特定技能のりあい窓口

https://tokutei-noriai.blog/2026/10/15/region-hokkaido/ 印刷日:2026年10月15日

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北海道の特定技能ガイド|在留者数・最低賃金・支援制度・入管の窓口【2026年10月】

農業・漁業・食品製造・介護で働く人が多い北海道。申請の窓口と、支援の「距離」をどう埋めるかを整理

北海道で特定技能の外国人を採用したいけれど、道内に何人いて、給与はいくら以上にすべきで、申請はどこに出すのかが分からない。札幌から遠い地域では、入社後の支援を誰がどう回すのかも気になります。この記事では、北海道の特定技能について、在留者数と分野別の人数、最低賃金と発効日、札幌出入国在留管理局と道内の出張所、道の支援制度、転職による道外への転出の状況を、2026年10月14日時点の公表資料で整理しました。広い道内で支援を続けるための工夫と、委託先に聞く質問もまとめています。

この記事の結論
  • 道内の特定技能は20,208人で全国7位:1号は1年で34.6%増え、全国の27.9%増を上回りました。分野は農業・飲食料品製造業・介護が多く、漁業の1号1,080人は都道府県で最も多い数です(2026年6月末)。
  • 最低賃金は1,131円(2026年10月1日発効):特定技能の給与はこれを下回れず、さらに同じ仕事をする日本人と同等以上にする必要があります。
  • 申請は札幌出入国在留管理局と道内の出張所へ:変更・更新は本人の住所地、在留資格認定証明書は会社の所在地で担当が決まります。特定技能の届出を郵送するときの宛先は澄川分室です。
  • 道独自の補助金は確認できず、支援は相談・セミナー・面談会が中心:転職による転出超過は2,337人で全国最大。距離を前提にした支援体制が、定着の分かれ目になります。

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この記事の目次

北海道の特定技能の結論:数字で見る4つのポイント

北海道で特定技能として暮らす外国人は20,208人で、都道府県別では全国7位の規模です。増え方は全国より速い一方、転職で道外へ移る人も最も多く、広い道内でどう支えるかが定着を左右します。

図1数字で見る北海道の特定技能(2026年10月時点で公表済みの最新値)

  • 20,208人道内の特定技能の在留者1号19,613人+2号595人、全国7位(2026年6月末)
  • 34.6%1号の1年間の増加率全国は27.9%(2025年6月末→2026年6月末)
  • 1,131円北海道の最低賃金(時間額)2026年10月1日発効、56円の引上げ
  • 2,337人転職による道外への転出超過47都道府県で最大(2025年8月末・暫定値)
道内の1号は全国より速く増えていますが、転職を機に道外へ移る人も多くいます。増加率と順位は公表値から編集部が計算しました。出典:出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数(令和8年6月末現在)」(2026年6月末・速報値)、厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金全国一覧」(令和8年度)、出入国在留管理庁「1号特定技能外国人の転職状況」(2025年8月末・暫定値)

北海道の特定技能は何人いるのか

2026年6月末の速報値で、道内の1号は19,613人(全国7位)、2号は595人(全国10位)でした。1号は1年前の14,569人から5,044人増えています。全国の1号425,961人のうち、4.6%が北海道にいる計算です。

別の統計もあります。厚生労働省の「外国人雇用状況」(2025年10月末)では、道内の外国人労働者は51,358人でした。雇う事業所は8,854所、うち特定技能の労働者は12,271人です。こちらは事業主の届出をもとにした数で、時点も集計の方法も出入国在留管理庁の在留者数とは違います。2つの数字を並べて増減を比べるのは避けましょう。

他の地域と比べるときは

全国の分野別・国籍別の推移は特定技能の最新統計にまとめています。隣接する地域の県別データは東北6県の特定技能ガイド、人が集まる首都圏の状況は関東の特定技能ガイドで確かめられます。

北海道の特定技能は農業・漁業が全国上位:分野別の在留者数

道内の1号を分野別に見ると、農業・飲食料品製造業・介護の3分野で全体の7割を超えます。農業の人数は全国2位、漁業は全国で最も多く、一次産業と食品加工の比重が高いのが北海道の特徴です。

図2北海道の特定技能1号の分野別人数(上位8分野、2026年6月末)

  • 農業5,180人
  • 飲食料品製造業4,974人
  • 介護4,166人
  • 外食業1,616人
  • 建設1,197人
  • 漁業1,080人
  • ビルクリーニング556人
  • 工業製品製造業308人
農業・飲食料品製造業・介護の3分野で14,320人、道内の1号の73.0%を占めます。出典:出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数(令和8年6月末現在)第2表」(2026年6月末・速報値)

農業は全国2位、漁業は全国1位

同じ表で都道府県を比べると、農業の1号は茨城県の6,153人に次いで北海道が2位です(全国44,050人の11.8%)。漁業は北海道の1,080人が最も多く、全国4,912人の22.0%を占めます。漁業の2位は広島県の616人で、北海道の6割弱にとどまります。

道農政部のページによると、道内で農業に従事する特定技能の労働者は2,664人です(2025年10月末)。振興局別では十勝が1,013人で最も多く、後志485人、上川407人、オホーツク403人と続きます。札幌から離れた農業地帯で、受け入れが進んでいることが分かります。

派遣が使えるのは農業と漁業だけ

特定技能は直接雇用が原則で、労働者派遣で受け入れられるのは農業と漁業だけです。派遣元は、農協・漁協などの関係者や地方公共団体が関わる事業者などに限られます。季節で仕事量が大きく変わる経営では、直接雇用と派遣のどちらが合うかを最初に検討しましょう。

どちらの分野も、在留資格の申請より前に分野の協議会へ入る必要があります。農業特定技能協議会はWEBで申請し、入会金・年会費はなく、通知まで通常2週間程度です。漁業は、在留資格認定証明書を申請する前に漁業特定技能協議会の構成員になっておきます。

なお、水産加工は漁業ではなく飲食料品製造業の分野です。道内に多い食品工場の求人は、こちらの分野の要件で準備します。外食業の1,616人も目立ちますが、外食業は2026年4月13日から海外からの新規受け入れ(認定証明書の交付)が止まっています。詳しくは外食業の特定技能をご覧ください。

北海道の最低賃金1,131円と、特定技能の給与の決め方

北海道の地域別最低賃金は、2026年10月1日から時間額1,131円です。特定技能の給与はこれを下回れず、さらに同じ仕事をする日本人と同等以上にする必要があります。

56円の引上げは発効済み

令和7年度の1,075円から56円(5.2%)上がりました。全国加重平均は1,177円で、北海道はこれより46円低い水準です。最も高い東京都(1,280円)との差は149円あります。9月までの時給のまま10月分の給与を計算すると、最低賃金を下回るおそれがあります。月給制の人も、時間額に直して確かめてください。

図3月給の下限を時間額から確かめる(試算)

月給の下限の目安=1,131円北海道の最低賃金(2026年10月1日〜)×月の所定労働時間例:160時間なら180,960円

160時間は計算のための仮の数字です。実際は自社の所定労働時間で計算し、算入しない手当があるかも確かめます。出典:厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金全国一覧」(令和8年度)

最低賃金ではなく「同じ仕事の日本人」と比べる

特定技能の雇用契約では、報酬が、日本人が同じ仕事をする場合と同等以上であることが求められます。最低賃金を少し上回るだけでは足りない場合があるということです。同じ工程の日本人社員の時給、経験年数、手当の付け方をそろえて比べ、説明できる形にしておきましょう。

毎年4月1日〜5月31日に出す定期届出(前年度4月〜3月分)では、労働条件の月平均や、2年以上続けて受け入れている場合の昇給率も報告します。改定のたびに賃金表を見直す習慣が、届出の準備にもなります。

道外との差は「給与以外」でも埋める

東京都と神奈川県の最低賃金は北海道より150円近く高く、時給だけで道外と競うのは簡単ではありません。後で見るように、北海道は転職による転出超過が全国で最も大きい地域です。住まいの準備、通勤の足、冬の暮らしの支え、昇給の見通しなど、給与以外の条件も含めて説明できるかが問われます。

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札幌の特定技能の手続き:札幌出入国在留管理局と道内の窓口

北海道の在留手続は、札幌出入国在留管理局が道内全域を担当します。函館・旭川・釧路港・稚内港の各出張所と苫小牧分室でも在留審査を扱い、どこに出すかは申請の種類で決まります。

図4道内の出入国在留管理官署と扱う業務

札幌出入国在留管理局のページの記載にもとづく(2026年10月14日閲覧)
官署所在地業務(ページの記載)
札幌出入国在留管理局(本局)札幌市中央区大通西12丁目 札幌第3合同庁舎在留審査一般など。管轄は北海道全域
函館出張所函館市海岸町24-4 函館港湾合同庁舎在留審査一般・空海港業務
旭川出張所旭川市宮前1条3-3-15 旭川合同庁舎在留審査一般・空海港業務
釧路港出張所釧路市南浜町5-9 釧路港湾合同庁舎在留審査一般・空海港業務
稚内港出張所稚内市開運2-2-1 稚内港湾合同庁舎在留審査一般・空海港業務
苫小牧分室苫小牧市港町1-6-15 苫小牧港湾合同庁舎2階在留審査一般・海港業務
千歳苫小牧出張所新千歳空港 国際線旅客ターミナルビル空港業務
澄川分室札幌市内(窓口なし)申請の受付はしない。特定技能の届出の郵送先
出張所ごとの市町村単位の担当区域は、ページには書かれていません。行く前に電話で確かめると確実です。出典:出入国在留管理庁「札幌出入国在留管理局」(2026年10月14日閲覧)

申請先は「本人の住所地」と「会社の所在地」で決まる

国内にいる人の在留資格の変更や更新は、原則として本人の住所地を担当する地方局か出張所に出します。海外から呼ぶときの在留資格認定証明書は、原則として受入れ機関(会社)の所在地を担当する地方局か支局です。札幌局のページは、一部の在留資格で認定証明書の申請を扱わない出張所があると注意しています。

特定技能の届出は、郵送なら澄川分室へ

札幌局のページでは、特定技能に係る届出の提出先を、郵送なら澄川分室、持参なら札幌第3合同庁舎7階の審査窓口と案内しています。澄川分室には窓口がないため、持ち込みはできません。随時届出は事由が生じてから14日以内、定期届出は年1回です。

2026年10月からの手数料と処理期間

在留資格の変更・更新の手数料は、2026年10月1日から許可される在留期間に応じた額に変わりました。窓口では1年で33,000円、1年超3年未満で48,000円です。1号の在留期間は3年を超えない範囲で個別に決まります。標準処理期間は、認定証明書が1か月〜3か月、変更が1か月〜2か月、更新が2週間〜1か月です。

北海道の外国人材の補助金と、道の支援制度(2026年度)

2026年10月14日時点で、外国人材の受入れに使える道独自の補助金は、道のページでは確認できませんでした。道の支援は、相談窓口、セミナー、留学生との面談会、送出し国との関係づくりが中心です。

道の窓口と主な事業

外国人材の施策は、総合政策部国際局国際課(011-204-5113)がまとめています。入口は「外国人材に関する取組」のページです。外国人材活躍促進事業や外国人材受入・定着促進事業、北海道外国人相談センターなどへ進めます。送出し国の情報も載っています。インドネシアの現地送出機関の紹介(2026年5月1日掲載)や、ベトナム政府の海外労働管理局との人材育成に関する覚書(6月25日掲載)です。

農業では、道農政部の「農業分野における外国人材の受入れ」ページが相談先をまとめています。北海道労働局の外国人雇用管理アドバイザーに、雇い方や労務管理の助言を求めることもできます。

図5道の外国人材活躍促進事業の主な日程(令和8年度)

  1. 採用・定着セミナー&座談会(旭川・札幌・帯広)開催日を過ぎています

    旭川9月2日、札幌9月10日、帯広9月30日。内容は、在留資格の基礎や職場定着の取組についての専門家の解説です。

  2. 外国人材採用合同企業面談会(札幌)予定

    14:30〜17:00。就職を希望する留学生と道内企業が直接面談します。企業は会場かオンラインで参加できます。

  3. 採用・定着セミナー&座談会(函館)予定

    13:30〜16:40。セミナーは会場とオンラインの併用、座談会は会場のみです。

  4. 留学生向けの企業見学会(旭川周辺)予定

    留学生が道内企業を訪ねる企画です。受け入れる企業側の条件は道のページで確かめてください。

申込は道のページからリンクされた申込サイトで受け付けています。定員や締切は各ページで確かめてください。出典:北海道「外国人材活躍促進事業」(2026年9月29日)

国の助成金は道内でも使える

全国共通の人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)は、道内の会社も使えます。2026年10月1日以降に出す計画では、雇用労務責任者の選任と就業規則などの多言語化で20万円です。一時帰国の休暇制度も整えると25万円になり、外国人の離職率15%以下などの要件があります。詳しい探し方は特定技能で使える補助金・助成金で解説しています。

市町村への協力確認書を忘れない

道内の市町村が独自の補助や支援を設けている場合もあります。働く場所と住む場所の役場には、在留資格の申請前に協力確認書を出すので、その際に制度の有無を聞いておくと効率的です。事業所と住居が別の市町村なら、提出先は2か所になります。

広い北海道で支援を続ける工夫:距離・冬・空港を前提に組む

広い道内では、支援する人が現場に着くまでの時間が、そのまま支援の質に響きます。制度が求める面談や送迎は札幌圏でも道東でも同じなので、距離を前提に体制を組み立てることが定着への近道です。

図6広域で支援を回すための5つの工夫

  • 1面談はオンラインと対面を組み合わせる

    定期面談は3か月に1回以上。本人の同意と録画の保存などを条件にオンラインでもできます。初回と担当交代後は対面が望ましく、年1回以上の対面も望ましいとされています。

  • 2空港送迎の距離を先に測る

    入国時は空港から住居か事業所まで、出国時は保安検査場の前まで同行します。交通費は会社か登録支援機関の負担で、本人には負担させられません。

  • 3夜間・休日の相談の受け手を決める

    相談対応は、勤務日に週3日以上、休日に1日以上が求められ、夜間の対応も必要です。最初の連絡を誰が受けるかを決めておきます。

  • 4役場の手続きは冬の移動時間で計画する

    住居地の届出や社会保険・税などの手続きには、必要に応じて同行します。路面の悪い時期は、移動に余裕を見た日程にします。

  • 5担当者の受け持ち数を聞く

    2027年4月1日から、支援担当者1人あたりの受け持ちは受入れ機関10未満・1号50人未満が基準になります。広域を1人で回す体制かどうかを確かめます。

どれも札幌圏の会社と同じ基準です。違うのは移動にかかる時間で、そこを契約前に具体的にしておきます。出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(令和7年4月1日一部改正版)、出入国在留管理庁「登録支援機関の支援体制要件の改正」(2027年4月1日施行)

転出超過2,337人が示すこと

出入国在留管理庁は、2021年1月〜2024年末に1号の資格を得た341,253人について、2025年8月末までの転職を集計しています。転職を経験した人は22.4%で、延べ90,029件の転職のうち66.0%は都道府県をまたぐ住居の移動でした。北海道からの転出は3,696人、転入は1,359人で、差し引き2,337人の転出超過は全国で最も大きい数です。

資料は転職の理由を示していません。それでも、困りごとに早く気づける距離にいること、面談の回数と質を保つことは、会社が自分で手を打てる部分です。担当者が遠く、相談が後回しになる体制は避けたいところです。

2027年4月の改正で何が変わるか

登録支援機関には、常勤の支援責任者と支援担当者の配置が求められます。いまの委託先が新しい基準を満たせるかは、契約の更新前に聞いておきましょう。育成就労の開始を含む変更点は2027年4月の制度改正まとめにあります。

登録支援機関を北海道で選ぶときの確認点

登録支援機関は全国で11,660件(2026年10月8日時点)が登録されていますが、道内のどこまで来られるかは会社ごとに違います。登録簿で事務所の所在地を確かめ、担当者の拠点と移動時間を聞いてから比べるのが確実です。

登録簿で照合し、拠点と言語は直接聞く

出入国在留管理庁の登録支援機関登録簿(Excel)で、登録番号や所在地を照合できます。登録の後に抹消された機関は載っていません。ただし登録していても、実際に支援を受託しているとは限りません。2023年4月末には、登録8,137機関のうち支援委託契約を持つのは約50%でした。担当者が常駐する事務所や対応できる言語は、候補の会社に直接聞いて確かめます。

北海道の会社が委託先に聞いておきたい質問

  • 担当者が常駐する事務所はどこですか。冬の時期、当社まで片道どれくらいかかりますか。
  • 定期面談は対面とオンラインをどう組み合わせますか。対面は年に何回来られますか。
  • 夜間・休日の相談は、誰がどの言語で受けますか。駆けつけが必要なときの段取りは。
  • 空港送迎は新千歳空港を前提にしていますか。交通費は月額に含まれますか、実費ですか。
  • 当社と同じ分野(農業・漁業・製造など)を、道内で何社・何人支援していますか。
  • 担当者1人が何社・何人を受け持っていますか。2027年4月の基準への準備は進んでいますか。
  • 在留資格の申請書類は、どの行政書士が作成しますか。費用はどこに含まれますか。

委託先の候補が見つからない場合は、第三者の窓口で比べる方法もあります。特定技能のりあい窓口は、条件に合う人材紹介会社・登録支援機関を最大3社まで無料でご紹介する相談窓口です。会社に順位は付けず、選ぶのは御社です。掲載している会社から紹介手数料を受け取る場合がありますが、手数料の有無で提案の順番や内容は変えません。

北海道で特定技能を受け入れる手順

手順は全国共通です。北海道では「協議会の加入」「市町村への協力確認書」「申請先の確認」に余裕を持たせると、入社日がずれにくくなります。制度の全体像は特定技能とは?で確かめられます。

  1. 分野と業務区分、雇い方を決める

    19分野のどれに当たるかを確かめます。農業と漁業は、直接雇用か派遣かもここで決めます。

  2. 協議会などへの加入を先に済ませる

    農業はWEB申請で通常2週間程度。工業製品製造業は登録法人への入会に2〜3か月程度かかります。漁業は認定証明書の申請前に構成員になります。

  3. 給与と労働条件を決める

    最低賃金1,131円を下回らず、同じ仕事の日本人と同等以上にします。特定技能はフルタイムでの雇用が前提です。

  4. 市町村に協力確認書を出す

    雇用契約のあと、在留資格の申請前に、事業所と住居地の市町村へ出します。支援計画には、確かめた市町村の共生施策を書きます。

  5. 事前ガイダンスと健康診断を済ませる

    申請の前に、本人が理解できる言語で、対面かテレビ電話で行います。所要は3時間程度が目安です。

  6. 申請先を確かめて申請する

    変更・更新は本人の住所地、認定証明書は会社の所在地で担当の官署が決まります。窓口へ行く前に電話で確かめます。

  7. 入社後の面談と届出を回す

    3か月に1回以上の定期面談を続け、変更があれば14日以内に随時届出をします。定期届出は毎年4月〜5月です。

想定ケース:金属加工工場(従業員85人)の店舗運営部長が、旭川近郊で「通える支援」を選んだ理由

想定ケース(利用イメージ)について:この章は、特定技能の会社選びでよく寄せられる相談をもとに、編集部が場面を再構成した想定インタビューです。実在の企業・人物の発言ではありません。数値は公的資料にもとづく目安です。

  • 半年間、応募がゼロだった加工ラインに、特定技能1号の2人が入社した
  • 支援担当者の来社が「片道2時間半」の候補から「片道35分」の会社に。対面の面談は3か月ごと
  • 入社から6か月、2人とも在籍。10月の最低賃金の改定前に、時給換算での確認を終えた

――受け入れてから、何が変わりましたか。

止めかけていた加工ラインが、2交代のまま回るようになりました。入社したのは、道内で機械加工の技能実習を終えた2人です。支援をお願いしている会社の担当者は旭川に事務所があり、片道35分で来てくれます。面談は3か月ごとに対面で、間の相談はビデオ通話です。

――店舗運営の部長が、なぜ採用を担当したのですか。

うちは工場のほかに直営の販売店を持っていて、私は店舗のシフトと採用を見てきました。工場の求人を半年出しても応募がなく、工場長から「採用の段取りを一緒に組んでほしい」と頼まれたのが始まりです。外国人の採用は、会社として初めてでした。

――最初にぶつかった壁は何でしたか。

入社時期の見通しの甘さです。工業製品製造業は、在留資格の申請前に登録法人への入会が必要で、入会の完了まで2〜3か月かかると後から知りました。春の入社に間に合わないかもしれないと分かったときは、正直、焦りました。結局、入社日を3週間後ろにずらし、その間に寮の家具と冬用の作業着をそろえました。

――委託先は、どう比べましたか。

札幌に本社がある会社と、旭川に事務所がある会社の2社です。札幌の会社は実績が多く、説明も丁寧でした。ただ、担当者は札幌から来ると言われ、冬なら片道2時間半はかかります。旭川の会社は「暴風雪の日は伺えません。その日はビデオ通話にして、翌週に対面で補います」と、できないことを先に話してくれました。

――決め手は何でしたか。

その正直さと、段取りの具体性です。登録法人への入会を最初に申し込み、その間に寮と給与を固める日程表を、初回の打合せで出してくれました。申請書類はどの行政書士が作るのかも、聞く前に説明がありました。うちの規模と立地を前提に話してくれたので、ここなら相談しやすいと感じました。

――給与は、どう決めましたか。

同じラインで働く日本人の若手と、同じ賃金表に載せました。基本給と手当を分けて書き、残業の単価も同じ計算式です。10月に最低賃金が1,131円になると聞き、9月の給与計算の前に、手当を除いた時給を2人分計算し直しました。下回ってはいませんでしたが、来年の昇給の幅も、このとき工場長と決めています。

――実際に動かして、つまずいた点は。

協力確認書です。工場と寮が別の町にあり、提出先が2か所になると気づくのが遅れました。もう一つはバスの時刻で、冬の通勤は寮の送迎車に切り替えました。変更申請の窓口も、行く前に電話で確かめています。

――これから検討する会社に伝えたいことは。

担当者の拠点から自社まで、冬に何分かかるかを最初に聞くことです。会社の大きさより、その答えのほうが、入社後の支えに直結すると思います。

相談は無料です。条件に合う会社を最大3社までご紹介します。最終的に選ぶのは御社です。

よくある質問

北海道で特定技能の申請はどこに出しますか?

札幌出入国在留管理局か、在留審査を扱う道内の出張所(函館・旭川・釧路港・稚内港)や苫小牧分室に出します。変更・更新は本人の住所地、在留資格認定証明書は会社の所在地で担当が決まります。市町村単位の担当はページに書かれていないため、行く前に電話で確かめてください。

北海道に、外国人材の受入れに使える補助金はありますか?

2026年10月14日時点で、道独自の補助金は道のページでは確認できませんでした。国の人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)は道内の会社も使えます。市町村の制度は、協力確認書を出す役場で聞いてみてください。

札幌にある登録支援機関に、道東や道北の会社が委託できますか?

委託できます。距離の決まりはありませんが、定期面談・空港送迎・役場への同行・夜間の相談を、実際に回せる体制かが問われます。担当者の拠点と冬の所要時間、対面で来られる回数を契約前に確かめましょう。

北海道の農業や漁業で、派遣の特定技能を使えますか?

使えます。派遣で受け入れられるのは農業と漁業の2分野だけです。派遣元は、農協・漁協などの関係者や地方公共団体が関わる事業者などに限られます。派遣先の地域が、派遣元が雇用管理を行える範囲かも確かめてください。

最低賃金が上がったら、特定技能の給与はいつ見直しますか?

発効日の前に見直します。北海道は2026年10月1日に1,131円になりました。月給制の人も時間額に直して確かめ、同じ仕事をする日本人との釣り合いも合わせて点検しましょう。

道の面談会で出会う留学生も、特定技能で採用できますか?

分野の技能試験と日本語試験に合格していれば、在留資格の変更を申請して特定技能で働ける可能性があります。許可されるかは審査で決まります。分野によっては、技術・人文知識・国際業務など別の在留資格が合う場合もあるため、仕事内容から考えましょう。

道外への転職を防ぐために、何ができますか?

同じ分野の中での転職は本人の意思でできるため、「防ぐ」より「残りたい職場にする」発想が現実的です。3か月ごとの面談で早めに困りごとを聞き、住まい・通勤・昇給の見通しを具体的に示します。北海道は転職による転出超過が全国で最も大きいので、入社前の説明から丁寧に進めましょう。

定期面談をすべてオンラインにしてもよいですか?

本人の同意や録画の保存などの条件を満たせば、オンラインで行えます。ただし本人が対面を望めば対面で行います。受入れ後の初回と担当者の交代後は対面が望ましく、オンライン中心でも年1回以上は対面が望ましいとされています。

この記事の編集方針と出典

  • 制度・数値は、出入国在留管理庁・厚生労働省・所管省庁・自治体などの公表資料で確認し、時点を書いています(確認日:2026年10月14日)。
  • 制度は改正されることがあります。申請の前に、必ず最新の公表資料で確認してください。
  • 「想定ケース」は、よくある相談をもとに編集部が再構成したもので、実在の企業・人物の発言ではありません。
  • 特定技能のりあい窓口は、掲載している人材紹介会社・登録支援機関から紹介手数料を受け取る場合があります。手数料の有無で、ご提案の順番や内容は変えません。
  • 誤りにお気づきの場合は、下のフォームからお知らせください。確認のうえ修正します。

出典

  1. 出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数(令和8年6月末現在)第1表〜第3表(特定技能1号)」(2026年6月末・速報値)
  2. 出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数(令和8年6月末現在)(特定技能2号)」(2026年6月末・速報値)
  3. 出入国在留管理庁「第2表 都道府県別 特定産業分野別 特定技能1号在留外国人数(令和7年6月末現在)」(2025年6月末・速報値)
  4. 出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数のポイント(令和8年6月末)」(2026年6月末・速報値)
  5. 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人の転職状況」(2025年8月末・暫定値)
  6. 厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金全国一覧」(令和8年度)
  7. 出入国在留管理庁「札幌出入国在留管理局」(2026年10月14日閲覧)
  8. 厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)別添3 別表2」(2025年10月末)
  9. 北海道「外国人材に関する取組」(2026年10月2日)
  10. 北海道「外国人材活躍促進事業」(2026年9月29日)
  11. 北海道農政部「農業分野における外国人材の受入れ」(2026年9月18日)
  12. 厚生労働省「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」(2026年10月1日改定)
  13. 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(令和7年4月1日一部改正版)
  14. 出入国在留管理庁「特定技能制度における地域の共生施策に関する連携」(2026年3月23日様式改訂)
  15. 出入国在留管理庁「特定技能制度」(2026年10月)
  16. 出入国在留管理庁「在留許可手数料の額の改定に関するQ&A」(2026年10月)
  17. 出入国在留管理庁「登録支援機関の支援体制要件の改正(令和9年4月1日施行)」(2027年4月1日施行)
  18. 出入国在留管理庁「登録支援機関登録簿」(2026年10月8日)
  19. 農林水産省「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領(農業分野)」(2025年6月6日一部改正)
  20. 出入国在留管理庁「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領(漁業分野)」(2024年2月15日一部改正)
  21. 法務省・経済産業省「運用要領(工業製品製造業分野の基準について)」(2026年6月25日一部改正)

最終更新:(2026年10月版)

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