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https://tokutei-noriai.blog/2026/10/15/ikusei-shuro-towa/ 印刷日:2026年10月15日

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  • 2026年10月版

育成就労制度とは?2027年4月から何が変わるか企業向けに解説

技能実習に代わり、3年で特定技能1号の水準まで育てる制度。育成就労から2号までの道筋と、会社の準備を時系列で示す

育成就労とは、技能実習に代わって2027年4月1日に始まる制度で、外国人を原則3年間雇いながら特定技能1号の水準まで育てることを目指します。名前だけが変わるわけではなく、目的、転籍、日本語の要件、送出しの費用、監理する機関のルールが大きく変わります。施行日前の申請もすでに始まっています。この記事では、出入国在留管理庁の育成就労Q&Aなど2026年10月時点の公表資料をもとに、育成就労から特定技能1号・2号へ進む道筋を図にし、受け入れる会社がいつ何を準備するかを時系列で整理します。

この記事の結論
  • 3年で特定技能1号の水準へ育てる制度:入国時に技能の試験はなく、3年の間に技能と日本語(A2相当)の試験合格を目指します。合格すれば特定技能1号、さらに2号へ進めます。
  • 2027年4月1日開始、申請はもう始まっている:監理支援機関の許可は2026年4月15日から、育成就労計画の認定は2026年9月1日から施行日前申請を受け付けています。
  • 会社の準備は「協議会→監理支援機関→社内の3役→計画」の順:常勤の育成就労責任者・指導員(経験5年以上)・生活相談員を選び、養成講習を受けてもらう必要があります。

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この記事の目次

育成就労とは:3年で特定技能1号の水準まで育てる制度

育成就労とは、人手不足の分野で外国人を原則3年間雇い、仕事を通じて特定技能1号の水準まで育てる制度です。2027年4月1日に始まり、技能実習はこの制度に置き換わります。

入国時に技能の試験は求めず、3年の間に技能と日本語の試験に合格することを目指します。終わった後は特定技能1号、さらに2号へと進む道がつながっています。出入国在留管理庁は、この連続性によって、外国人が働きながらキャリアアップできる仕組みにするとしています。

図1育成就労から特定技能2号までの道筋と、各段階の目標

  1. 就労開始前:日本語A1相当A1相当以上の日本語試験(JFT-Basic、日本語能力試験N5など)に合格するか、A1相当の講習を100時間以上受けます。技能の試験はありません。
  2. 1年経過時:中間の目標技能は育成就労評価試験(初級)など、日本語はA1相当の試験が目安として示されています。
  3. 3年目まで:特定技能1号の水準技能は技能検定3級や特定技能1号評価試験など、日本語はA2相当以上(日本語能力試験N4など)の合格を目指します。
  4. 特定技能1号:通算5年まで試験に合格して移ります。受入れ企業に10項目の支援の義務があります。
  5. 特定技能2号:更新の上限なし2号の試験と、日本語B1相当以上(日本語能力試験N3など)が必要です。要件を満たせば家族の帯同もできます。
3年で1号の試験に合格できなかった場合は、再受験のため最長1年の在留継続を認める方針です。出典:出入国在留管理庁「育成就労制度に関するQ&A」(2026年10月14日確認)、出入国在留管理庁「育成就労制度の概要」(2026年7月改訂)、出入国在留管理庁「分野別運用方針の主要な記載事項」(2026年1月23日閣議決定)

目的は「人材育成」と「人材確保」

技能実習の目的は、技能移転による国際協力でした。ただ、制度の目的と実態のずれや、外国人の権利保護の面で課題が指摘されてきました。育成就労は目的を「人材育成と人材確保」に改め、本人の意向による転籍を条件つきで認めるなど、働く人の保護を強めた制度です。

対象は17分野、受入れ見込数は426,200人

図2数字で見る育成就労

  • 2027.4.1制度の開始日改正法の施行日
  • 3年原則の就労期間不合格なら最長1年の継続を認める方針
  • 17分野受け入れできる分野特定技能の19分野から自動車運送業と航空を除く
  • 426,200人受入れ見込数(上限)2029年3月末まで。工業製品製造業は119,700人
見込数は分野ごとの上限の合計で、超えそうな分野では計画の認定が一時停止されます。出典:出入国在留管理庁「分野別運用方針の主要な記載事項」(2026年1月23日閣議決定)、出入国在留管理庁「育成就労制度に関するQ&A」(2026年10月14日確認)

育成就労はいつから?2027年4月1日の開始と施行日前申請

育成就労の受け入れは2027年4月1日から始まります。ただし準備の申請はすでに始まっています。監理支援機関の許可は2026年4月15日から、育成就労計画の認定は2026年9月1日から、施行日前の申請を受け付けています。

図3育成就労の開始までの主な日程

  1. 改正法の公布公布済み

    技能実習を発展的に解消し、育成就労を創設する法律です。

  2. 関係省令・告示の公布公布済み

    翌10月1日には関係政令も公布されました。

  3. 基本方針・分野別運用方針の閣議決定決定済み

    17分野と、分野ごとの受入れ見込数が決まりました。

  4. 監理支援機関の許可の施行日前申請受付中

    監理団体も、育成就労に関わるには新たな許可が必要です。

  5. 育成就労計画の認定の施行日前申請受付中

    3年分の計画を、施行前から申請できます。

  6. 育成就労の開始決定済み

    この日から育成就労外国人を受け入れられます。

  7. 経過措置で技能実習を始められる期限決定済み

    3月31日までに認定を申請した実習が対象です。

2026年10月14日時点で確認できた公表資料にもとづきます。出典:出入国在留管理庁「育成就労制度に関するQ&A」(2026年10月14日確認)、厚生労働省「外国人技能実習制度について」(2026年10月確認)

施行日前申請はどこに、どう出すか

育成就労計画の認定の施行日前申請は、外国人技能実習機構の地方事務所・支所に郵送で出します。法人なら本店所在地を担当する事務所が宛先です。受入れ機関は申請の前に分野別の協議会に加入している必要があり、分野ごとの告示の基準に関わる書類もそろえます。

国によっては、送出国の公的機関が作る推薦状が対象者ごとに必要です。外国人技能実習機構は、協議中の国のうちインドネシア、カンボジア、キルギス、ベトナム、ラオスの5か国が推薦状を出すとしています。育成就労では、原則として二国間の取決め(協力覚書)を作った国からしか受け入れられません。

認定は最初に「3年分」

施行後は、外国人育成就労機構が育成就労計画を認定します。技能実習のような1号・2号・3号ごとの認定はなく、最初に3年分の計画を作って認定を受けます。

育成就労と技能実習の違い:会社に関わる8つの変更点

育成就労と技能実習のいちばん大きな違いは、目的が「国際協力」から「人材育成と人材確保」に変わったことです。そこから転籍・日本語・送出しの費用・人数枠などのルールが変わります。

育成就労と技能実習の主な違い(2026年10月時点の公表資料にもとづく)
項目技能実習育成就労
目的技能等の移転による国際協力人手不足の分野での人材育成と人材確保
期間と計画最長5年。1号・2号・3号ごとに計画の認定原則3年。最初に3年分の計画を作り認定を受ける
転籍原則できない(やむを得ない場合を除く)やむを得ない場合に加え、条件を満たせば本人の意向で転籍できる
日本語制度共通の入国時の要件はない就労開始前にA1相当の試験合格か講習100時間以上。3年でA2相当を目指す
送出しの費用保証金の徴収などは禁止本人が送出機関に払う費用は月給の2か月分まで。超える分は受入れ企業か監理支援機関が負担
監理する機関監理団体(許可制)監理支援機関(許可制)。外部監査人の設置など基準を強化
人数枠1号・2号・3号の区分ごとに枠1〜3年目の合計で枠。技能実習生も計算に含める
前職・帰国後の要件前職要件と帰国後従事要件があるどちらも求めない

変わらないところ

計画の認定を受けてから受け入れる流れ、監理型と単独型の2つの形、家族の帯同を原則認めない点は変わりません。一方で、技能実習2号の移行対象職種のうち3つは育成就労の対象外とされました。一般家庭用クリーニング、空港グランドハンドリング、ボイラーメンテナンスです。今の職種がそのまま育成就労に移るとは限らないので、所管省庁の業務区分の一覧で確かめてください。

1つの分野の中で育てる

主たる技能を身につけるための必須業務に、全就労時間の3分の1以上従事させます。農業と漁業を組み合わせるような、分野をまたぐ働き方はできません。派遣の形は、季節性のある農業と漁業に限って認められます。給与は技能実習生と違い、原則として所得税・住民税の課税対象です。

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育成就労と特定技能の関係:育成就労→1号→2号の道筋

育成就労は、特定技能1号への入口として設計されています。3年の終わりに技能と日本語の試験に合格すれば特定技能1号へ移り、要件を満たせばさらに2号へ進めます。

図4特定技能1号への4つの入り方(2027年4月以降)

  • ① 育成就労を終えて技能(技能検定3級等または特定技能1号評価試験)と、日本語A2相当以上(日本語能力試験N4等)の試験の合格が必要です。
  • ② 育成就労の途中で試験の合格に加え、今の会社での就労期間が一定の期間を超えた場合に限り認める方針です(期間はまだ示されていません)。
  • ③ 技能実習2号を終えて良好に修了し、仕事との関連性が認められれば、当分の間は試験を受けずに移れます。
  • ④ 試験に合格して育成就労を経ずに、国内外で技能と日本語の試験に合格して1号になる道も続きます。
育成就労から移る人には、技能実習2号のような試験免除はありません。出典:出入国在留管理庁「育成就労制度に関するQ&A」(2026年10月14日確認)、出入国在留管理庁「育成就労制度の概要」(2026年7月改訂)

3年で合格できなかったら

1号へ移るための技能や日本語の試験に不合格だった場合は、再受験のために最長1年の範囲で在留を続けられる方針です。会社にとっては、3年目の受験時期を早めに決め、不合格でも再挑戦できる日程を組んでおくことが現実的な備えになります。

1号と2号で変わること

1号は通算5年までで、受入れ企業に支援の義務があり、家族の帯同は認められません。2号は更新の上限がなく、要件を満たせば家族を呼べます。2号の日本語B1相当の確認は、2027年4月1日以降の在留資格認定証明書の申請から始まります。変更・更新でいつから確認するかは検討中とされています。工業製品製造業で2号があるのは機械金属加工・電気電子機器組立て・金属表面処理の3区分で、現場での3年以上の実務経験が必要です。違いは特定技能1号と2号の違い、特定技能の全体像は特定技能とは?で確かめられます。

1号を使い切った人は育成就労に戻れない

育成就労は特定技能へのステップアップを前提にした制度です。そのため、1号の通算在留期間の上限まで在留し、特定技能に移る余地がない人は、育成就労外国人になれません。

受け入れる会社に求められる体制と基準

育成就労の受入れ機関(育成就労実施者)には、技能実習の基準が引き継がれます。そのうえで、行方不明者を出していないことや協議会への加入などの基準が加わります。社内では3つの役割を常勤の職員から選び、養成講習を受けてもらう必要があります。

図5社内で選ぶ3つの役割

  • 育成就労責任者常勤で、指導員や生活相談員などを監督できる立場の人。過去3年以内に養成講習を修了していること。
  • 育成就労指導員事業所の常勤職員で、任せる業務の技能について5年以上の経験がある人。過去3年以内に養成講習を修了していること。
  • 生活相談員事業所の常勤職員で、過去3年以内に養成講習を修了していること。生活面の相談を受け持ちます。
技能実習では指導員・生活指導員の講習は義務ではありませんでした。当分の間は技能実習制度の講習で代わりにできる予定で、未成年者などは選べません。出典:出入国在留管理庁「育成就労制度の関係省令等について(概略図)」(2026年10月14日確認)、出入国在留管理庁「育成就労制度に関するQ&A」(2026年10月14日確認)

新しく加わる主な基準

  • 過去1年以内に、会社や監理支援機関の責任で行方不明者を出していない
  • 過去1年以内に、同じ種類の仕事の労働者を辞めさせていない(自発的な離職などを除く)
  • 労働・社会保険・税の法令を守っている
  • 送出機関などから、社会通念を超える金品や接待を受けていない
  • 雇用契約のとき、労働条件などを本人に直接またはオンラインで説明している
  • 分野別の協議会に加入している

人数枠と監理支援機関

受け入れられる人数は、常勤職員数に応じた人数枠で決まり、1〜3年目の合計で数えます。常勤職員が9〜30人の会社なら基本の枠は9人で、優良と認められれば2倍です。費用の負担とあわせて育成就労の受け入れ人数枠と費用で整理しています。

監理型で受け入れる場合は、監理支援機関の監理支援を受けます。監理団体がそのまま監理支援機関になることはできず、外部監査人の設置や常勤の役職員2人以上などの基準で新たに許可を受けます。監理団体に特定技能の支援も頼んでいる会社は監理団体・協同組合に特定技能の支援を頼む場合の見方も参考にしてください。

育成就労に向けた企業の準備:時系列のやることリスト

準備は、施行日まで半年を切った今から始めて間に合います。協議会の加入、監理支援機関の選定、社内の3つの役割の選任、3年分の計画づくりを、この順に進めると手戻りが少なくなります。

  1. 分野と業務区分を確かめる

    任せたい仕事が17分野のどの業務区分に当たるかを、所管省庁の資料で確認します。必須業務に全就労時間の3分の1以上を充てられるかも見ます。

  2. 協議会に加入する

    計画認定の申請前に、分野別の協議会への加入が必要です。工業製品製造業では、経済産業省が育成就労の協議会を設けています。

  3. 監理支援機関を選ぶ

    監理型なら、許可を受けた、または施行日前申請中の監理支援機関と契約します。監理支援費の額はホームページで公表される仕組みです。

  4. 責任者・指導員・生活相談員を選ぶ

    常勤の職員から選び、指導員には5年以上の経験が必要です。養成講習の受講予定を立てます。

  5. 日本語講習と住まいを手配する

    就労開始前のA1相当の講習、3年間でA2相当を目指す講習の機会、住まいを、監理支援機関と分担して決めます。

  6. 3年分の計画を作り、認定を申請する

    推薦状が必要な国は先に取得し、外国人技能実習機構(施行後は外国人育成就労機構)へ申請します。

  7. 1年目の試験を見すえて育てる

    1年経過時の技能と日本語の試験に向けて、指導と学習の時間を毎月の予定に組み込みます。

時期ごとの準備と確認する相手(編集部の整理)
時期会社がすること確認する相手
2026年10〜12月分野・業務区分の確認、協議会の加入手続き、監理支援機関の候補選び所管省庁、協議会、監理支援機関
2027年1〜3月3つの役割の選任と講習の予約、計画の作成と認定申請、推薦状の取得監理支援機関、外国人技能実習機構
2027年4月以降入国後講習、受け入れ開始、1年目の試験の準備監理支援機関、日本語教育機関
3年目1号の試験の受験、1号に移った後の支援体制の準備登録支援機関、協議会

今の受け入れ方別に見る、2027年4月の影響

影響の大きさは、いま技能実習生がいるかどうかで変わります。実習中の人は経過措置で続けられますが、新しい受け入れは育成就労になり、人数枠の数え方も変わります。

図6会社のタイプ別に見た2027年4月の主な影響

  • ① 技能実習生がいる2027年4月1日に実習中の人は計画どおり続けられます。1号から2号へは移れますが、3号へ移れるのは施行日に2号を1年以上行っている人だけです。
  • ② 特定技能だけ支援体制の基準が見直され、登録支援機関には常勤の担当者や担当数の上限が求められます。委託先の準備を確かめます。
  • ③ 両方いる実習生の修了時期と、特定技能への移行、育成就労での新しい受け入れの時期を1枚の表に並べます。
  • ④ はじめて受け入れる即戦力なら特定技能、3年かけて育てるなら育成就労。どちらでも在留カードを確かめる手順を整えます。
経過措置で実習を続ける1号・2号の技能実習生は、人数枠の計算では育成就労外国人として数えます。出典:出入国在留管理庁「育成就労制度に関するQ&A」(2026年10月14日確認)、出入国在留管理庁「登録支援機関の支援体制要件の改正(令和9年4月1日施行)」(2026年10月確認)

技能実習生がいる会社が今やること

まず、実習生ごとに「いまの号」「修了予定日」「修了後の希望」を1枚にまとめます。2号を良好に修了する人は、試験免除で特定技能1号へ移る道が当分の間残ります。3号へ進めたい人は、2027年4月1日の時点で2号を1年以上行っているかを確かめます。そのうえで、新しい受け入れを育成就労にするか、特定技能にするかを決めると、人数枠の計算も狂いません。

同じ日に動くほかの改正

2027年4月1日には、特定技能の支援体制の新基準も施行されます。不法就労助長罪の法定刑も、5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金(併科あり)に引き上げられる予定です。全体は2027年4月の制度改正まとめ、委託先の見分け方は新基準に対応できる登録支援機関の見分け方、罰則は不法就労助長罪とはにまとめています。

育成就労のよくある思い込み

育成就労は、技能実習の延長として説明されることが多く、細かいルールで誤解が生まれています。会社の判断に関わる6つを、公表資料で確かめておきます。

  • 技能実習の名前を変えただけ目的が人材育成と人材確保に変わり、転籍、日本語の要件、送出しの費用の上限、監理する機関の許可基準が変わります。
  • 育成就労になると、すぐ転職される本人の意向による転籍は、同じ業務区分の中で、分野ごとに1〜2年の制限期間を過ぎ、技能と日本語の試験に合格した場合などに限られます。
  • 育成就労から1号へは試験なしで移れる技能と日本語の試験の合格が必要です。試験免除は、技能実習2号を良好に修了した人に当分の間認められるものです。
  • 入国の時点で日本語能力試験N4が必要入国時の要件はありません。就労開始までにA1相当の試験に合格するか、A1相当の講習を100時間以上受けます。
  • 今の監理団体をそのまま使える監理支援機関として新たに許可を受ける必要があります。申請の状況を早めに聞いておきましょう。
  • 新しい分野ならどこでもすぐ始められる分野ごとに試験や協議会の準備の進み方が違います。たとえば物流倉庫は、育成就労の評価試験が2027年4月以降の開始予定とされています。

思い込みの多くは、技能実習のルールをそのまま当てはめることから生まれます。迷ったら、出入国在留管理庁の育成就労Q&Aと、分野の所管省庁の運用要領を確かめるのが近道です。物流倉庫の準備状況は物流倉庫の特定技能、1号に移った後の支援を担う機関の役割は登録支援機関とは?で確かめられます。

想定ケース:金属加工工場(従業員24人)の専務取締役が、育成就労の準備を始めた理由

想定ケース(利用イメージ)について:この章は、特定技能の会社選びでよく寄せられる相談をもとに、編集部が場面を再構成した想定インタビューです。実在の企業・人物の発言ではありません。数値は公的資料にもとづく目安です。

  • 準備の項目を16に分け、2026年10月までに9つを終えた
  • 育成就労指導員の候補(旋盤の経験12年と8年)を2人決め、養成講習の日程を確保した
  • 3年分の育成計画の素案を作り、1年目に教える工程を12から8に絞った

――準備を始めて、何が変わりましたか。

「いつまでに、誰が、何をするか」が見えるようになりました。項目は16で、9つは終わっています。残りは協議会や監理支援機関の返事待ちです。社長にも、表を見せて5分で説明できるようになりました。現場の班長2人が指導員の候補だと決まってからは、どの工程から教えるかを3人で週1回話しています。受け入れの前に、うちの仕事の教え方そのものを見直す時間ができました。

――外国人の受け入れを考えたきっかけは。

うちは24人の工場で、旋盤とプレスが中心です。この3年で2人が定年で抜け、求人を出しても応募がほとんどありません。外国人の受け入れは初めてで、最初は技能実習しか知りませんでした。

――何に困っていましたか。

情報がばらばらだったことです。技能実習の話と育成就労の話が混ざって入ってきて、どれが今のルールか分からない。人数枠や日本語講習の費用も、聞く相手によって説明が違いました。結局、出入国在留管理庁のQ&Aを自分で読んで、表にまとめ直しました。

――特定技能ではなく育成就労にした決め手は。

正直、かなり迷いました。即戦力の特定技能のほうが早いのは確かです。ただ、うちの工程は独特で、3年かけて覚えてもらうほうが合う。その後に1号、機械金属加工なら2号まで道があるのも大きかった。監理支援機関の候補からは「基本の枠は9人ですが、指導員の数を考えると最初は2人から」と言われました。無理に人数を勧めない姿勢に、安心したのを覚えています。

――監理支援機関は、どうやって選びましたか。

3つの候補に同じ質問を8つ送りました。たとえば、許可の申請はいつ出したか。常勤の役職員は何人で、何社を見ているか。監理支援費はいくらで、ホームページのどこに載るか。日本語講習はどこで何時間か。1社は許可の申請時期をはっきり答えませんでした。答えが具体的だった1社に決めています。

――準備で、つまずいたところは。

指導員の条件です。技能の経験5年以上が要ると知らず、最初は若手を考えていました。日本語講習の受講時間を労働時間として扱うことは義務ではないと聞きましたが、うちは勤務時間内に組み込むことにしました。通う時間まで本人任せにすると、続かないと思ったからです。住まいは、工場から歩いて10分のアパートを2部屋、監理支援機関と相談しながら押さえました。

――これから準備する会社に伝えたいことは。

今の監理団体に、監理支援機関の許可をどう取るのかを最初に聞くことです。その答えで、残りの準備の段取りがほぼ決まります。

相談は無料です。条件に合う会社を最大3社までご紹介します。最終的に選ぶのは御社です。

よくある質問

育成就労はいつから始まりますか?

2027年4月1日に始まります。施行日前の申請はすでに受け付けていて、監理支援機関の許可は2026年4月15日から、育成就労計画の認定は2026年9月1日からです。受け入れたい会社は、協議会の加入と監理支援機関の選定から準備を始めます。

育成就労で働ける期間はどれくらいですか?

原則3年です。3年の後に特定技能1号の試験に不合格だった場合は、再受験のため最長1年の在留継続を認める方針です。農業と漁業では、毎年の閑散期に最大6か月の一時帰国を挟む計画も認められます。

育成就労から特定技能1号へ移るとき、試験は免除されますか?

免除されません。技能の試験(技能検定3級等または特定技能1号評価試験)と、日本語A2相当以上の試験(日本語能力試験N4等)の合格が必要です。技能実習2号を良好に修了した人の試験免除は、当分の間続きます。

今の監理団体は、そのまま育成就労でも使えますか?

そのままでは使えません。監理支援機関として新たに許可を受ける必要があり、外部監査人の設置などの基準があります。監理支援機関の許可を受けていれば、技能実習の一般監理事業の許可を受けたものとみなされ、別に更新する必要はありません。

育成就労の外国人は家族を呼べますか?

原則として家族の帯同は認められていません。特定技能2号まで進み、要件を満たせば家族を呼べるようになります。

入国の時点で日本語の試験に合格している必要がありますか?

入国の条件ではありません。就労を始めるまでに、A1相当以上の試験に合格するか、認定日本語教育機関などでA1相当の講習を100時間以上受けます。講習の費用を含む日本語の措置は、受入れ企業か監理支援機関が講じます。

過去に技能実習をした人を、育成就労で呼べますか?

過去の技能実習の期間は、育成就労の期間とみなされます。2年以上技能実習を行った人が、別の分野で育成就労として働くことは基本的にできません。技能実習2号を良好に修了した人なら、試験免除で特定技能1号として呼ぶ道があります。

育成就労の受け入れ人数に上限はありますか?

あります。会社の常勤職員数に応じた人数枠があり、1〜3年目の合計で数えます。分野全体にも受入れ見込数の上限があり、超えそうな分野では計画の認定が一時停止されます。

この記事の編集方針と出典

  • 制度・数値は、出入国在留管理庁・厚生労働省・所管省庁・自治体などの公表資料で確認し、時点を書いています(確認日:2026年10月14日)。
  • 制度は改正されることがあります。申請の前に、必ず最新の公表資料で確認してください。
  • 「想定ケース」は、よくある相談をもとに編集部が再構成したもので、実在の企業・人物の発言ではありません。
  • 特定技能のりあい窓口は、掲載している人材紹介会社・登録支援機関から紹介手数料を受け取る場合があります。手数料の有無で、ご提案の順番や内容は変えません。
  • 誤りにお気づきの場合は、下のフォームからお知らせください。確認のうえ修正します。

出典

  1. 出入国在留管理庁「育成就労制度に関するQ&A」(2026年10月14日確認)
  2. 出入国在留管理庁「育成就労制度の概要」(2026年7月改訂)
  3. 出入国在留管理庁「育成就労制度の関係省令等について(概略図)」(2026年10月14日確認)
  4. 出入国在留管理庁「分野別運用方針の主要な記載事項」(2026年1月23日閣議決定)
  5. 出入国在留管理庁「育成就労制度の制度概要・関係法令」(2026年10月14日確認)
  6. 外国人技能実習機構「育成就労計画認定施行日前申請」(2026年9月8日更新)
  7. 厚生労働省「外国人技能実習制度について」(2026年10月確認)
  8. 出入国在留管理庁「特定技能制度」(2026年10月)
  9. 出入国在留管理庁「工業製品製造業分野」(2026年6月25日現在)
  10. 経済産業省「工業製品製造業分野における外国人材の受入れ」(2026年10月確認)
  11. 出入国在留管理庁「登録支援機関の支援体制要件の改正(令和9年4月1日施行)」(2026年10月確認)
  12. 出入国在留管理庁「日本語能力水準「B1相当以上」の確認開始時期について」(2026年9月30日掲載)
  13. 国土交通省「物流倉庫分野」(2026年9月時点の記載)

最終更新:(2026年10月版)

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