通の事情で遅れているなら、新しい出勤日と理由を記録します。連絡がつかず、行方が分からない場合は、速やかに受入れ困難に係る届出を出します。行方不明が判明した際の状況説明書(参考様式第5-15号)も付けます。
長い帰国を認める前に確かめる5つのこと
- 帰国の理由と、戻る予定日(未定なら、いつ決まるか)
- 在留期限と、みなし再入国許可で戻れる期限
- 休暇の内訳(年休・特別休暇・無給休暇)と、その書面
- 1か月以上になる場合の届出の要否(地方出入国在留管理局に確認)
- 帰国中の連絡方法と、社会保険料の精算方法
帰国による退職と、最終給与の支払い
一時帰国のつもりが、そのまま退職になることもあります。帰国による退職では、給与・保険・届出・帰国の手続が短い期間に集中します。次の順番で進めると抜けがありません。
- 退職日と最終出勤日を決める
出国日から逆算し、退職日、最終出勤日、残った年休の使い方を本人と決めます。
- 最終給与と金品を清算する
本人から請求があれば、7日以内に賃金を支払い、本人の金品を返します(労働基準法第23条)。控除は法令か労使協定がある場合に限られます。
- 保険料と住民税を差し引く
月末に退職するなら、前月分と退職月分の2か月分の社会保険料を最後の給与から控除できます。住民税は、本人の申出により残りを一括で差し引けます。総務省の説明では、1月〜5月の退職は一括徴収になります。
- 入管とハローワークに届け出る
雇用契約の終了の届出を14日以内に出します。雇用保険の資格喪失届は、離職日の翌日から10日以内です。
- 帰国旅費と出国の手伝い
本人が帰国旅費を負担できないときは会社が負担し、円滑な出国のための措置をとります。出国時は空港の保安検査場の前まで同行します。
- 脱退一時金と口座の解約を案内する
脱退一時金は、日本に住所がなくなってから2年以内に請求できます。使わない口座は出国前に解約するよう伝えます。
退職の申出から出国までが短いとき
退職の申出から出国まで2週間しかない、ということもあります。まず、残った年休を退職日までに使うか、最終出勤日をいつにするかを決めます。最終給与は、本人の請求があれば7日以内に払えるよう準備します。住民税と社会保険料の控除額を先に計算し、最後の給与明細を本人と一緒に確かめておくと、出国後の問い合わせが減ります。
最後の給与の支払日が出国の後になるなら、どの口座に、いつ、どの通貨で払うかを、出国前に本人と書面で決めます。外国人雇用管理指針は、帰国前に脱退一時金の制度と、受け取ると将来の年金に影響することを説明するよう求めています。
想定ケース:特別養護老人ホーム(従業員15人)の施設長が、一時帰国のルールを作った理由
想定ケース(利用イメージ)について:この章は、特定技能の会社選びでよく寄せられる相談をもとに、編集部が場面を再構成した想定インタビューです。実在の企業・人物の発言ではありません。数値は公的資料にもとづく目安です。
- 2人とも毎年1回、移動日を含めて連続9日の一時帰国を取れるようになった
- 一時帰国によるシフトの欠員は、ルールを作ってからの2年間で0日
- 父親の入院で5週間帰国した1人も、予定どおりに職場へ戻った
――ルールを作って、何が変わりましたか。
一時帰国の相談が「もめごと」ではなく「予定」になりました。介護分野の特定技能で2人が働いています。職員15人の施設なので、1人が2週間抜けると夜勤が回りません。今は2人とも、毎年1回、移動日を含めて9日の帰国を取っています。
――最初の相談は、どんなものでしたか。
入職して8か月ほどのころ、母国の正月に合わせて3週間帰りたい、と言われました。それも出発の3週間前です。夜勤の組み替えが間に合わず、つい「無理です」と答えてしまいました。本人はその後、しばらく元気がありませんでした。家族が1年でいちばん集まる時期だったと知ったのは、後になってからです。
――何がきっかけで見直したのですか。
委託している登録支援機関の方に相談したら、雇用条件書の一時帰国休暇の欄を一緒に読み直してくれたんです。必要な有給休暇は取らせる。時季を変えてもらえるのは、事業の正常な運営を妨げる場合だけ。断ったのではなく、ルールがなかったのが問題だと分かりました。耳の痛い話でしたが、施設の事情も聞いたうえで、現実的な案を出してくれたのがありがたかったです。
――どんなルールにしましたか。
3か月前に相談、2か月前に申請。年休に、施設独自の有給の特別休暇を2日足して、移動日込みで9日まで。2人の希望が重なったら、年ごとに交代で優先です。日本人の職員にも同じ連続休暇の仕組みを作りました。申請書には本人の言語の訳を付け、休暇の種類ごとに日数を書く欄を設けています。定期面談のたびに、次の帰国の予定を聞いています。
――日本人の職員の反応はどうでしたか。
最初は「外国人だけ長く休める」と受け止めた人もいました。そこで、家族のために使える連続休暇として、全員が使える仕組みにしました。昨年は、日本人の職員も2人が使っています。休む人が増えた分、シフトの組み方を3か月単位に変えました。
――5週間の帰国は、どう判断したのですか。
お父さんの入院で、年休を超える帰国が必要になりました。年休と無給の休暇を組み合わせ、内訳を書面にしました。1か月を超えるので、届出が要るかを地方出入国在留管理局に問い合わせ、その回答も記録に残しています。社会保険料の本人負担分は、戻ってから2回に分けて払ってもらう約束にしました。帰国中の通算期間の話も、数字で伝えています。
――これから一時帰国の相談を受ける会社へ。
断るか認めるかの前に、ルールを先に作ることです。帰りたい気持ちを我慢させると、結局は辞めることにつながります。2人とも、介護福祉士の試験を目指すと言ってくれています。
相談は無料です。条件に合う会社を最大3社までご紹介します。最終的に選ぶのは御社です。
よくある質問
特定技能外国人の長期の一時帰国は認めるべき?
一律に断るのではなく、理由と期間を聞いたうえで、会社のルールに沿って判断します。必要な有給休暇は取得させる必要があり、年休を超える分は特別休暇や無給休暇で組み合わせられます。確かめるのは3つです。1か月以上働けない場合の届出の要否、3か月以上活動しない場合の在留資格の取消し、みなし再入国許可の1年の期限です。
入社して半年たたないうちに一時帰国したいと言われたら?
年休は雇入れから6か月で付くため、まだない場合があります。雇用条件書には「継続勤務6か月未満の年次有給休暇」の有無を書く欄があり、前倒しで付ける会社もあります。家族の不幸などの事情なら、特別休暇や無給休暇を組み合わせて対応します。
一時帰国の航空券代は、会社が負担しなければなりませんか?
基準上の義務はありません。基準省令が会社の負担としているのは、雇用契約の終了後に本人が帰国旅費を負担できない場合の帰国旅費です。送出国の法令に費用負担の定めがある場合もあるため、大使館などで確かめます。会社が任意で補助することはできます。
繁忙期を理由に、一時帰国の時期を変えてもらえますか?
請求された時季に年休を与えると事業の正常な運営を妨げる場合に限り、別の時季に取ってもらえます(労働基準法第39条第5項)。一時帰国そのものを断ることはできません。3か月前の相談などのルールを作り、早めに調整するのが確実です。
帰国中に在留期限が来てしまう場合は、どうなりますか?
みなし再入国許可で戻れるのは、出国から1年か、それより先に来る在留期限までです。更新の申請中に出国した場合は、在留期間の満了から2か月を経過する日か出国から1年の早い日までに戻る必要があります。更新の手続を済ませてから帰国の日程を組むのが安全です。
無給で帰国している間の社会保険料は、どうなりますか?
在籍している間は、通常どおり保険料がかかります。日本年金機構が案内する保険料の免除は、産前産後休業と育児休業等の期間です。会社は本人負担分も合わせて納めるため、本人負担分の精算方法を帰国前に書面で決めておきます。
予定の日に戻ってこない場合は、どうすればよいですか?
本人と緊急連絡先に連絡し、遅れの理由と新しい出勤日を記録します。行方が分からなくなった場合は、速やかに受入れ困難に係る届出を出します。行方不明が判明した際の状況説明書(参考様式第5-15号)も付けます。
一時帰国している期間も、通算5年に数えられますか?
数えられます。出入国在留管理庁は、1号の在留資格を持っている限り、再入国許可で出国している間も通算在留期間に含まれるとしています。長い帰国の前に、残りの期間を本人と確かめておきます。
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この記事の編集方針と出典
- 制度・数値は、出入国在留管理庁・厚生労働省・所管省庁・自治体などの公表資料で確認し、時点を書いています(確認日:2026年10月14日)。
- 制度は改正されることがあります。申請の前に、必ず最新の公表資料で確認してください。
- 「想定ケース」は、よくある相談をもとに編集部が再構成したもので、実在の企業・人物の発言ではありません。
- 特定技能のりあい窓口は、掲載している人材紹介会社・登録支援機関から紹介手数料を受け取る場合があります。手数料の有無で、ご提案の順番や内容は変えません。
- 誤りにお気づきの場合は、下のフォームからお知らせください。確認のうえ修正します。
出典
- e-Gov法令検索「特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」(第1条)(2026年10月確認)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(Q31・Q38・Q51・Q82)(2026年10月)
- 出入国在留管理庁「雇用条件書(参考様式第1-6号)記載例」(2026年10月確認)
- 出入国在留管理庁「定期面談報告書(1号特定技能外国人用)記載例」(2026年10月確認)
- e-Gov法令検索「労働基準法」(第3条・第23条・第24条・第39条・第115条)(2026年10月確認)
- 出入国在留管理庁「みなし再入国許可(入管法第26条の2)」(2026年10月確認)
- 出入国在留管理庁「出入国審査・在留審査Q&A」(Q57・Q61)(2026年10月確認)
- 出入国在留管理庁「通算在留期間」(2026年10月確認)
- 出入国在留管理庁「特定技能所属機関からの随時届出に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)」(2025年6月)
- 出入国在留管理庁「特定技能ガイドブック」(2025年5月現在)
- 厚生労働省「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」(2026年10月1日改定)
- 厚生労働省「外国人労働者就労環境整備助成コース リーフレット(令和8年10月1日版)」(2026年10月1日以降の計画)
- 日本年金機構「厚生年金保険料等の免除(産前産後休業・育児休業等期間)」(2026年10月5日更新)
- 日本年金機構「退職した従業員の保険料の徴収」(2012年3月30日更新)
- 日本年金機構「脱退一時金の制度」(2026年4月1日更新)
- 総務省「外国人の方の個人住民税について」(2026年10月確認)
- 出入国在留管理庁「フィリピン国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ」(2026年10月確認)
- 出入国在留管理庁「ネパール国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ」(2026年10月確認)
最終更新:(2026年10月版)
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