- 特定技能のりあい窓口|企業向けガイド
- 制度の基本
- 2026年10月版
特定技能と技能実習の違い|目的・転職・支援・費用を比較
目的が違えば、転職・支援・費用のルールも変わる。2027年4月の切り替えを前に、今から選ぶ基準を表で示す
文・構成:特定技能のりあい窓口 編集部最終更新:情報の確認日:(数値ごとに時点を記載)出典:公的機関の公表資料(ページ末尾に一覧)
特定技能と技能実習の違いは、ひと言でいえば制度の目的です。技能実習は技能を母国へ移す国際協力、特定技能は人手不足の分野で働いてもらう制度で、この差が在留期間・転職・支援・費用のルールの違いになっています。さらに技能実習は2027年4月1日に育成就労へ切り替わり、新しく受け入れられる期間は残りわずかです。この記事では、2026年10月時点の公表資料をもとに2つの制度を比較表で整理し、今から始める会社がどちらを選ぶとよいかを判断表で示します。
- 違いの根っこは目的:技能実習は技能移転による国際協力で、法律が「労働力の需給の調整の手段」にすることを禁じています。人手不足を補う目的で使うのは特定技能です。
- 転職・支援・人数枠が大きく違う:特定技能は同じ分野なら転職でき、受入れ企業に10項目の支援義務があります。技能実習は原則転籍できず、監理団体が監査し、人数枠があります。
- 今から始めるなら特定技能か育成就労が中心:外国人技能実習機構は1号技能実習計画の認定申請を2027年2月までに行うよう求めています。即戦力なら特定技能、3年かけて育てるなら2027年4月からの育成就労が選択肢です。
相談は無料です。条件に合う会社を最大3社までご紹介します。最終的に選ぶのは御社です。
この記事の目次
特定技能と技能実習の違いは「目的」から生まれる
特定技能と技能実習のいちばん大きな違いは、制度の目的です。技能実習は技能を開発途上国へ移す国際協力の制度、特定技能は人手不足の分野で働いてもらうための制度です。
技能実習法は第3条2項で「技能実習は、労働力の需給の調整の手段として行われてはならない」と定めています。人手不足を補うことを正面から目的にしているのは、特定技能のほうです。在留期間・転職・支援・費用の違いは、ほとんどがこの目的の差から出てきます。
図1技能実習と特定技能の違い(全体像)
技能実習
- 目的:技能を母国へ移す国際協力
- 期間:最長5年(1号1年・2号2年・3号2年以内)
- 転籍:原則できない
- 監理団体が監査と入国後講習を担う
2027年4月1日に育成就労へ切り替わり、新しい受け入れは経過措置の範囲に限られます。
特定技能
- 目的:人手不足の分野で即戦力として働く
- 期間:1号は通算5年まで、2号は更新の上限なし
- 転職:同じ分野の中なら本人の意思でできる
- 受入れ企業が10項目の支援を行う(委託できる)
入国時に技能と日本語の試験の合格、または技能実習2号の良好な修了が必要です。
数で見る2つの制度
技能実習生は456,618人(2025年末)、特定技能で在留する人は444,256人(2026年6月末・速報値)です。時点が違うため単純には比べられませんが、どちらも40万人を超える大きな制度です。
図2数字で見る技能実習と特定技能
- 456,618人技能実習生の在留者数2025年末。団体監理型が98.4%
- 444,256人特定技能の在留者数2026年6月末・速報値(1号+2号)
- 96職種174作業技能実習2号の移行対象2026年7月29日時点
- 19分野特定技能の受入れ分野2026年1月23日の閣議決定
2027年4月1日、技能実習は育成就労へ
2024年6月21日に公布された改正法により、技能実習は2027年4月1日に発展的に解消され、育成就労制度が始まります。特定技能は続きます。これから選ぶ会社が比べるのは「特定技能」「経過措置の技能実習」「育成就労」の3つです。育成就労の全体像は育成就労制度とは?2027年4月から何が変わるかで解説しています。
技能実習と特定技能の比較表(目的・期間・転職・支援・人数枠)
2つの制度は、目的・在留期間・転職・支援の担い手・人数枠の5点で特に違います。会社から見ると「誰が責任を持つか」と「どこまで自分で決められるか」が変わる、と考えると整理しやすくなります。
| 項目 | 技能実習 | 特定技能 |
|---|---|---|
| 目的 | 技能等を開発途上国へ移す国際協力。労働力の需給調整の手段にしてはならない | 人手不足の分野で、一定の専門性・技能を持つ人を受け入れる |
| 入国時の試験 | 制度共通の技能・日本語の試験はない。1号の入国後講習は原則2か月 | 分野の技能試験と日本語試験(JFT-BasicまたはN4以上)。関連する技能実習2号の良好修了で免除 |
| 在留期間 | 最長5年(1号1年以内、2号2年以内、3号2年以内) | 1号は通算5年まで(1回の許可は3年以内)。2号は更新の上限なし |
| 転職・転籍 | 原則できない。続けられない場合の実習先変更などに限る | 同じ分野の中なら本人の意思で転職できる |
| 受入れの形 | 団体監理型が98.4%(2025年末)。ほかに企業単独型 | 受入れ企業の直接雇用(派遣は農業・漁業のみ) |
| 支援・監理 | 監理団体が3か月に1回以上監査し、講習や計画づくりを指導 | 受入れ企業に義務的支援10項目。登録支援機関に全部委託できる |
| 人数の上限 | 常勤職員数に応じた人数枠(30人以下なら1号は基本3人など) | 原則なし(介護と建設は分野の上限あり) |
| 家族の呼び寄せ | 「家族滞在」の対象に入っていない | 1号は対象外。2号は「家族滞在」の対象 |
| 2027年4月以降 | 育成就労に切り替わる(実習中の人は経過措置で継続) | 制度は続く。支援体制の基準が見直される |
表の読み方:責任の置き場所が違う
技能実習は、監理団体が計画づくりから監査まで間に入る制度です。会社が自分で決められる範囲は狭い一方、手続きの多くを監理団体に頼れます。特定技能では、会社が雇用主として直接責任を持ちます。支援を外に任せても、雇用契約・報酬・届出の責任は会社に残ります。
同じ現場でも「同じ仕事」とは限らない
出入国在留管理庁の特定技能Q&Aは、2つの制度は技能水準と活動の形が違うため、従事する業務は異なるものになるとしています(Q40)。1号は技能実習2号を修了した人と同じ程度の技能水準とされ、給与も少なくとも技能実習2号の水準を上回ることが想定されています(Q46)。1号と2号の違いは特定技能1号と2号の違いで比べています。
転職の違い:特定技能は同じ分野なら本人の意思で移れる
技能実習生は原則として実習先を変えられませんが、特定技能の外国人は同じ分野の中なら本人の意思で転職できます。特定技能を選ぶ会社は「辞めない前提」ではなく「選ばれ続ける前提」で職場を整える必要があります。
技能実習:実習先の変更は「続けられない場合」に限られる
技能実習は、決められた実習先で計画どおりに技能を身につける制度です。実習の継続が難しくなったときは、実習実施者と監理団体に届出と実習先変更への対応の義務があります。外国人技能実習機構も転籍先の調整を支援します。例外として、2号から3号へ移る人は3号の実習先を自分で選べます。
特定技能:同じ分野の中で転職できる
特定技能1号の人は、同じ業務区分の中か、試験で技能の共通性が確かめられた業務区分の間なら転職できます。新しい会社で働くには在留資格の変更許可が必要です。日本政策金融公庫の調査では、外国人従業員が辞めた理由の1位は「日本で転職するため」でした。
図3外国人従業員の退職理由(複数回答)
- 日本で転職するため51.0%
- 母国で働くため30.2%
- 家族の事情のため26.0%
育成就労では「条件つきの転籍」が加わる
2027年4月からの育成就労では、技能実習で認められていなかった本人の意向による転籍が、一定の条件で認められます。同じ業務区分の中であること、分野ごとに1〜2年の制限期間を過ぎていること、技能と日本語の試験に合格していることなどが条件です。転籍を受け入れる会社は、元の会社の初期費用の一部を負担します。
「移られる前提」で会社ができること
転職できる制度では、条件の説明と相談の受け皿が定着を左右します。特定技能では、仕事内容・報酬・住居などを入社前の事前ガイダンスで、本人が分かる言語で説明します。入社後は3か月に1回以上の定期面談で困りごとを聞くことが義務です。これを形だけで終わらせず、昇給の時期や2号への道筋まで話しておくと、転職を考える前に相談してもらいやすくなります。
相談は無料です。条件に合う会社を最大3社までご紹介します。最終的に選ぶのは御社です。
支援の違い:監理団体が入るか、受入れ企業が担うか
技能実習では監理団体が監査と講習を受け持ち、特定技能では受入れ企業そのものに10項目の支援の義務があります。特定技能の支援は登録支援機関に全部任せられますが、任せても雇用主としての責任は会社に残ります。
図4誰が何を担うか(技能実習と特定技能)
- 1監理団体(技能実習)
主務大臣の許可を受けた非営利の団体。実習先を3か月に1回以上監査し、1号の入国後講習、計画づくりの指導、実習生の相談対応を行います。
- 2外国人技能実習機構
技能実習計画の認定や報告・届出の受付を行います。育成就労の計画認定の施行日前申請も、いまはここが受け付けています。
- 3受入れ企業(特定技能)
雇用契約、日本人と同等以上の報酬、届出に加え、事前ガイダンスから定期面談まで10項目の支援の実施に責任を負います。
- 4登録支援機関(特定技能)
受入れ企業から委託を受けて支援を行う機関。2026年10月8日時点で11,660件が登録されています。
特定技能の義務的支援10項目と定期面談
1号の義務的支援は、入国前から離職時までをカバーする次の10項目です。
- 事前ガイダンス/出入国時の送迎/住居確保と生活に必要な契約の支援
- 生活オリエンテーション/公的手続への同行/日本語学習の機会の提供
- 相談・苦情への対応/日本人との交流促進/会社都合の離職時の転職支援
- 定期的な面談と行政機関への通報
定期面談は3か月に1回以上です。2025年4月からは、本人の同意や録画の保存などを条件にオンラインでも行えます。
2027年4月から支援体制の基準が変わる
2027年4月1日から、登録支援機関は常勤の役職員から支援責任者と支援担当者を選びます。担当者1人の受け持ちは、受入れ機関10未満・1号外国人50人未満に収める必要があります。監理団体に特定技能の支援も頼んでいる会社は監理団体・協同組合に特定技能の支援を頼む場合の見方を、紹介と支援の分け方は人材紹介会社と登録支援機関の違いを参考にしてください。
技能実習と特定技能の費用の違い:差が出るのは「項目」
技能実習と特定技能の費用の違いは、金額の大小より「何にお金がかかるか」に表れます。技能実習は監理団体への監理費と入国後講習が、特定技能は人材紹介の手数料(使う場合)と登録支援機関への委託費が中心です。
| 費用の項目 | 技能実習 | 特定技能 |
|---|---|---|
| 人を探す費用 | 監理団体と送出機関を通じた募集・選考の費用 | 人材紹介会社を使えば紹介手数料。自社で採用すればかからない |
| 毎月の外部費用 | 監理団体の監理費(種類と額を明示して徴収するルール) | 支援を委託すれば登録支援機関の委託費。自社支援ならかからない |
| 入国後の講習 | 1号の入国後講習(原則2か月) | 制度上の講習はない。生活オリエンテーションは8時間以上が目安 |
| 給与 | 平均190.3千円(2025年調査) | 平均221.4千円(2025年調査)。日本人と同等以上が条件 |
| 在留手続の手数料 | 在留資格の変更・更新ごとにかかる | 同じ。2026年10月1日から許可される期間に応じた額 |
| 本人に負担させてはいけないもの | 保証金の徴収、違約金の定め | 保証金・違約金、義務的支援の費用 |
図5在留資格別の平均賃金(月額・一般労働者、2025年)
- 専門的・技術的分野(特定技能を除く)313.2千円
- 外国人労働者の計254.3千円
- 特定技能221.4千円
- 技能実習190.3千円
公的調査に見る費用の実感
福岡県が外国人介護人材を受け入れる362事業所に聞いた調査(令和7年度)があります。登録支援機関・監理団体への1人あたりの月額委託費は「2万円以上3万円未満」が31.5%で最多でした。「委託していない」も26.8%あります。在留資格を分けない数字で、監理費と支援費が混ざっている点に注意してください。
日本政策金融公庫の調査では、外国人を雇う企業の困りごとの1位が「採用費用(渡航費や手数料など)が想定よりも高い」27.8%でした。2019年と比べた採用コストが「増加した」企業は、技能実習生で69.7%と、外国人正社員の43.7%を上回っています。
2026年10月からの在留手続の手数料
在留資格の変更・更新の手数料は、2026年10月1日から許可される在留期間に応じた額になりました。窓口なら1年で33,000円、3年以上5年未満で64,000円です。特定技能1号は1回の許可が3年以内で個々に決まるため、何年の許可かで1回の額が変わります。見積もりは特定技能の見積書の読み方のように、紹介料・支援費・実費を分けて並べると差が見えます。
技能実習と特定技能、今から始めるならどっち?判断表
2026年10月から新しく始める会社には、多くの場合「特定技能」か「2027年4月からの育成就労」が現実的です。技能実習で新しく受け入れる場合、外国人技能実習機構は1号技能実習計画の認定申請を2027年2月までに行うよう求めています。準備に使える期間は約4か月です。
図6技能実習から育成就労への切り替えの日程
- 育成就労計画の認定の施行日前申請が始まる実施中
3年分の計画を、施行前から申請できます。
- 1号技能実習計画の認定申請の目安機構の要請
外国人技能実習機構が、この時期までの申請を求めています。
- 経過措置の対象になる認定申請の期限決定済み
この日までに申請し、6月30日までに実習を始めた人は原則として続けられます。
- 育成就労制度の開始決定済み
新しい受け入れは育成就労になります。特定技能は続きます。
| 会社の状況 | 向く制度 | 理由・期限 |
|---|---|---|
| 半年以内に戦力が必要 | 特定技能 | 試験合格者か技能実習2号の良好修了者を雇い、変更許可を受ければ働ける |
| 未経験から3年かけて育てたい | 育成就労(2027年4月〜) | 3年で1号の水準を目指す制度。計画認定の施行日前申請は受付中 |
| 監理団体と準備がかなり進んでいる | 技能実習(経過措置) | 2月までの申請、6月30日までの実習開始に間に合うかを確認 |
| いまの実習生に長くいてほしい | 2号修了後に特定技能1号 | 関連する職種なら試験免除。2号がある分野なら更新の上限なし |
| 支援を社内で担える人がいない | 特定技能(全部委託) | 登録支援機関に任せられるが、雇用主の責任は残る |
宿泊業ならどう考えるか
宿泊には技能実習の宿泊職種(接客・衛生管理作業)があり、2号を良好に修了した人は特定技能の技能試験が免除されます。特定技能の宿泊分野は、受入れ見込数14,800人に対し在留者は2,771人(2026年7月末、18.7%)で、2号もあります。育成就労の宿泊分野の見込数は5,200人です。費用と準備の詳細は育成就労の受け入れ人数枠と費用、長く働いてもらう道は特定技能2号への移行で確かめられます。
選ぶ前に確かめること:チェックリストとやってはいけないこと
どちらの制度を選んでも、受け入れる会社の基準と、本人に負担させてはいけない費用のルールは共通して厳しく定められています。制度を決める前に、自社が受け入れ側の条件を満たすかを確かめておくと、申請の段階でつまずきません。
自社で確かめる6項目
- 任せたい仕事が、技能実習の職種・作業か、特定技能の分野・業務区分のどれに当たるか
- いつまでに何人が必要か(半年以内か、2027年4月以降でもよいか)
- 労働・社会保険・税の法令を守れているか(特定技能の受入れ機関の基準)
- 過去1年以内に、同じ仕事の労働者を会社都合で辞めさせていないか
- 日本人と同等以上の報酬を、賃金規定や比較対象で説明できるか
- 相談対応や定期面談を、社内の誰が担うか、外に任せるか
どちらの制度でもしてはいけないこと
- 保証金を取る、違約金を定める
- 本人の意思に反してパスポートや在留カードを預かる
- 義務的支援の費用を、給与からの天引きなどで本人に負担させる
- 国籍を条件に募集・選考する
- 農業・漁業以外の分野で、派遣の形で特定技能外国人を受け入れる
監理団体・紹介会社に最初に聞く4つの質問
- うちの仕事は、技能実習の職種・作業と特定技能の業務区分のどちらに当てはまりますか
- 技能実習で進める場合、2027年2月までの計画申請に間に合う日程を示せますか
- 特定技能で進める場合、協議会の加入から入社までの月数をどう見ていますか
- 費用を「紹介」「支援・監理」「実費」に分けた見積もりを出せますか
受入れ企業の基準は特定技能の受入れ機関の基準でチェックリストにしています。大卒の人材なら技術・人文知識・国際業務との違いも比べてください。特定技能で進めると決めたら、紹介会社の比べ方は人材紹介会社の選び方と総合ガイドが役に立ちます。特定技能のりあい窓口では、条件に合う人材紹介会社・登録支援機関を最大3社まで無料でご紹介しています。順位は付けず、選ぶのは御社です。掲載している会社から紹介手数料を受け取る場合がありますが、手数料の有無で提案の順番や内容は変えません。
想定ケース:ビジネスホテル(従業員38人)の総務部長が、技能実習ではなく特定技能を選んだ理由
想定ケース(利用イメージ)について:この章は、特定技能の会社選びでよく寄せられる相談をもとに、編集部が場面を再構成した想定インタビューです。実在の企業・人物の発言ではありません。数値は公的資料にもとづく目安です。
- 特定技能1号(宿泊)の2人が入社し、フロント夜勤の欠員が月10回から月2回に減った
- 相談を始めてから2人の入社まで約5か月。協議会の入会通知書は申請から約1か月で届いた
- 3つの制度の比較表を1枚にまとめ、役員会での検討を1回で終えた
――2人が入社して、何が変わりましたか。
いちばん大きいのはフロントの夜勤です。以前は月に10回ほど、日本人スタッフが休みを返上して穴を埋めていました。それが今は月2回程度です。2人とも宿泊分野の試験に合格していて、チェックインの流れは2週間ほどで一人で回せるようになりました。
――外国人の採用を考えたきっかけは。
従業員38人のうち、フロントと接客は14人です。ハローワークに半年出して、応募は2件でした。お客さまは戻ってきているのに、シフトが組めない。このままでは客室を絞るしかないと思いました。
――最初は技能実習を検討していたそうですね。
取引先の紹介で、監理団体の説明を受けたのが最初です。宿泊にも技能実習の職種があると聞いて、そのつもりでいました。ところが調べると、技能実習の目的は技能の移転で、人手不足の穴埋めに使う制度ではない。しかも外国人技能実習機構が、新しい計画の申請を2027年2月までにと求めている。いまから監理団体と送出機関を選んで間に合うのか、正直不安になりました。
――決め手は何でしたか。
比較表を自分で作ったことです。特定技能なら目的が合っていて、宿泊には2号もある。迷ったのは転職できる点でした。せっかく育てても移られるかもしれない。でも、それなら選ばれる職場にするしかないと腹をくくりました。支援を頼む会社に担当者の受け持ち数を聞いたら、2027年の基準と比べた数字で答えてくれた。夜間の相談は翌朝の対応になることがある、とはっきり言われたのも、かえって信用できました。
――受け入れてみて、つまずいたことは。
協議会の加入です。e-Govでの申請で、うちと登録支援機関の両方が出さないと審査が始まらないと知らず、2週間ほど足踏みしました。生活オリエンテーションは8時間以上が目安なので、2日に分けました。主な仕事がフロントや接客などの宿泊サービスになるよう、シフトの組み方も見直しています。
――転職されないための工夫はありますか。
入社前に、給与の決め方と昇給の時期を母語の資料で説明しました。日本人スタッフの賃金規定に当てはめて決めたので、説明に迷いがありません。3か月に1回の面談とは別に、夜勤明けに10分だけ話す時間も作りました。1人は2号を目指したいと言っています。宿泊の2号には、複数の従業員を指導しながら働いた2年以上の経験が要るので、来年からサブリーダーを任せる予定です。
――同じように迷っている会社に伝えたいことは。
制度は「目的」と「締め切り」で選ぶことです。うちは技能実習の説明を先に聞いたので、それが当たり前だと思い込んでいました。表にして並べると、合うものと合わないものが30分で見えました。
相談は無料です。条件に合う会社を最大3社までご紹介します。最終的に選ぶのは御社です。
よくある質問
うちの会社は特定技能と技能実習のどちらを使うべき?
人手不足を補うことが目的なら、特定技能が制度の目的に合っています。技能実習で新しく受け入れるなら、1号技能実習計画の認定申請を2027年2月までに行うよう外国人技能実習機構が求めています。未経験の人を3年かけて育てたいなら、2027年4月からの育成就労も選択肢になります。
技能実習と特定技能では、費用はどちらが高いですか?
一概には言えず、かかる項目が違います。技能実習は監理費と入国後講習、特定技能は紹介手数料(使う場合)と支援の委託費が中心です。給与の平均は特定技能が221.4千円、技能実習が190.3千円で(2025年調査)、在留手続の手数料はどちらにもかかります。
技能実習生を、修了後に特定技能で雇い続けられますか?
雇い続けられます。技能実習2号を良好に修了し、仕事が実習の職種・作業と関連していれば、技能と日本語の試験が免除されます。実習計画を終えていない途中での変更は認められず、修了後は変更許可を受けるまで働けないため、早めの申請が必要です。
2027年4月以降も技能実習で受け入れられますか?
新しい受け入れは育成就労になります。2027年3月31日までに技能実習計画の認定を申請し、6月30日までに実習を始めた人などは、経過措置で実習を続けられます。施行日に実習中の人も、認定された計画どおりに続けられます。
特定技能の人に、技能実習生と同じ給料を払えばよいですか?
同じでは足りない可能性があります。特定技能Q&Aによると、1号は技能実習2号を修了した人と同程度の技能水準です。そのため、少なくとも技能実習2号の給与水準を上回ることが想定されています。報酬は日本人が同じ仕事をする場合と同等以上が条件です。
技能実習や特定技能で、家族を呼べますか?
技能実習と特定技能1号は、在留資格「家族滞在」の対象に入っていません。特定技能2号は対象に入っており、要件を満たせば家族を呼べます。宿泊や工業製品製造業など、2号がある分野かどうかを先に確かめましょう。
育成就労は、特定技能とどう違いますか?
育成就労は、入国時に技能を求めず、原則3年で特定技能1号の水準まで育てる制度です。特定技能は、一定の技能と日本語を持つ人を即戦力として受け入れます。育成就労から1号へ移るには、技能と日本語の試験の合格が必要です。
受け入れる人数に上限はありますか?
技能実習には常勤職員数に応じた人数枠があり、常勤職員30人以下なら1号は基本3人です。特定技能には原則として人数枠がありません。ただし介護は事業所の日本人等の常勤介護職員の数、建設は常勤職員の数が上限です。
あわせて読みたい記事
この記事の編集方針と出典
- 制度・数値は、出入国在留管理庁・厚生労働省・所管省庁・自治体などの公表資料で確認し、時点を書いています(確認日:2026年10月14日)。
- 制度は改正されることがあります。申請の前に、必ず最新の公表資料で確認してください。
- 「想定ケース」は、よくある相談をもとに編集部が再構成したもので、実在の企業・人物の発言ではありません。
- 特定技能のりあい窓口は、掲載している人材紹介会社・登録支援機関から紹介手数料を受け取る場合があります。手数料の有無で、ご提案の順番や内容は変えません。
- 誤りにお気づきの場合は、下のフォームからお知らせください。確認のうえ修正します。
出典
- 出入国在留管理庁・厚生労働省「外国人技能実習制度について」(2026年8月14日改訂)
- 厚生労働省「外国人技能実習制度について」(2026年10月確認)
- e-Gov法令検索「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」(2026年10月確認)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度」(2026年10月)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年10月)
- 出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数(令和8年6月末・速報値)」(2026年6月末)
- 出入国在留管理庁「受入れ見込数と在留者数(2026年7月末速報)」(2026年7月末)
- 出入国在留管理庁「育成就労制度に関するQ&A」(2026年10月14日確認)
- 出入国在留管理庁「分野別運用方針の主要な記載事項」(2026年1月23日閣議決定)
- 外国人技能実習機構「育成就労計画認定施行日前申請」(2026年9月8日更新)
- 出入国在留管理庁「在留資格「家族滞在」」(2026年10月確認)
- 出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」(2026年10月確認)
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況(在留資格区分別)」(令和7年調査)
- 日本政策金融公庫総合研究所「中小企業等における外国人雇用に関するアンケート」(2025年2月21日公表)
- 福岡県「令和7年度 外国人介護人材の受入れ状況等に関するアンケート調査結果報告書」(令和7年度)
- 法務省・国土交通省「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領(宿泊分野)」(2024年2月15日一部改正)
最終更新:(2026年10月版)
自社に合う会社を、最大3社まで比べてから相談しませんか
条件(分野・人数・国内か海外か・任せたい範囲)をお聞きし、合う人材紹介会社・登録支援機関を最大3社まで、同じ形式の比較表つきでご紹介します。どの会社とも契約しない、という選択でも構いません。
- 相談は無料です。入力は3分ほどで終わります
- 会社に順位は付けません。最終的に選ぶのは御社です
- LINEからのご相談も受け付けています
送信後の流れ:内容を確認し、担当者からメールでご連絡します。自動返信メールが届かない場合は、迷惑メールフォルダもご確認ください。お急ぎの方はLINEからどうぞ。
ご入力いただいた情報は、お問い合わせへの回答と、ご希望に合う会社のご紹介のためにだけ使います。
