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https://tokutei-noriai.blog/2026/10/15/tokutei-ginou-kensetsu/ 印刷日:2026年10月15日

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建設の特定技能|受け入れ要件・受入計画の認定・会社選びのポイント

入管の審査の前に、国土交通省の認定がある。建設だけの上乗せ要件を、準備の順番どおりに確かめる

型枠や鉄筋の職人を募集しても応募が来ない。そんな建設会社が特定技能を考えるとき、最初に知っておきたいのは、建設分野にはほかの分野にない上乗せの要件があることです。入管に申請する前に、国土交通大臣から「建設特定技能受入計画」の認定を受けます。建設業許可、建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録、建設技能人材機構(JAC)への加入、月給制での支払いも条件です。この記事では、これらを準備の順番に並べ、業務区分と試験、費用の目安、紹介会社・登録支援機関に聞く質問まで、2026年10月時点の公的資料で整理します。

この記事の結論
  • 建設は「国土交通省の認定」が入管の前に入る:雇用契約を結んだら、外国人就労管理システムで受入計画を申請します。認定まで1か月半〜2か月程度(補正の期間を除く)かかり、認定証がないと在留の許可は出ません。
  • 申請の前に3つを済ませる:建設業許可、CCUSの事業者登録、JACへの加入です。どれも「申請中」の状態では、受入計画を申請できません。
  • 給与は月給制で、同じ技能の日本人と同等以上:技能の習熟に応じた昇給も契約に書きます。求人票より低い基本給や、固定残業代を含めた基本給は認められません。
  • 会社選びは「建設での認定の経験」で比べる:受入計画の差戻しへの対応、JAC・CCUSの段取り、2号に向けた記録づくりまで、同じ質問を2〜3社に聞きます。

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この記事の目次

結論:建設の特定技能は「入管」と「国土交通省」の2つの審査を通る

建設分野で特定技能の外国人を雇うには、出入国在留管理庁の在留審査に加えて、国土交通大臣による「建設特定技能受入計画」の認定が必要です。新しく特定技能の雇用契約を結ぶたびに、この認定を受けます。

上乗せは手続きだけではありません。建設業許可、建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録、一般社団法人建設技能人材機構(JAC)への加入、月給制での支払い、受け入れ後の講習。これらがそろって、はじめて受け入れが動き出します。

図1数字で見る建設分野の特定技能(2026年)

  • 52,366人建設の1号在留者受入れ見込数76,000人の68.9%(2026年7月末・速報値)
  • 5,329人建設の2号在留者19分野で最多。2025年12月末は1,799人(2026年6月末・速報値)
  • 1.5〜2か月受入計画の認定までの目安補正の期間を除く。地方によってはさらに数か月
  • 12,500円JACの受入負担金1号1人につき月額(年15万円)
建設は上限の消化が進み、2号の人数も19分野で最も多い分野です。出典:出入国在留管理庁「特定技能1号の受入れ見込数及び在留者数について」(2026年7月末)、出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数(令和8年6月末)のポイント」(2026年6月末)、国土交通省「特定技能申請手引(建設分野)」(2026年10月確認)、建設技能人材機構「年会費と受入負担金」(2026年10月確認)

上限の消化は68.9%、2号は全分野で最も多い

建設の1号は52,366人(2026年7月末・速報)で、2029年3月末までの受入れ見込数76,000人の68.9%です。外食業(98.6%)、飲食料品製造業(76.3%)に次ぐ高さです。外食業は上限に近づき、2026年4月13日から海外からの新規の受け入れが一時停止されました。建設がそうなると決まったわけではありませんが、採用の計画は早めに立てるほうが安全です。

2号は5,329人(2026年6月末)で、半年前の約3倍です。熟練した職人として更新の上限なく働く道が、建設ではすでに現実になっています。

入管庁のページの「80,000人」は古い数字

入管庁の建設分野のページ(2024年4月1日現在の表記)の「5年間で最大80,000人」は古い数字です。閣議決定(2026年1月23日)の後は76,000人になりました。受入計画の申請の操作と審査でつまずく点は、建設分野の受入計画の認定とCCUS登録|手順と注意点で詳しく説明しています。

建設の特定技能の要件:会社が満たす7つ、本人が満たす3つ

要件は、会社の側と外国人本人の側に分かれます。会社の側には、全分野に共通する入管の基準に、国交省の認定条件が重なります。

図2建設の特定技能で確かめる要件(会社7つ・本人3つ)

建設分野に特有の主な要件(2026年10月時点)
要件内容つまずきやすい点
建設業許可(会社)建設業法第3条第1項の許可更新が不許可なら、認定後でも取消し
CCUSの事業者登録(会社)建設キャリアアップシステムへの登録の完了「登録申請中」では申請できない
JACへの加入(会社)正会員の建設業者団体を通じてか、賛助会員として直接加盟の申請中は不可
監督処分がない(会社)申請前5年間に、建設業法の指示・営業停止・取消の処分がない処分から5年間は受け入れられない
国内での求人(会社)同じ職種の正社員(無期雇用・フルタイム)をハローワークで募集求人票の月給額も審査で比べられる
人数の上限(会社)1号の総数が常勤職員の総数を超えない常勤職員から1号・技能実習生などを除いて数える
待遇(会社)月給制で、同等の技能の日本人と同等額以上。習熟に応じて昇給無期雇用の正社員と同等以上が求められる
技能(本人)1号評価試験か技能検定3級に合格、または対応する技能実習2号を良好に修了試験の区分と業務区分を一致させる
日本語(本人)国際交流基金日本語基礎テストか、日本語能力試験N4以上技能実習2号の良好修了者は職種を問わず免除
CCUSの技能者登録(本人)受入計画の申請時に登録が完了していること海外から来る人は入国後すみやかに登録
会社側の7つは、1つでも欠けると受入計画の認定を受けられません。出典:国土交通省「建設特定技能受入計画 申請の手引き(新規申請)」(2025年4月4日)、法務省・国土交通省「運用要領(建設分野の基準について)」(2025年1月31日一部改正)

人数の上限は「常勤職員の数」まで

1号の総数は、常勤職員の総数を超えてはいけません。常勤職員の数からは、1号の外国人、技能実習生、特定技能への移行を予定する特定活動の人などを除きます(手引き)。常勤職員が60人なら、1号は60人までです。2027年4月1日からは、除く対象が技能実習生から育成就労外国人に変わります。何人から始めるかは、特定技能は会社ごとに何人まで受け入れられる?でも整理しています。

直接雇用が前提で、派遣はできない

派遣で受け入れられるのは農業と漁業だけです。下請として現場に入る場合は、元請が「一号特定技能外国人建設現場入場届出書」を確認する仕組みがあります(国交省)。入管の基準を含めた条件の全体は、特定技能の受入れ機関の基準で確かめられます。

建設の特定技能の業務区分は3つ:土木・建築・ライフライン・設備

建設分野の業務区分は「土木」「建築」「ライフライン・設備」の3つです。外国人は、試験などで技能を確かめた区分の業務に就きます。型枠施工と鉄筋施工は、国交省の対応表で土木と建築の両方に載っています。

図3建設分野の3つの業務区分と、対応する技能検定3級の例

  • 1土木

    指導者の指示・監督を受けながら、土木施設の新設・改築・維持・修繕の作業などに従事します。3級なら型枠施工、鉄筋施工、とび、造園、塗装が対応します。

  • 2建築

    建築物の新築・増築・改築・移転・修繕・模様替の作業などに従事します。3級なら型枠施工、左官、鉄筋施工、内装仕上げ施工、とび、建築大工などが対応します。

  • 3ライフライン・設備

    電気通信、ガス、水道、電気などの整備・設置・変更・修理の作業などに従事します。3級なら配管、建築板金、冷凍空気調和機器施工が対応します。

自社の工事がどの区分に入るかは、国交省の「業務区分と建設業許可工事業の対応」の資料でも確かめられます。出典:国土交通省「別表6-1」(2026年10月確認)、法務省・国土交通省「運用要領(建設分野の基準について)」(2025年1月31日一部改正)

「関連業務だけ」は認められない

外国人は、試験で確かめた技能を使う業務に、主として従事する必要があります。片付けや資材の運搬など、日本人が通常行う関連業務に付随して入ることはできますが、関連業務だけに従事させることは認められていません(要領別冊)。受入計画の業務内容も、「土木」「建築」の一語では足りず、本人が具体的に分かる書き方が求められます(手引き)。

1号の試験はCBT方式、学科・実技とも65%以上で合格

建設分野特定技能1号評価試験は、全国のプロメトリックテストセンターでCBT方式(パソコンで解答する方式)で行われます。学科は30問・60分、実技は20問・40分で、どちらも合計点の65%以上が合格基準です(JAC、2026年10月確認)。技能検定3級の合格でも、1号の技能水準を満たせます。

対応する職種・作業の技能実習2号を良好に修了した人は、技能試験が免除されます。日本語の試験は職種を問わず免除です。いま働く技能実習生を特定技能に移すなら、免除が使えるかを最初に確かめてください。

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受け入れまでの時系列:受入計画は雇用開始の約6か月前から申請できる

建設の準備は、申請できる時期から逆算すると組み立てやすくなります。受入計画は、雇用開始のおおむね6か月前から申請できます。技能実習から移る人は、技能実習計画の修了日の6か月前からです(国交省)。

図4建設分野で特定技能の外国人を受け入れるまでの8段階

  1. 許可・CCUS・JACを済ませる(6か月より前)

    CCUSとJACは手続きに時間がかかるため、国交省も計画的に進めるよう求めています。

  2. 求人を出し、面接して雇用契約を結ぶ

    契約の前に「雇用契約に係る重要事項事前説明書」で、条件を本人が分かる言語で説明します。

  3. 受入計画をオンラインで申請する(約6か月前から)

    外国人就労管理システムで、16種類の書類を添付します。代理で申請できるのは行政書士か弁護士です。

  4. 審査・認定(申請から1か月半〜2か月程度)

    補正の期間は含みません。地方によっては、さらに数か月かかることがあります。

  5. 入管へ在留の申請をする(就労開始の2〜3か月前が目安)

    受入計画の申請後なら並行して出せますが、許可には認定証の写しが必要です。

  6. 就労開始と受入報告(すみやかに)

    「1号特定技能外国人受入報告書」をオンラインで出します。海外から来た人は、CCUSの技能者IDを示す書類を原則入国後1か月以内に出します。

  7. 受入れ後講習(おおむね3〜6か月の間)

    適正就労監理機関の一般財団法人国際建設技能振興機構(FITS)の講習です。受講は義務で、FITSは巡回訪問も行います。

  8. 更新・変更のたびに報告(随時)

    在留期間を更新すると在留カードの番号が変わるため、受入報告書で番号を変えます。

入管の手続きの前後に、国交省への申請と報告が入るのが建設の特徴です。出典:国土交通省「特定技能申請手引(建設分野)」(2026年10月確認)、国土交通省「建設特定技能受入計画 申請の手引き(新規申請)」(2025年4月4日)、国際建設技能振興機構「特定技能」(2026年10月確認)、法務省・国土交通省「運用要領(建設分野の基準について)」(2025年1月31日一部改正)

入社日から逆算すると「半年前」が出発点

在留資格認定証明書(海外から呼ぶときに日本で交付を受ける証明書)の標準処理期間は1か月〜3か月です。受入計画の審査と重ねると、海外から呼ぶ場合は雇用開始の半年前に動き出すのが無理のない計画です。

技能実習から移る人は、修了後は変更の申請中でも技能実習生として働けません。入管は、就労開始予定日の2か月以上前の申請を求めています。国交省への報告とは別に、入管への定期届出(毎年4月1日〜5月31日)と随時届出(14日以内)もあるため、1枚の予定表で管理します。

月給制と報酬のルール:日給制のままでは要件を満たさない

建設の特定技能では、あらかじめ合意した額を、月給制で毎月安定的に払う必要があります。額は同等の技能を持つ日本人と同等以上とし、技能の習熟に応じて昇給することを契約に書きます(要領別冊)。

雨で現場が止まった月も、決めた月給は変わりません。出勤した日数で月の額が変わる払い方(いわゆる日給月給)は、この考え方に合いません。手引きも、出勤回数や評価に連動する手当は基本賃金に含められないとしています。職人を日給で雇ってきた会社では、ここが最初の関門です。

図5報酬の書き方で、受入計画が差し戻されやすい5つの例

国交省の手引きにある注意点(2025年4月4日版)
よくある書き方手引きの考え方直し方
求人票は月給25万円(経験不問)、外国人の基本給は23万円同等以上とは認められない例として挙げられている求人票の額を下回らないようにし、3年分程度の昇給相当額も考える
基本給に固定残業代・みなし残業代を含める所定外労働の対価は基本賃金に含められない残業代は実際の時間で別に計算する
皆勤手当や評価手当を基本給に含める出勤回数や評価に連動する手当は含められない手当は基本給と分けて書く
「勤務態度により昇給」とだけ書く条件を付けても、書いた下限の額は毎年確実に昇給させる毎年守れる最低の昇給額を書く
家賃を引くのに、控除の欄を「無」にする「無」なら社会保険料・税金以外は控除できない「有」にして労使協定を結ぶ
数字そのものより、求人票や他の書類との「ずれ」で止まる例が目立ちます。出典:国土交通省「建設特定技能受入計画 申請の手引き(新規申請)」(2025年4月4日)

比べる「日本人」がいないときの示し方

同等の技能の日本人がいなければ、同じ職種の日本人、就業規則や賃金規程の額、周辺地域の平均賃金・設計労務単価の順に根拠を探します(国交省)。

最低賃金の改定のたびに時間額を確かめる

2026年度の地域別最低賃金は全国加重平均で1,177円、最も高い東京都は1,280円です。発効日は都道府県により、10月1日から12月2日までに分かれます(厚生労働省)。月給を所定労働時間で割った額が下回らないか、改定のたびに確かめます。

建設の特定技能にかかる費用:JACの負担金は3年分で見る

建設の費用は、どの分野にもかかる紹介・支援・在留手続きの費用に、JACへの会費と受入負担金が加わります。受入負担金は人数と月数に比例するため、3年分で見ておくと予算がぶれません。

図6建設分野で特定技能1人あたりにかかる費用の考え方

3年の費用=JAC関係年会費(賛助会員の場合)+受入負担金×36か月+紹介・支援紹介料+月額の委託費×36か月+在留の手続き変更・更新の手数料など

給与と社会保険料は別です。建設の事業の雇用保険料率は1000分の16.5(事業主10.5・労働者6)で、一般の事業の1000分の13.5より高く設定されています(2026年度)。出典:建設技能人材機構「年会費と受入負担金」(2026年10月確認)、山形労働局「令和8年度の雇用保険料率について」(2026年4月1日〜2027年3月31日)
建設分野の特定技能の主な費用(2026年10月時点)
費用金額の目安メモ
JACの年会費(賛助会員)年24万円正会員団体の傘下なら、JACへの年会費はなく団体の会費を払う
JACの受入負担金1号1人につき月12,500円年15万円。月ごとに負担する
在留資格の変更・更新の手数料窓口で10,000〜75,000円2026年10月1日から、許可される在留期間で決まる(1年なら33,000円)
在留資格認定証明書の交付申請無料海外から呼ぶときの申請
委託費・紹介手数料建設の公的な平均はなし参考:福岡県の介護事業所調査で委託費「月2万円以上3万円未満」が31.5%(在留資格を問わない)

試算:3人を3年受け入れたときのJAC関係の費用

賛助会員として加入し、1号を3人、3年間受け入れた場合の試算です。年会費は24万円×3年=72万円、受入負担金は12,500円×36か月×3人=135万円、合計207万円(1か月あたり約5.75万円)です。正会員団体を通じて加入すれば、72万円の部分は団体の会費に置き換わります。見積もりでは、JAC関係の費用を紹介料・委託費と分けてもらいます。

使える助成金

2026年10月1日以降に出す計画では、人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)は20万円です。雇用労務責任者の選任と就業規則などの多言語化が条件で、一時帰国の休暇制度も整えると25万円、離職率15%以下などの要件もあります。費用の線引きは特定技能の費用を抑える方法で整理しています。

会社選び:建設の特定技能で紹介会社・登録支援機関に聞く10の質問

建設に慣れた会社かどうかは、受入計画の認定をどこまで経験しているかで分かります。全体の紹介人数より、建設での認定の件数と、差し戻されたときの対応を聞くほうが、差がはっきり出ます。

誰が書類を作るかを先に確かめる

受入計画を代理で申請できるのは、行政書士か弁護士です(国交省の手引き)。2026年1月1日施行の改正行政書士法は、行政書士でない者が名目を問わず報酬を得て官公署に出す書類を作ることを禁じています。人探しは人材紹介会社、義務的支援は登録支援機関、書類は行政書士と分けて考え、「申請まで全部やります」と言われたら作成者を確かめます。なお、登録支援機関のJAC加入は任意です(国交省)。

2〜3社に同じ質問をする

  • 建設の受入計画の認定を、この1年で何件手伝いましたか。差戻しの主な理由は何でしたか。
  • 受入計画の書類は誰が作りますか。行政書士の氏名と登録番号を教えてください。
  • JACは団体経由と賛助会員のどちらが合うか、費用の差を含めて説明できますか。
  • CCUSの事業者登録と、本人の技能者登録を、いつ誰が進めますか。
  • 月給制に切り替えるとき、日本人の職人との給与のバランスをどう取りますか。
  • 求人票・雇用契約書・重要事項事前説明書の数字の照合は、誰がしますか。
  • 受入報告、受入れ後講習、在留更新ごとの番号変更の期限を、誰が管理しますか。
  • 担当者1人が何社・何人を見ていますか(2027年4月からは受入れ機関10未満・1号50人未満が基準)。
  • 本人の言語で相談できる人は何人いて、現場が休みの日も連絡がつきますか。
  • 2号を目指す人の班長経験を、CCUSでどう記録していきますか。

避けたい提案のサイン

  • 日給制のまま「月にまとめて払えば月給制と同じ」と説明する
  • 行政書士でない担当者が、受入計画や在留の書類を有料で作ると言う
  • JACの会費・受入負担金を、紹介料や支援費と分けずに「一式」で示す
  • 派遣の形で現場に入れる提案をする
  • 義務的支援の費用を、本人の給与から差し引く前提で話す

採用から支援まで1社に任せるときの見極め方は、特定技能の採用から支援まで一括で任せるで整理しています。専任の担当者がいない会社は、中小企業が特定技能を受け入れる進め方も参考になります。

2号と2027年4月の改正:建設で長く働いてもらうために

建設は、2号への道筋がはっきりしている分野です。2号には、技能の試験と、班長としての実務経験の両方が要ります。

技能は、建設分野特定技能2号評価試験(学科・実技とも合計点の75%以上で合格)か、技能検定1級などの合格で確かめます。実務経験は、複数の技能者を指導しながら工程を管理する班長としての経験です。CCUSの能力評価基準がある職種ならレベル3相当の就業日数、ない職種なら就業日数3年(勤務日数645日)以上が目安とされています。

図7建設分野の特定技能に関わる主な動き

  1. 受入計画の新規申請の手引き(現行版)公表済み

    添付書類16種類と書き方の注意点が示されています。

  2. 2号試験で8割以上なら通算6年の対象に実施中

    この日以降の受験が対象で、要件を満たせば1号で6年まで在留できます。

  3. 建設分野の上乗せ基準の告示改正を公布公布済み

    人数の上限の計算や、受入計画の記載事項が変わります。

  4. 告示改正の施行・育成就労の開始決定済み

    国の調査への協力義務や、認定の取消しの規定も加わります。

2026年10月14日時点で確認できた公表資料にもとづきます。出典:出入国在留管理庁「建設分野に特有の事情に鑑みて定める基準の改正について」(2026年6月23日公布)、建設技能人材機構「通算在留期間6年を上限に許可(要件あり)」(2025年11月29日)、国土交通省「建設特定技能受入計画 申請の手引き(新規申請)」(2025年4月4日)

2027年4月1日に変わる5つのこと

  • 人数の上限の計算で、常勤職員の数から除く対象が技能実習生から育成就労外国人に変わります。
  • 受入計画の記載事項から「国内人材確保の取組」が削除されます。求人票の扱いは改正後の手引きで確認が必要です。
  • 国土交通大臣と適正就労監理機関の調査・指導への協力義務が明記されます。
  • 指導に従わないと勧告・公表、勧告に従わないと認定の取消しがあり得ます。
  • 2号が下請として働く場合、元請(発注者から直接請け負った建設業者)の指導に従う義務ができます。

すでに受けた認定は、改正後の認定とみなす経過措置があります。入管庁は、2号の日本語能力(B1相当以上)の確認を、2027年4月1日以降の在留資格認定証明書の交付申請から始めるとしています。建設分野での扱いは、運用要領の改正版を待って確認が必要です。

育成就労から1号、2号へ

2026年1月23日の閣議決定で、建設の受入れ見込数は1号76,000人、育成就労123,500人とされました。育成就労は技能実習に代わる制度で、3年間で1号の水準まで育てることを目指します。育成就労から1号、1号から2号へと、同じ会社で職人を育てる道筋を描けるのが建設の強みです。

想定ケース:型枠工事会社(3拠点・従業員180人)の事務長が、日給から月給制に切り替えて受け入れた理由

想定ケース(利用イメージ)について:この章は、特定技能の会社選びでよく寄せられる相談をもとに、編集部が場面を再構成した想定インタビューです。実在の企業・人物の発言ではありません。数値は公的資料にもとづく目安です。

3つの拠点で型枠工事を請け負う会社の事務長(60代)に、技能実習を終えた人を特定技能で受け入れるまでを聞きました。

  • 3拠点で1号を5人受け入れ、受入計画は差戻し1回、申請から約7週間で認定された
  • 雨で現場が止まった月も月給を固定で払い、1年間の離職は0人だった
  • 受入報告・講習・在留更新など、国交省と入管の期限を1枚の表にまとめ、提出の遅れは0件だった

――受け入れて1年、何が変わりましたか。

一番は、型枠の段取りを任せられる人が、拠点ごとにできたことです。5人とも技能実習でうちに3年いた人なので、仕事は分かっている。特定技能に切り替えて月給にしたら、雨で休みが続く月の不安がなくなったと言われました。1年たって、辞めた人はいません。

――検討を始めたきっかけは。

技能実習の期間が終わる人が続いたことです。帰国されると、また一から育て直しになる。職人の平均年齢も上がっていて、3拠点のどこも若手が足りませんでした。残ってもらうなら特定技能しかない、と社長と話しました。

――どこで迷いましたか。

給与の払い方です。うちは職人さんを日給で雇ってきました。最初に話を聞いた会社は「月にまとめて払えば大丈夫」と言ったんです。別の会社に聞いたら、国交省の手引きを画面に出して、月給制でないと要件を満たさないと説明された。どちらを信じるか迷いましたが、手引きの文章を自分で読んで、後の会社にお願いすることにしました。

――決め手は何でしたか。

建設の受入計画で差し戻された例を、隠さず話してくれたことです。年間カレンダーの日数が合わなかった、業務内容を「型枠」の一語で書いて直された、と。代理申請は提携の行政書士がする、費用は見積もりのこの行、とはっきりしていたのも大きかった。JACも、うちは地元の団体に入っていたので団体経由がいい、と年会費の差まで出してくれました。売り込みより先に、うちが詰まりそうな所を並べてくれた。それで任せる気になりました。

――実際に進めて、つまずいたことは。

結局、うちも1回差し戻されました。求人票の月給と、外国人の基本給が合っていなかったんです。直して出し直したら、申請から7週間ほどで認定が出ました。もう1つは日本人の職人への説明です。「外国人だけ月給か」と言われたので、若手の日本人も月給制を選べるようにしました。結果として、若手の採用の話もしやすくなっています。

――3拠点あると、管理が大変では。

期限の管理は本社の事務に一本化しました。受入報告、FITSの講習、在留更新のたびの番号の変更、入管の届出。拠点ごとに任せると必ず漏れるので、表は1枚です。人数の上限も会社の常勤職員の数で決まるので、拠点の所長には「増やしたいときは本社に先に相談」と決めてあります。次は、班長を任せられそうな2人の就業履歴をCCUSでそろえて、2号の試験を目指してもらうつもりです。

相談は無料です。条件に合う会社を最大3社までご紹介します。最終的に選ぶのは御社です。

よくある質問

建設の特定技能受け入れでおすすめの会社は?

どの建設会社にも合う1社はなく、業務区分、人数、国内在住者か海外からか、任せたい範囲で向く会社が変わります。建設での受入計画の認定の件数と差戻しへの対応、代理申請をする行政書士、JAC関係の費用を分けた見積もりで比べます。特定技能のりあい窓口では、条件に合う会社を最大3社まで無料でご紹介し、順位は付けず、選ぶのは御社です。掲載している会社から紹介手数料を受け取る場合がありますが、手数料の有無で提案の順番や内容は変えません。

建設会社が特定技能を採用するならどの会社がおすすめ?

建設の受入計画と、入管の手続きの両方を段取りできる会社が向いています。紹介会社・登録支援機関・行政書士のうち、誰がどの書類を担うかを最初に示せるかで見分けられます。月給制の設計や、班長経験の記録まで相談できるかも確かめてください。

建設業許可がない会社でも、特定技能の外国人を雇えますか?

建設分野では雇えません。受入計画の認定には、建設業法第3条第1項の許可が必要です。許可の更新が不許可になると、認定後でも認定は取り消されます。

受入計画の認定が出る前に、入管へ申請してもよいですか?

受入計画を申請した後なら、入管への申請を並行して出せます。ただし在留の許可には認定証の写しが必要なので、認定が出るまで許可は出ません。

技能実習生を特定技能に移すとき、いつから準備しますか?

受入計画は、技能実習計画の修了日の6か月前から申請できます。入管への変更申請は、就労開始予定日の2か月以上前が求められています。修了後は変更の申請中でも働けないため、半年前には動き出します。

JACに入るには、いくらかかりますか?

賛助会員として直接入る場合、年会費は24万円です。正会員の建設業者団体を通じて入る場合は、JACへの年会費はなく、所属団体の会費を払います。どちらの場合も、1号1人につき月12,500円(年15万円)の受入負担金がかかります。

この記事の編集方針と出典

  • 制度・数値は、出入国在留管理庁・厚生労働省・所管省庁・自治体などの公表資料で確認し、時点を書いています(確認日:2026年10月14日)。
  • 制度は改正されることがあります。申請の前に、必ず最新の公表資料で確認してください。
  • 「想定ケース」は、よくある相談をもとに編集部が再構成したもので、実在の企業・人物の発言ではありません。
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出典

  1. 出入国在留管理庁「特定技能1号の受入れ見込数及び在留者数について(令和8年7月末時点・速報値)」(2026年7月末)
  2. 出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数(令和8年6月末)のポイント」(2026年6月末・速報値)
  3. 出入国在留管理庁「建設分野」(2024年4月1日現在の表記)
  4. 法務省・国土交通省「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領(建設分野の基準について)」(2025年1月31日一部改正)
  5. 出入国在留管理庁「特定技能制度の建設分野に特有の事情に鑑みて定める基準の改正について」(2026年6月23日公布・2027年4月1日施行)
  6. 国土交通省「建設特定技能受入計画 申請の手引き(新規申請)」(2025年4月4日)
  7. 国土交通省「特定技能申請手引(建設分野)」(2026年10月確認)
  8. 国土交通省「特定技能概要(建設分野)」(2026年10月確認)
  9. 国土交通省「別表6-1(業務区分と試験・技能実習の対応)」(2026年10月確認)
  10. 一般社団法人建設技能人材機構(JAC)「年会費と受入負担金」(2026年10月確認)
  11. 一般社団法人建設技能人材機構(JAC)「建設分野特定技能評価試験」(2026年10月確認)
  12. 一般社団法人建設技能人材機構(JAC)「建設分野特定技能2号評価試験不合格の1号特定技能外国人に、通算在留期間6年を上限に許可(要件あり)」(2025年11月29日)
  13. 一般財団法人国際建設技能振興機構(FITS)「特定技能」(2026年10月確認)
  14. 出入国在留管理庁「分野別運用方針の主要な記載事項」(2026年1月23日閣議決定)
  15. 出入国在留管理庁「在留資格認定証明書交付申請」(2026年10月確認)
  16. 出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」(2026年10月確認)
  17. 出入国在留管理庁「技能実習生が「特定技能」に在留資格変更許可申請を行った後、稼働ができなくなるケースが発生しています!」(2025年7月8日掲載)
  18. 出入国在留管理庁「在留許可手数料の額及び減額又は免除の対象者等について」(2026年10月1日施行)
  19. 出入国在留管理庁「日本語能力水準「B1相当以上」の確認開始時期について」(2026年9月30日掲載)
  20. 出入国在留管理庁「特定技能所属機関・登録支援機関による届出」(2026年10月)
  21. e-Gov法令検索「行政書士法」(2026年1月1日施行の改正を含む)
  22. 厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」(令和8年度)
  23. 山形労働局「令和8年度の雇用保険料率について」(2026年4月1日〜2027年3月31日)
  24. 厚生労働省「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」(2026年10月1日改定)
  25. 厚生労働省「地域ブロック別の職種別平均手数料額・分布について」(令和6年度実績)
  26. 福岡県「令和7年度 外国人介護人材の受入れ状況等に関するアンケート調査結果報告書」(令和7年度)

最終更新:(2026年10月版)

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